A DAY IN THE LIFE 海を臨む家 ーパイプスペースの飾り棚とアーチによるバリアフリー・リノベーションー
パイプスペースを飾り棚として独立させ、室内化し左官の壁で演出したバリアフリーのリノベーション。
==========
■設計主旨 パイプスペースの独立とアーチ天井によるリノベーション
東京湾の絶景の海が見える浦安のマンションの9Fにつくられた
初老のご夫婦の終の棲家としてリノベ-ションされたすまいです。
バリアフリーで車椅子になっても暮らせる大きなトイレ、ベンチ式ユニットバス、仕事もできるパソコンルームと家事室、寝たきりになってもベッドがおける場所・・・というご要望をいただき、設計がスタートしました。
陽が当たらない曲りくねった廊下のある一般的なマンションの間取りを見て行った提案が
パイプスペースを独立させて飾り棚とし、フロアの中央に海が見える通りとそれと直交するキッチンの通りをつくり、すまいに十字の軸線をつくること。
でした。
パソコンと家事室は扉を付けず大きな通り越しに海を見ることができるように。そこは将来寝たきりになっても孤立しないようベッドがおける場所にもなっています。
海を臨む通りの床はトラバーチンの石が敷かれ、間接照明と現代大津磨き壁のアーチが軸線を演出し、リビングはアーチ天井につつまれたやすらぎの空間で、現代大津磨きの赤の丸柱とオレンジのTV収納壁がアクセントになっています。
目の前に広がる海を臨みながらお気に入りの調度品に囲まれ,豊かな時間を過ごせる終のすみかです。
■省エネ効果も期待できる断面計画
アーチの天井は意匠的なアクセントだけでなく、それを介して天井の変化とつながりを生んだことで奥まで空気の流れができ、冷暖房効果の軽減も期待できます。 実際このスペースは冬は床暖だけで過ごすことが出来、設置したエアコンはほとんど使わなかったそうです。
遠野未来建築事務所