シロアリ予防は必要か?自分でできる対策や業者選びのポイント・費用を紹介
シロアリ被害と聞いたことがあっても、実際どんなアリで、またどのような被害をもたらすのか、ご存じではない方も多いはずです。そこで今回は、自分で出来るシロアリ予防の方法から、業者に依頼すると費用はどのくらいかかるの?など、シロアリの予防について徹底解説します!
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シロアリ予防はどの家にも必要!
床下や湿気の多い場所で発生しやすいシロアリ。放置してしまうと家中の木材を食べてしまい、ひどい場合は耐震性に影響がでることがあります。
シロアリ被害が進むと、シロアリの駆除費用や家の修理にかかる費用などが多くかかってしまうこともあるため、しっかりと予防をしておくことが大切です。
また、新築時に薬剤を散布している場合でも効果の持続期間は約5年なので、定期的に対策しておくことが望ましいです。
家屋に被害を及ぼすシロアリの種類
日本で生息するシロアリは約20種類ほどで、その中でもヤマトシロアリ、イエシロアリ、アメリカカンザイシロアリの3種類が、主に家屋に被害を及ぼすシロアリになります。種類により、被害を受けやすい場所や活動時期が異なります。
アリに羽が生えた羽アリを見たことはないでしょうか? 羽アリは、クロアリ、シロアリが成長し、変化した姿になります。シロアリの羽アリを見付けたら、近くにシロアリの巣がある場合もあるため注意をしましょう。
それぞれのシロアリの特徴を見ていきます。
● ヤマトシロアリ
北海道北部以外の日本全土に生息し、4月~5月あたりに活動が活発になり、ほぼ1年中活動しているシロアリです。
湿った木材を好み、建物の下部材、床下や水回りに被害を及ぼします。羽アリになると、体長が3~6mm程度で全体が黒褐色になり、背中に黄色のラインがあるのが特徴です。
● イエシロアリ
太平洋側の暖かい地域や南西諸島、小笠原諸島などに生息するイエシロアリは、6~7月あたりにかけて活発に活動をします。
水を持ち運ぶ能力に長け、1階以上の乾燥している環境下にある木材にも加害することができ、家屋全体に被害を及ぼします。
羽アリは体長7~9mm程度で、全体が黄褐色をしています。
● アメリカカンザイシロアリ
アメリカの太平洋沿岸部などに生息していたシロアリが、輸入家具とともに日本に入ってきた、外来種のシロアリです。
アメリカカンザイシロアリは、ほぼ1年中活動し、7~9月あたりに活発になります。乾いた木材も好み、家屋全体に被害を及ぼす可能性があります。また再生能力も長けていることから、駆除をおこなっても再被害が出やすい種類になります。
羽アリは体長7~10mm程度と、ヤマトシロアリやイエシロアリよりも大きく、全体が赤褐色で、黒い羽が特徴的です。
一方で、クロアリの羽アリは、羽が厚く、前側の羽が大きく、後ろの羽は小さいのが特徴的です。そのため、シロアリかクロアリの羽アリか分からないときは、羽をチェックしてみましょう。
どんな場所が被害を受けやすい?
