イエシロアリの特徴を画像付きで徹底解説!大きさや生態、ヤマトシロアリとの違いも紹介
大きな巣を作って家屋に広範囲な被害を与えるイエシロアリ。本記事では、そんなイエシロアリの生態や見た目の特徴を解説していきます。さらに、イエシロアリと同じように家屋に被害を与えるヤマトシロアリとの違いや、シロアリが出たときの正しい対処方法についても紹介していくので、気になる方はぜひチェックしてみてください。
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イエシロアリの生態・見た目の特徴
ここでは、イエシロアリの生態や見た目の特徴について紹介していきます。
イエシロアリは階級ごとに見た目が異なる
社会性昆虫であるイエシロアリは、役割によって階級が別れており、見た目も異なります。
階級には女王アリや王アリ、働きアリ(職アリ)などがあります。
繁殖を担当している「女王シロアリ」や「王シロアリ」は、一番安全な巣の奥深くにいるためほとんど見かけることはありません。
しかし、外敵から巣を守る「兵アリ」や、新しい巣を作れそうな場所を探す役割の「羽アリ」、エサを調達する「働きアリ」は外に出ることが多いため、その分見かける確率も高いでしょう。
大きさは6mm~9mmほど
イエシロアリの大きさは、階級ごとに変わります。女王シロアリと王シロアリ以外は大体6mm~9mmであることが特徴です。
イエシロアリがどうかを確認したい場合は、人間の目に触れる機会が多い働きアリ・羽アリ・兵アリをチェックするといいでしょう。
▼階級ごとのイエシロアリの見た目の特徴
女王アリ・・約40mm、腹部に白い塊があり、巣に1匹だけ
兵アリ・・約6〜9mm、頭部の色は薄い茶色で卵のような形
羽アリ・・約7〜9mm、全体的に黄色みのある茶色
働きアリ・・約8mm、兵アリに似ているが頭部が白くて丸い
学名は「Coptotermes formosanus」
イエシロアリの学名は「Coptotermes formosanus」です。ミゾガシラシロアリ科の1種類で、別名は「タイワンヒメシロアリ」とも呼ばれます。
羽アリが飛ぶ時間帯は7月の午後6時~8時頃
イエシロアリの羽アリが飛ぶのは、6月の中旬ごろから7月中旬くらいまでの間の、午後6時~8時の時間帯です。
主に日が落ちて暗くなってから活動するため、家の明かりに向かって飛んできやすくなります。家の中に羽アリが入ってしまわないように、網戸は決して開けないように気を付けましょう。
生息地域は関東~九州までの海沿いが多い
イエシロアリの生息地域は、神奈川県の西側海岸線や、千葉県の太平洋側の一部地域といった温暖な気候の地域に生息しています。
千葉県から関西、九州までの地域もイエシロアリの生息地で、とくに海沿いに発生しやすい傾向があります。
巣は屋内だけでなく地面の中にも作る
イエシロアリの巣は、地面の中に作られた「本巣」を拠点とし、家の中や木の中にいくつかの「分巣」を作るという特徴があります。
つまり、屋外で巣が見つかった場合は分巣である可能性が高いので、その一つだけを駆除しても根本的な解決にはなりません。家への食害を止めたい場合は、地面の中にある本巣から駆除することが肝心になります。
大きな人害ではないが噛んでくることがある
イエシロアリは家屋を食害することが主な害なので、人間に対する直接的な害はとくにありません。
しかし、イエシロアリを触ろうとしたり、巣や蟻道を壊そうとすると兵アリが攻撃してくるため注意が必要。噛んだり、体液を出したりしますが、基本的にはとくに大きな人害はありません。
ただし、アレルギー体質や免疫力が落ちているときなどはイエシロアリの体液によって発熱などの症状が出る場合があります。そのため、イエシロアリを触ってしまって心配がある場合は念のため病院で診てもらうようにしましょう。
「蟻道」を見つけたらすぐに駆除を行うサイン
シロアリがいる場合は、土でできた筋のような「蟻道(ぎどう)」と呼ばれる道が作られていることが多いです。
蟻道は家の外であれば、床下の換気口付近や外壁に作られることが多いです。蟻道が床下の換気口の中に続いている場合は、床下にシロアリの巣がある可能性が高いです。
また、屋内であれば壁や柱などに蟻道が作られている場合があります。壁の中や天井裏につながっている場合は、その先に巣を作られている可能性が高いといえます。
蟻道がある場合は、どこかにシロアリの巣があるというサインなので早めの対処がおすすめです。自分で判断が難しい場合は、専門業者に診断に来てもらうようにしましょう。
イエシロアリとヤマトシロアリの見分け方・違い
ヤマトシロアリ | イエシロアリ |
|
性格 | 臆病 | 攻撃的 |
大きさ(兵アリ) | 4〜6mm | 6〜9mm |
大きさ(羽アリ) | 5〜7mm | 7〜9mm |
