【画像】ヤマトシロアリの見た目の特徴とは?巣・生態・駆除方法を解説
ヤマトシロアリは湿度の高い場所の木材を食害し、家が被害にあうと耐久性に問題が生じます。本記事では、生態や兵アリと羽アリから見分ける方法を画像付きで紹介します。また、イエシロアリやカンザイシロアリとの違い・見分け方や駆除方法も解説していくのでお困りの方はぜひ参考にしてみてください!
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ヤマトシロアリの階級や役割による「見た目の違い」
日本に生息している代表的なシロアリの種類のひとつである「ヤマトシロアリ」。ここでは、ヤマトシロアリの階級ごとの役割や見た目の違いなどを解説します。
ヤマトシロアリは社会性昆虫のため、女王アリや王アリをはじめ、羽アリ、兵アリ、働きアリと役割が分かれており、役割によって体の大きさや寿命なども異なります。
ヤマトシロアリのなかでもとくに見分けやすいのは、羽アリと兵アリです。
女王アリ(巣に1匹)
- 大きさ・・約15mm~30mm
- 見た目の特徴・・腹部が白っぽく肥大化している
- 役割・・繁殖と産卵
- 寿命・・数十年
女王アリは体長15mmもあり、腹部が白っぽく肥大化しています。これは毎日繁殖と産卵を繰り返すためです。また寿命は数十年あると言われており、繁殖ができなくなると働きアリなどに食べられて最期を迎えます。
普段は、巣に1匹しかいない存在であるため、巣の一番奥にいるため、地上で見つけることはほとんどないでしょう。
▼シロアリの女王アリについてはこちらもチェック!
羽アリ(巣の1〜2%)
- 大きさ・・約5〜7mm
- 見た目の特徴・・頭と胴体が黒っぽく、胸板が黄色っぽい
- 役割・・幼虫期は働きアリと同じ階級で、新しい住処を探すために羽を生やす
- 寿命・・約2年
羽アリは普段は羽がなく、働きアリと同じようにエサを調達したり、巣を作ったりしていますが、毎年4〜5月になると羽を生やして繁殖や新しい住処を探すために、夕方以降から群飛(ぐんひ)を行います。
役目を終えたら羽を落とすため、写真のような姿ではなくなります。
兵アリ(巣の3%)
- 大きさ・・約4〜6mm
- 見た目の特徴・・頭が細長く、胴体は黄色っぽい
- 役割・・緊急時に敵を攻撃、防衛する
- 寿命・・約2年~5年
兵アリは体長4〜6mmほどあり、頭が細長く黄色っぽいのが特徴です。巣や群れが外敵から襲われたら一斉に出てきて、敵を攻撃して巣を守る役割を果たします。
働きアリ(巣の90〜95%)
- 大きさ・・約5mm
- 見た目の特徴・・兵アリと似ているが、兵アリよりも頭が丸い
- 役割・・エサの収集や女王アリなどへのエサやり、巣作りも行う
- 寿命・・約2年~5年
働きアリは体長5mmほどで兵アリと似た見た目をしていますが、兵アリよりも頭が丸いのが特徴です。
働きアリは、主にエサの調達や、他の役職のアリへエサを与える役割を担っています。また、巣を作ったり、巣の修繕・掃除などを行うのも働きアリの役割です。
ヤマトシロアリの生態・特徴
次に、ヤマトシロアリの生態や特徴について紹介していきます。
活動時期は一年中
多くの昆虫は越冬する場合には冬眠をしますが、ヤマトシロアリは寒さに強く、外気が伝わりにくい場所に巣を作るので1年中活動します。
4月~5月が発生時期
4〜5月頃になると繁殖や新しい住処を探すために、ニンフの階級にいる幼虫が姿を変えて移動します。
生息域の分布は日本全土
引用:日本しろあり対策協会
ヤマトシロアリは、日本で被害が確認されることの多い種類のひとつで、北海道北部以外の日本全土に生息しています。
床下や水回り・天井に巣を作る
- 湿度の高い床下
- お風呂などの水回り
- 結露しやすい断熱材
- 雨漏りがあった天井
水を運ぶことができず、乾燥にも弱いヤマトシロアリの巣は、水気や湿度の多い場所に作られ、食害した場所を巣にする習慣があります。また、巣のコロニーは中程度で、2〜3万匹程度です。
寿命は約2年~数十年!