- ヤマトシロアリ:主に床下や水回り
- イエシロアリ、アメリカカンザイシロアリ:家全体
シロアリは湿気がある暗い場所を好むため、洗面所や浴室などの水回り、床下などが被害に遭いやすい場所です。
また、イエシロアリ、アメリカカンザイシロアリは湿気がない場所でも活動が可能。屋根裏、柱などの乾燥した木材も食べてしまうことがあるため注意しましょう。
シロアリ予防を行う時期の目安
シロアリには活発に活動する時期があり、そのため、シロアリ予防をおこなう時期も大事になります。また、新築するときにできるシロアリ予防についても紹介していきます。
戸建ての場合は新築する前に
戸建ての場合は、新築する際からシロアリ予防をしておくのも一つの手です。せっかく建てた戸建てが、シロアリ被害に遭わないためにも、シロアリが発生しにくい家作りをしましょう。
新築時にできるシロアリ対策は次の通りになります。
- シロアリ対策重視ならば、ベタ基礎がおすすめ
- 床下に潜りやすい点検口をつくる
- 基礎を外側から点検しやすいようにするため、基礎付近に動かしにくいものを置かない
- スギやヒノキなど、かたい木や香りがよい木を使う
- 基礎、玄関ポーチなどに隙間をつくらない
- 給排水管の周りに隙間をつくらない
基礎には「布基礎」と「ベタ基礎」があり、床下全体をコンクリートで覆う「ベタ基礎」の方が、シロアリ被害に遭いにくくなります。また、シロアリ被害には早期発見が重要なため、定期的な点検をおこないやすいよう、床下に潜りやすい点検口をつくりましょう。
建材も、スギやヒノキ、ローズウッドなど、かたい木や香りのよい木は、シロアリが嫌う傾向にあり、そういった木材で建てるのもシロアリ予防になります。
シロアリは、床下の給排水管や基礎の立ち上がり、玄関ポーチの隙間から入り込み、洗面所などの湿気がある場所を好み住みつきます。そのため、隙間がない作りにすることが大切です。
▼ 新築のシロアリに関してはこちらの記事もチェック
シロアリ予防は暖かい時期が最適
- 4〜9月ごろがおすすめ
- 薬剤散布は5年に1度を目安に行う
シロアリは季節に関わらず1年中活動していますが、特に4〜9月ごろの暖かい時期が活発的になるタイミング。
そのため、シロアリ予防は暖かい時期に行うのが最適です。
また、予防に使われる薬剤の効果は約5年で切れてしまうため、5年に1度を目安にシロアリ予防を行うのが望ましいとされています。
自分でできるシロアリ予防!気をつけるポイント
- 1.雨漏りがないか確認する
- 2.室内の風通しをよくする
- 3.木材を放置しない
ここからは自分でできる範囲のシロアリ予防法を紹介します。湿度が高い環境を作らない、シロアリの好物を放置しないのがポイント。
※防除剤を使う際は、商品の使用範囲を守り、子どもやペットの接触や誤飲、火災などの事故に十分気をつけてください。
【1】雨漏りがないか確認する
雨漏りによって湿った場所はシロアリが住みついてしまう可能性が高いため、半年〜1年を目安に雨漏りがないかチェックしておきましょう。
「壁や天井部分にシミができている」「雨の日に水が垂れてくる」「カビの臭いがする」といった場合は、室内に雨漏りが起きている場所があるかもしれません。
そのほか、外壁や窓、サッシ周辺などにヒビ割れが原因の場合もあるため確認しましょう。
【2】室内の風通しをよくする
シロアリは湿度が高く暗い場所を好むため、室内の風通しをよくしておくことも大切です。
特にお風呂場や、洗面所などの水回りはシロアリが発生しやすく、こまめに窓を開ける、換気扇をつけるなどして予防するのがおすすめ。
【3】木材を放置しない
シロアリは木材や段ボールをエサとするため、家の外壁や基礎の近くに置いたままにしないようにしましょう。
また、ウッドデッキもシロアリ被害に遭いやすいため注意。シロアリに強い人工木を使う、メンテナンスをこまめに行うことや、そもそも作らないというのも予防のひとつになります。
シロアリの予防・駆除におすすめの薬剤4つ
ここからは、自分で出来るシロアリ予防におすすめの薬剤を紹介します。
【1】シロアリジェットプロ / フマキラー
殺虫、予防、木材防腐の3つの効果を発揮するフマキラーの「シロアリジェットプロ」。