見た目の特徴(兵アリ) | ・頭部は細長くて褐色 ・胴体は薄い黄色 | ・頭部は卵型で、薄い茶色 ・胴体は白っぽい |
見た目の特徴(羽アリ) | ・全体的に黒っぽく、胸の一部が黄色 | ・全体的に黄色みのある色 |
生息地域 | ・北海道北部以外の日本全土 | ・太平洋側の暖かい地域、南西諸島、小笠原諸島など |
生態 | ・水を運べない ・乾燥に弱い | ・水を運べる ・乾燥に強い |
巣の作り | ・巣が小さく、2〜3万匹 | ・本巣と分巣があり大きく、数十万〜数百万匹 |
食害する範囲 | ・湿度の高い場所 | ・巣から半径100m以内のどこでも |
イエシロアリに似た見た目をしているヤマトシロアリですが、写真のように色や頭部の大きさなどに違いがあります。
ここでは、イエシロアリとヤマトシロアリの違いを紹介していきます。
兵アリ・羽アリが見分けやすい!
イエシロアリかヤマトシロアリか見分けるには、兵アリか羽アリをチェックするのがわかりやすくておすすめです。
兵アリは「頭部」が四角いのがヤマトシロアリで、丸いのがイエシロアリという違いがあります。
また、羽アリは「羽の色」が黒いのがヤマトシロアリで、黄色いのがイエシロアリです。
▼働きアリはかなり見分けにくい
イエシロアリとヤマトシロアリの働きアリはかなり似ているため、見分けるのは難しいでしょう。
自分では判別が難しい場合は写真を撮っておいて、のちのち業者に見せるのがおすすめです。
羽アリになる時期や時間帯が違う
ヤマトシロアリ | イエシロアリ |
|
時期 | 4〜5月頃 | 6〜7月頃 |
時間 | 午前中 | 夕方〜夜 |
シロアリは、新しい住処や繁殖のために羽アリに変化し、新しい住処を見つけると生えた羽は自然と抜け落ちます。
また、羽アリが発生する時期や時間帯は、上記の表のようにイエシロアリとヤマトシロアリでも異なるので、羽アリを見つけたときは時期や時間にも注意してみましょう。
▼羽アリとシロアリの違いもチェック
生息地域の分布はイエシロアリの方が狭い
引用:日本しろあり対策協会
イエシロアリの生息地域は、神奈川県の西側海岸線や、千葉県の太平洋側の一部地域から関西、九州までの温暖な地域で、とくに海沿いに発生しやすい傾向があります。
一方、ヤマトシロアリは全国的に発生するのが特徴です。
食害はイエシロアリの方が広範囲
ヤマトシロアリは、水を運べないため、湿度の高い場所を好んで食害し、巣を作ります。一方で、イエシロアリは女王アリなどが住んでいる本巣と、経由地となる分巣を作り、水も運べるためどこでも食害する習性があります。
そのため、家屋への食害はイエシロアリの方が広範囲になる傾向があるのです。
▼ヤマトシロアリについてはこちらもチェック
イエシロアリの被害に遭いやすい場所
- 家屋の土台
- 天井裏
イエシロアリは水を運ぶことができるため、基本的にはどこでも食害することが多いですが、ここでは具体的にどのような場所が被害に遭いやすいのかについて解説します。
家屋の土台
イエシロアリは基本的に土の中に巣を作りますが、食害する範囲は広く、家屋の土台を食べながら進み、家中の木材などを食べます。
家屋の土台がイエシロアリの被害に遭うと、家屋の耐久性に問題が生じます。そのため、家が傾いたり、柱などが脆くなったり、災害時に被害が大きくなる場合もあります。
天井裏
イエシロアリは乾燥に強く、水を運ぶこともできるため、家屋の天井裏まで食害することもあります。
天井裏のなかでも、梁(はり)や桁(けた)などの太い構造材を好んで食べ進めるため、家屋の倒壊などのリスクが高くなります。
シロアリの駆除方法
シロアリの駆除方法は、巣に直接薬剤を撒く「バリア工法」と、家のまわりに毒餌を埋める「ベイト工法」の2種類です。
ここでは、駆除方法について紹介していきます。
「バリア工法」なら即座に駆除できる
巣やシロアリに直接薬剤を噴きかける「バリア工法」は、その場でシロアリを巣ごと駆除できる即効性のある方法です。
業者に依頼すると20坪で13万円前後で駆除してもらうことができます。自分で行う場合は7万円前後で道具を揃えて行うことも可能です。その場合は、薬剤の取り扱いや怪我に気をつけるようにしてください。
「ベイト工法」なら手軽に駆除できる
シロアリが好む木材に薬剤を仕込み、地面に埋めることでシロアリに食べさせる「ベイト工法」は、バリア工法よりも一度でより多くの巣のシロアリを駆除できる方法です。
イエシロアリの場合は、家の中で見つかる巣のほかにも本巣や分巣がある可能性が考えられるのでベイト工法がおすすめ。
業者に依頼すると20坪で10万円前後で駆除してもらえます。自分で行う場合は、スコップと毒餌を揃えるだけなので7,000円ほどの費用に抑えることができます。しかし、イエシロアリが食いつきそうな場所を特定する必要があるので、難しい場合は業者に依頼した方が効果的でしょう。
【PR】シロアリ駆除はシロアリ110番に相談!