ヤマトシロアリの寿命は、女王シロアリ以外は基本的に約2年~5年だといわれています。
女王シロアリの寿命は約10年~20年ほどで、昆虫の中では比較的長寿なのが特徴です。また、女王シロアリが生きている間は、一日25個程度の卵を毎日産み続けるため、繁殖力がとても高く、場合によっては巣自体が数十年存続するケースもあるのです。
ヤマトシロアリ・イエシロアリの違い
ヤマトシロアリ | イエシロアリ |
|
性格 | 臆病 | 攻撃的 |
巣(コロニー)の大きさ | 約2〜3万匹 | 約数十万〜数百万匹 |
活発な時期 | 4〜5月頃の午前中や雨上がり | 6〜7月頃の夕方から夜 |
特徴 | 寒さに強く乾燥に弱い | 水を運べて乾燥に強い |
被害を与えやすい場所 | 床下、水まわり | 家の土台、天井裏 |
イエシロアリの方がやや大きい
ヤマトシロアリに見た目が似たイエシロアリですが、兵アリと羽アリの大きさや色などから見分けることができます。
活動期が異なる
また、羽アリの発生時期もヤマトシロアリが4〜5月頃の午前中や雨上がりなのに対して、イエシロアリは6〜7月頃の夕方から夜にかけて群飛するのが特徴です。
そして、ヤマトシロアリは寒さに強い反面、乾燥に弱いので床下や水回りなど湿度の高い場所を主に食害します。一方、イエシロアリは水を運ぶことができるため、乾燥に強く、家の土台や天井裏まで食害することがあります。
どちらもフンを残さないという共通点がある!
ヤマトシロアリとイエシロアリは、フンをエサとして食べたり、蟻道作りに活用するため、フンを残さないという習性があります。
そのため、家の中などでフンをみつけることがほとんどありません。もしもフンの塊が見つかった場合は、アメリカカンザイシロアリである可能性が考えられるでしょう。
▼イエシロアリについてはこちらもチェック!
ヤマトシロアリ・カンザイシロアリの違い
ヤマトシロアリ | アメリカカンザイシロアリ |
|
巣(コロニー)の大きさ | 中程度(約2〜3万匹) | 小さい |
活発な時期 | 4〜5月頃の午前中や雨上がり | 6〜9月頃の日中 |
特徴 | 寒さに強く乾燥に弱い | 乾燥にとても強い |
被害を与えやすい場所 | 床下、水まわり | 家中どこでも |
見た目や色などの大きさに違いがある
外来種のアメリカカンザイシロアリは、ヤマトシロアリと大きく異なる見た目をしているので、姿や大きさなどから見分けられます。
アメリカカンザイシロアリは、ヤマトシロアリと比べて兵アリも羽アリも全体的に黒っぽいところが大きな見た目の特徴です。とくに、兵アリの頭が四角く大きい場合は、アメリカカンザイシロアリである可能性が高いといえます。
カンザイシロアリの方が乾燥に強い
アメリカカンザイシロアリは、乾燥にとても強く、水分を含まない硬い木材も好んで食害します。活動が活発になる時期も6〜9月の日中なので、ヤマトシロアリとは異なります。
カンザイシロアリのフンは家の中で見つけられることがある
また、アメリカカンザイシロアリは1ヶ所にフンをためる習慣があり、「蹴り穴」と呼ばれる小さな穴を開けて乾いたフンを外に出します。そして、蟻道を作らないアメリカカンザイシロアリは、食害した木材に小さな巣を作り、それぞれが移動しながら食害するので、駆除が難しい種類です。
▼アメリカカンザイシロアリについてはこちらもチェック!
ヤマトシロアリの被害や危険性
- 天井や床下の柱の食害
- 食害による雨漏り・欠損
- 食害による断熱材の欠損
ヤマトシロアリは、寒さに強く外気が伝わりにくい場所に巣を作り、湿った柔らかい木材を好んで食害します。
とくに、湿度の高い床下やお風呂などの水回り、結露しやすい断熱材は被害にあいやすい場所です。湿度が高ければ天井の木材も食害します。過去に雨漏りがあったり、今雨漏りがあるとヤマトシロアリを天井まで引き寄せてしまうので、早めに修繕工事を行いましょう。
ヤマトシロアリを見つけたときの応急処置方法
- 70〜100℃の熱湯で流す
- 粘着テープで取り除く
- 大量発生時にはビニール袋やテープで塞ぐ
ヤマトシロアリの兵アリや羽アリを見つけたときに、熱湯を流しても問題ない場所であれば、70〜100℃の熱湯で流すのもよいでしょう。
もし、熱湯が使えない場所なら粘着テープ(コロコロ)などを使用して取り除く方法もあります。大量発生時に侵入してくる穴などが分かるようであれば、侵入場所をビニール袋やテープで塞ぐのも有効な応急処置方法です。
ヤマトシロアリに殺虫剤をかけるのはNG
ヤマトシロアリを見つけたときに、殺虫剤をかけても巣から駆除しなければ、再発する可能性があります。
また、殺虫剤にはシロアリの嫌う成分が含まれていることがあり、むやみに殺虫剤を使うとシロアリが奥に逃げて被害が拡大する場合もあるので、殺虫剤の使用は控えましょう。
ヤマトシロアリを自分で駆除する方法
ヤマトシロアリをしっかりと駆除するには業者に依頼するのが確実ですが、できるだけ安く済ませたいという方もいるはず。
その場合は、バリア工法・ベイト工法の2つの駆除方法を試してみましょう。
バリア工法
バリア工法とは、シロアリが床下にいる場合に有効な駆除方法です。
床下に入り込んでシロアリを駆除する薬剤を仕込むことで、今いるシロアリの駆除と再発予防をかなえることができるのがメリット。そのため、ピンポイントでしっかりシロアリを駆除したいという方におすすめです。
ベイト工法
ベイト工法は、家のまわりの地面に毒餌を数ヵ所埋めてシロアリを駆除する方法です。
床下のシロアリだけに限らず、壁の内側や天井にいるシロアリにも有効なのがメリット。また、薬剤を地面に埋めるだけなので、床下にもぐりこむ必要がないため、手軽に済ませたいという方におすすめです。
ヤマトシロアリの駆除は専門業者に依頼するのが適切!