すきま用のノズルが付いており、木材の割れ目や隙間にも浸透し、隠れたシロアリも退治します。
また、逆さまにしてもスプレー可能で、床下にも楽に散布できます。羽アリにも効果的なため、あらゆるシロアリ予防に使える薬剤です。
※:本品は屋外、床下専用のスプレーです。
※ その他詳しい使用方法・注意等はこちらをご覧ください(フマキラー:シロアリジェットプロ)
【2】シロアリアース / アース製薬
シロアリ駆除成分ビフェントリンを配合したアース製薬の「シロアリアース」。
特殊パウダー配合で、薬剤に触れたシロアリと共存する仲間のシロアリの駆除にも期待がもてます。また、木材防腐成分や防カビ成分も配合されており、シロアリ被害の拡大を抑えます。
すきまノズルで狭いところも噴射可能、逆さまにしても使用できます。
※ その他詳しい使用方法・注意等はこちらをご覧ください(アース製薬:シロアリアース)
【3】シロアリ撃退 ホウ酸スプレー / アイメディア
シロアリの侵入を防ぎたいところには、アイメディアの「シロアリ撃退 ホウ酸スプレー」。
シロアリが薬剤の成分を巣に持ち帰り、仲間のシロアリにも薬剤の成分を行き渡らせ、徐々に死滅させていきます。
合成殺虫剤や農薬系薬剤、揮発性有機化合物不使用で、さらには無香料なため、薬剤や臭いに敏感な方におすすめです。
ただし、遅効性のため、シロアリにかけてすぐ死滅する薬剤ではないところは注意が必要です。
※ その他詳しい使用方法・注意等はこちらをご覧ください(アイメディア株式会社:シロアリ撃退 ホウ酸スプレー)
【4】シロアリハンター / IKARI
薬剤を散布せず、シロアリに食べさせることで駆除するIKARIの「シロアリハンター」。
シロアリをおびき寄せ、昆虫にだけ作用する有効成分を食べさせ、脱皮できないようにし、徐々に死滅させます。それにより、巣の維持ができなくなり、巣ごと駆除することができる薬剤です。
使用方法もシロアリの被害場所や生息場所、出やすい場所に設置するだけで手軽に使えます。
※ その他詳しい使用方法・注意等はこちらをご覧ください(IKARI:シロアリハンター)
シロアリ予防を専門業者に頼むと費用はどれぐらい?
自分でできるシロアリ予防を実践してみても家の隅々まで完璧に予防するのは難しいため、きちんと予防したい場合は害虫駆除業者に相談してみるのもおすすめ。
シロアリ予防の専門業者に依頼する場合は、シロアリが発生しそうな場所を確認し、薬剤を散布、設置する流れが基本となります。
専門業者を選ぶポイントや具体的な施工方法をまとめたので参考にしてみてくださいね。
専門業者が行うシロアリ予防方法
メリット | デメリット |
|
ベイト工法 | ・臭いが少ない ・巣ごと駆除できる ・薬剤が飛散しない | ・費用が高め ・効果が出るまで時間がかかる ・設置できる場所が限られる |
バリア工法 | ・即効性がある ・広い範囲を予防できる | ・臭いやアレルギーが気になる方は注意 |
害虫駆除業者が行う予防・駆除法は主に「ベイト工法」または「バリア工法」の2種類です。
ベイト工法は、駆除剤が入ったエサを生息していそうな場所に設置しておく方法。即効性はありませんが、シロアリがエサを持ち帰ることで、巣ごと壊滅させられます。
バリア工法は木材や基礎に薬剤を散布する即効性のある方法。広い範囲に薬剤を散布できますが、臭いやアレルギーが気になる方は注意が必要なので、駆除業者がどんな技術で予防するか公式サイトで確認しましょう。
シロアリ予防の費用の目安
- 1㎡あたり3,000円(1坪あたり9,900円)前後
シロアリ予防の費用の目安を編集部が調査してみたところ、1㎡あたり3,000円(1坪あたり9,900円)前後が多い結果となりました。
20〜30坪の一軒家の場合は、20万円前後を基準に考えるとよいでしょう。
ちなみに、価格表記には「坪」単位と「㎡」単位があるので費用を比較する際は注意してください。
専門業者を選ぶ際のポイント
- 施工後の保証があるか
- 費用の明瞭さ
- 事前に床下や基礎などを調査して見積もりを出しているか
- 口コミを参考にしてみる