イエシロアリは数十万〜数百万の巣を作り、家屋の木材を食害して耐久性を低くする危険性があります。活動が活発になる前に予防や駆除をしておきましょう。
「シロアリ110番」は、シロアリに関する相談を無料で電話やメールにて受け付けています。被害を発見したときや、シロアリがいるか気になったら気軽に相談してみましょう。
イエシロアリを見つけたときの応急処置方法
- 1.粘着テープで取り除く
- 2.侵入経路をビニール袋とテープで塞ぐ
イエシロアリは本巣と分巣を作り、1つの巣に数十百〜数万匹いると言われています。数十匹残っているだけでも巣は再生可能なため、自分で完全に駆除するのは難しいです。
今回紹介する対処方法はあくまでも応急処置なので、早めに専門業者に駆除を依頼しましょう。
粘着テープで取り除く
家の中などで数匹シロアリを発見したときは、ガムテープや粘着テープ(コロコロ)などを使って取り除くのがおすすめです。イエシロアリの場合は攻撃性が高く、噛むこともあるので注意しながら行ってください。
また、シロアリがついたガムテープや粘着テープをいくつか残し、業者の人がシロアリの種類をきちんと判別できるようにしておくとよいでしょう。
侵入経路をビニール袋とテープで塞ぐ
羽アリやシロアリが侵入している隙間や穴などが分かれば、侵入経路をビニール袋で塞いでテープで固定する方法もあります。ビニール袋で侵入経路を塞ぐことで、家の中に入ってくることを防ぐ効果もあります。
ビニール袋は業者の人が来るまで刺激しないでそのままにしておきましょう。
イエシロアリに関するQ&A
Q1. イエシロアリの見た目の特徴は?
A. 兵アリは頭部は卵型で薄い茶色、胴体は白っぽい。羽アリは胴体は黄色みのある色
イエシロアリを見分けるには、兵アリと羽アリに注目してみましょう。兵アリは大きさ6〜9mm程度あり、頭部は丸い卵型で茶色、胴体は白っぽい色をしています。羽アリは大きさ7〜9mmあり、全体的に黄色みのある色が特徴的です。
Q2. イエシロアリが羽アリになる時期は?
A. 6〜7月頃に羽アリになる
イエシロアリが羽アリになる時期は6〜7月頃で、夕方から夜にかけて群れになって飛びます。シロアリの羽アリは基本的に飛ぶのが苦手で、天候に影響されますが、100m〜1km以内を飛ぶとも言われています。
Q3. イエシロアリの被害に遭っているか確認するには?
A. 壁や柱を叩いて軽い音がするか、床が軋むかなどを確認する
シロアリは木材の内部を食害していくため、表面上では被害が分かりにくいです。壁や柱を叩いて軽い空洞音がしたり、床がギシギシと軋む場合はシロアリの被害にあっている可能性があります。
また、イエシロアリは土や排泄物などで作る蟻道(ぎどう)と言うトンネルを使って移動するので、基礎や外壁に蟻道を発見したら住み着いている場合があります。
シロアリに関する記事もチェック
※記載している商品情報は、LIMIA編集部の調査結果(2024年4月)に基づいたものです。
※画像は全てイメージです。
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