ヤマトシロアリを見つけたときには、早めに専門業者に調査や駆除を依頼しましょう。ここでは、業者の選び方や費用について解説します。
業者の選び方
- きちんと調査、説明をしてくれるか
- 見積もり料金は明確か
- 駆除費用が安すぎないか
- アフターフォローがあるか
シロアリ駆除業者を選ぶときには、上記をポイントに選んでみましょう。
シロアリ調査は、依頼をして現地調査を行い、当日に駆除を行う場合の見積もりの提示を行います。駆除が必要な場合は、別日にヒアリングと駆除を行い、掃除までするのがおおまかな流れです。
調査時間や駆除の施工時間が短すぎる業者や、調査を行わないで駆除を行おうとする業者、駆除費用が相場からかけ離れて安すぎる業者は要注意。のちのち不当な大金を請求してくる悪徳業者である可能性が高いので、依頼しないようにしてください。
費用の相場
LIMIA編集部がいつくかのサービスを調べたところ、駆除費用は1㎡あたり2,000円~3,000円(一坪6,600円~9,900円)が目安です。一軒家の場合は20〜30坪であることが多いので、132,000〜297,000円ほどを基準に検討しましょう。
※駆除費用は、2024年4月現在のLIMIA編集部の調査によるおおよその金額です。
【PR】シロアリの調査・駆除は「シロアリ110番」
ヤマトシロアリの被害が気になったら、専門業者に相談してみましょう。
「シロアリ110番」は調査料金は無料、駆除は1㎡あたり1,320円〜行ってくれます。保証は5年ついており、しっかりとしたアフターフォローもうれしいポイントです。相談は24時間365日、電話とメールにて無料で受け付けています。
また、シロアリ被害や腐朽から家を守るための団体「日本しろあり対策協会」が指定した工法で施工しているので、駆除業者選びに迷っている人は検討してみてください。
ヤマトシロアリに関するQ&A
Q1. ヤマトシロアリの見た目の特徴は?
A. 兵アリは頭が細長く、淡い褐色。羽アリは全体が黒く胸板が黄色っぽい
ヤマトシロアリはイエシロアリと似ていますが、イエシロアリに比べて小ぶりです。また、兵アリと羽アリに特徴があり、兵アリは頭が細長くで淡い褐色、羽アリは全体的に黒く前胸板が黄色っぽくなっています。
Q2. ヤマトシロアリが羽アリになる時期はいつ?
A. 4〜5月頃の午前中や雨上がりに見られる
ヤマトシロアリが羽アリになる時期は、地域によって若干ズレが生じますが、おおよそ4〜5月頃の暖かい季節の雨上がりなどで見られます。また、光に向かって飛ぶ特性があり、午前中に飛び回ります。
Q3. ヤマトシロアリの危険性とは?
A. 被害に遭うと家の耐久性に問題が生じる
ヤマトシロアリは臆病な性格なので、攻撃性は低いです。しかし、家屋が被害にあうと、家の耐久性が低くなる危険性があります。そのため、早めに対処するのがおすすめです。
Q4. ヤマトシロアリの駆除は自分でできる?
A. 完全に駆除するのは難しく、被害が広がる可能性も
ヤマトシロアリに限らず、シロアリは自分で完全に駆除するのは難しいです。また、殺虫剤にはシロアリの嫌う成分が配合されているので、その場から逃げて違う場所で巣を作り、被害が広がるリスクがあります。シロアリを発見したら、刺激せずに専門業者に駆除を依頼しましょう。
シロアリに関する記事もチェック
※記載している商品情報は、LIMIA編集部の調査結果(2024年4月)に基づいたものです。
※画像は全てイメージです。
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