シロアリ予防をどの害虫駆除業者に依頼するか迷う場合は、施工にかかる料金設定がはっきりしていることや、作業後に予防効果が出ているかや被害が発生していないかなどのアフターサービスがあるかをポイントに選んでみるのをおすすめします。
口コミが掲載されている場合は参考にしてみるのもよいでしょう。
シロアリ予防はホームセンターでも依頼できる
シロアリの予防や駆除は、ホームセンターでもおこなっていることをご存じでしょうか。
ホームセンターで依頼すると、提携している指定業者がおこなうことが多く、ロアリ予防の専門業者に比べて、料金が割高になる可能性もありますが、費用の明瞭さや保証の充実さなど、安心して任せられるメリットがあります。
シロアリ予防をおこなっている主なホームセンターは、カインズやコメリがあり、お近くに店舗がある場合は利用してみるのもいいでしょう。
▼ シロアリ予防をホームセンターで依頼する場合はこちらの記事も
シロアリ予防は無駄ではない
シロアリ予防には費用がそれなりにかかってしまい、シロアリ予防をする価値があるのかどうか迷いますよね。
シロアリ予防をしないからと言って、絶対にシロアリが発生するとは限らず、シロアリが出ないこともあります。そのため、シロアリ予防は無駄なのでは?と思ってしまいがちです。
しかし、シロアリ予防をしておけば発生を防ぐことができ、もしものときの保険のようなものになるため、シロアリ予防をしておくこと自体に意味があると言えます。
シロアリ予防で困ったらシロアリ110番がおすすめ
シロアリ予防したいという人は、「シロアリ110番」の利用がおすすめです。
1,320円(税込)/㎡〜依頼でき、最短即日対応可能。電話・メールでのご相談は24時間365日受付中のため、シロアリにお困りの人はまずは気軽に事前見積もりのご相談をしてみてはいかがでしょうか。
※66㎡以下のご依頼は一律88,000円(税込)となります
※対応エリア・加盟店により記載の価格で対応できない場合があります
シロアリ予防に関するQ&A
Q1. シロアリはどこから侵入する?
A. 地中で繁殖したシロアリが蟻道(ぎどう)をつくり、基礎や給排水管をつたい建物へと侵入してきます。
床下の土中に埋まった古株、木の根など、木材と湿気があるとシロアリは繁殖をするため、木材などを基礎や外壁の近くに放置したままにしないようにしましょう。
Q2. シロアリの予防は自分でできる?
A. 雨漏りの点検や換気、家の周辺に木材を置かないことなど自分でできることもあります。
シロアリが好きな木材や段ボールを放置しないことや、湿度の多い場所を作らないことが自分でできるシロアリ予防のポイントです。また、ホームセンターなどで予防剤を購入し散布することもできますが、徹底的におこなうのは難しいため、専門業者に依頼することがおすすめです。
Q3. 新築、鉄筋コンクリートの家でもシロアリは出る?
A. シロアリが出ることがあります。
羽アリは新築に関係なくベランダなどに飛んできます。そこから繁殖し、家屋に侵入することもあるため、見かけたらすぐに駆除することが大切です。また、コンクリートも穴を開けられるほどの顎をシロアリは持っています。経年劣化によりコンクリートにヒビや隙間などがあると、そこから侵入してくることも考えられます。
Q4. シロアリ予防は、他の害虫にも効果がある?
A. 殺虫成分が他の害虫にも効果を示すことはありますが、間違った使い方は危険を招くため、シロアリ予防には、専用の薬剤を使うようにしましょう。
どの害虫に効果があるか薬剤に記載されているため、必ず確認するようにしましょう。シロアリはゴキブリの仲間とされているため、ゴキブリにも効果を発揮するように思えますが、習性や生態が異なるため、シロアリの予防剤ではゴキブリを完全に駆除することはできません。
シロアリ予防に関する記事はこちら!
※記事内の情報は、LIMIA編集部の調査結果(2023年4月)に基づいたものです。
※画像の一部はイメージです。
※本サイト上で表示されるコンテンツの一部は、アマゾンジャパン合同会社またはその関連会社により提供されたものです。これらのコンテンツは「現状有姿」で提供されており、随時変更または削除される場合があります。
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