
【野菜のきほん #5】捨てちゃもったいない! 大根の葉、皮、おろし汁をおいしく食べるコツ
おなじみの野菜をおいしく食べるコツを料理のプロに教えてもらう企画「野菜のきほん」。1月のテーマである「大根」は、寒くなるにつれ、甘みとみずみずしさが増す野菜です。5回目は大根の葉、皮、おろし汁をおいしく食べる方法をご紹介! 教えてくれたのは、フードコーディネーターのタカハシユキさんです。簡単レシピもお見逃しなく。
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「大根の葉」は中心がやわらかくておいしい!
正月明けの寒の入りごろから、葉っぱがついた大根が出回ります。旬の大根はやわらかで水分もたっぷり、葉や皮まで美味しく食べられます。
そこで、捨ててしまいがちな大根の「葉」「皮」「おろし汁」までおいしく食べる方法をご紹介します。
大根の葉はβカロテン、ビタミン、カルシウムなど栄養豊富な緑黄色野菜。大根の葉がピンと伸びてみずみずしく、きれいな放射状に広がっていれば、鮮度がいい証拠。葉もおいしく食べられます。
買ってきたら、すぐに大根の葉を切って“いちばんおいしい部分”を摘み取ります。それはどこでしょう?
●大根の葉の「おいしい部分」の摘み取り方
1. 大根から葉を切り落とし、葉のつけ根を縦半分に切る。
2. 中央の薄い緑色の葉を摘み取る。
この葉は若くやわらかいので生でも食べられます。
残りの葉は外側に向かって固くなるので、みずみずしい葉だけ選んで料理に使いましょう。
【葉の食べ方】刻んで彩りやごはんのおともに
中央のやわらかい葉は、生のまま刻んでサラダやみそ汁に、さっとゆでて煮もの彩りに。
ほかの葉は新鮮なうちに細かく刻んで、炒めものや薄味で煮てごはんに混ぜて菜めしに。残ったら塩もみしておけば、餃子の具に加えるなど使えます。
【料理例】大根の葉とちりめんの炒めもの
●材料(作りやすい分量)
・大根の葉…… 約1本分(100g)
・油揚げ…… 1/2枚
・ちりめんじゃこ…… 大さじ3
・A(だし100ml、酒大さじ1、しょうゆ小さじ2、砂糖小さじ1/2)
・サラダ油…… 小さじ2
●作り方
1. 大根の葉は2cm幅に切る。油揚げはキッチンペーパーで余分な油を吸いとり、半分に切って7mm幅に切る。ちりめんじゃこは湯通しして水気をふく。
2. フライパンに油を中火で熱し、大根の葉を炒める。油がまわってきたら、油揚げ、ちりめんじゃこの順に加えて炒める。
3. Aを加えて混ぜ、大根の葉が食べやすい固さになったら火を止める。好みで一味唐辛子をふる。
旬の大根は「皮」もみずみずしい!
冬大根の皮はみずみずしくやわらか。夏大根のようにクセが強くありません。しかも、皮には大根より多くのビタミンCが含まれています。
大根の部位によって特徴が違い、上部の皮はやや固く苦みがあり、真ん中の皮はやわらかでいちばん食べやすい部分。下部の皮はやや筋ばっています。
【皮の食べ方】食感を活かした漬けものやきんぴらに
大根の皮はカラカラに干して、自家製切り干し大根を作ることもできます。でも、作ったまま食べずにカビが生えてしまった……なんてことも。
おすすめは皮が出たらすぐに塩もみに。水気をきって、漬けものにするなら塩麹とゆず、甘酢、中華風など、どんな味でも合うので飽きずに楽しめます。油で炒めてきんぴらにしても美味。切る太さは皮の固さによって変えるといいでしょう。
【料理例】大根の皮の中国風漬けもの
●材料(2人分)
・大根の皮…… 1/2本分(250~300g)
・塩…… 小さじ1/2
・A(酢大さじ1 しょうゆ小さじ2と1/2 砂糖小さじ1 赤唐辛子の小口切り少々)
・花椒(ホワジャオ=中国の山椒)・粒…… 小さじ2(※粉状を使う場合、少ない量に調整を)
・サラダ油…… 大さじ2
●作り方
1. 大根の皮は7mm幅に切り、塩をふってしばらくおく。出てきた水気をきって耐熱の保存容器に入れる。
2. Aを混ぜ合わせて1に加えて混ぜ、花椒をちらす。
3. 小さい鍋かフライパンにサラダ油を中火で熱し、熱いうちに2にかける(やけどに注意してください)。
※余熱がとれたら冷蔵庫で保存する。1週間ぐらい保存可。
「大根のおろし汁」の直飲みは注意して!
大根おろしの汁にもビタミンCや消化酵素のジアスターゼなど栄養素が含まれています。でも、栄養があるからといって直飲みはおすすめしません。大根特有の匂いや辛みで、胸のムカつきや胃痛を起こす人もいるからです。空腹時や胃が弱っているときはなおさらのこと。
【おろし汁の食べ方】ドリンクや麺つゆなど薄めて
そこでおすすめは、大根おろしの汁にはちみつを入れて湯で割ったホットドリンクや、福井名物・越前おろしそばのように大根おろしの汁で麺つゆ(しょうゆでも)を割ってそばを食べる方法。みそ汁やスープに使うのもいいですね。
【料理例】大根おろし汁のはちみつ割り
●材料(1人分)
・大根のおろし汁…… 大さじ2~3
・はちみつ…… 大さじ1
・湯…… 100~150ml
●作り方
器に大根のおろし汁とはちみつを入れて混ぜる。湯を注いで溶く。
※はちみつと湯の量は、おろし汁の辛みに合わせて好みで調整を
大根をすべて余すことなくおいしく食べる方法、ぜひお試しくださいね。
「野菜のきほん:大根」はこの5回目でラスト。また身近な野菜について解説する予定です。お楽しみに!
●料理・スタイリング タカハシユキ
フードコーディネーター。書籍、雑誌、WEBメディア、広告・商品開発で活躍。食材を活かしたシンプルな調理、体がよろこぶメニューに定評がある。
●撮影 南雲保夫
●構成・文 松本いく子
●参考文献 『改訂新版 栄養の教科書』(新星出版社)

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