格子がポイント 北東角地の和モダンハウス
閑静な住宅地の中にあるI様邸、約40坪の広い敷地に建つ邸宅です。
方位としては、北東角地になり南面の光の取得には工夫が必要な敷地。一種低層住居であり、近隣も建物配置にゆとりがあることから、建物の後ろ側(南西)の向きにバルコニーをとり、そこから斜めに降り注ぐ光をイメージして建物を立体化していきました。
建物配置と形状を検討する時にまず検討したのが、車の駐車場を敷地の長手方向の北面に配置するか? 東面に配置するか? それぞれメリットとデメリットはありましたが、今回は東面に駐車スペースをとることで建物間口をしっかり3.75間確保しつつ、L型の建物にするのではなくシンプルな箱型の建物構造にすることによって、躯体構造コスト削減できる案を採用しました。
大きく建物間口をとれたことにより実現した東面の格子ファサードも、迫力ある外観づくりに一役かっています。
東面の道路も交通量がそこそこあることから、植栽と格子ファサードで目隠ししつつ縁側を介してLDK、吹き抜けへと繋がっていき、構造体ではないやわらかい緩衝帯として「外」と「中」をまじ切っています。
建物内部の空間は平面的には玄関から直線の通りを(1間)玄関・水まわりとし、それ以外の部分(2.75間)をLDK、階段スペースとしています。
ここにも一つポイントがあり、玄関・ホール部分はLDKと上部でつながっており、さらに間接照明をその間仕切り部一列に建物を縦断するように配置することで、照明ON時は全ての上部がつながっているような不思議な空間を演出しています。
吹き抜けの位置は南東の光をスムーズにLDKに届けるための空間にかかる光の橋のイメージです。その中に鉄骨階段が浮かび上がります。
バルコニーにはしっかりと屋根があり、雨や夏の日射はしっかりと防ぎます。
インテリアのテイストは自然にあるもの「木」と「石」をふんだんに使い、柔らかくかつ重厚感のある暖かい雰囲気を作り出しています。LDKのTVボード背面には石を使い同系の色柄でキッチン・カップボードもコーディネイト、天井には木を貼ることで大きな面のつながりをカラーやマテリアルでも強調でき、より空間の伸びやかさをストレートに伝えています。
タイコーアーキテクト