【DIY】をはじめたばかりの貴方へ【これなんのねじ?】

ねじの名前ってどのくらい知ってますか?“なべ小ねじ” とか “皿ビス” とか “タッピングねじトラス” とか、恐らくネジの形状を表しているんだろうけど何が何とどう違うでしょう?
今回はDIY初心者さんや、やってみようかな~という貴方のために “基本的なねじの名前” を覚えるお手伝いをしたいと思います!

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"ねじ" って

ねじ、ビス、タッピング等、呼び方は違うけどだいたい同じモノの様な感じがするのですが何が違うのでしょうか。パクチーとコリアンダーみたいな事なのでしょうか。今回のお話でその辺をざっくり理解して、これからのDIYライフに役立てて頂けたら嬉しいです。DIY玄人の方にはものたらない話かもしれませんが何卒ご容赦下さいませ。

ねじ

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“ねじ” と聞いて何の事か分からないって方はいないと思います。実は“ねじ” って大きい括りでの呼び方なんです。
パトカーとかキッチンカーでいう所のカーです。スパゲッティーとかマカロニはパスタだよ といった所でしょうか。
“ねじ”という括りからはいくつかのカテゴリーに分かれ、それぞれに呼び名があります。上図にマップ的なものを書いてみましたのでご覧下さい。
本当はねじのタイプってもっと沢山あるのですが、いっぺんに挙げてしまうと逆に分かり難くなってしまいます。なので良く使うであろう基本的な種類に限定しました。各カテゴリーについては順を追って説明いきますね。

ちなみにねじという言葉の意味するところは細い円筒状の棒に螺旋状の溝が切られている物の事だそうです。
ところで、今となってはあまり見かけなくなったゼンマイ仕掛けの時計とかで「螺子を巻く」って言ったりしまよね。この場合の螺子は今回のお話のねじとは違い、公共放送局のアニメに出てくるあのサムライの頭に付いているやつの事を指すんですよ。

おねじとめねじ

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“ねじ” には “雄ねじ” と “雌ねじ” があります。ボルトとナットって言った方が聞き覚えがあるかもしれません。外側に溝が切られている方が “雄ねじ” 、内側に切られている方が “雌ねじ” です。雌ねじは大体、雄ねじとセットで使われます。
ただ日常のシーンで “雄” も “雌” も付けずに “ねじ” と呼ぶ時は “雄ねじ” の方の事を言ってる場合が多いんですよ。

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ちなみに、雄ねじに切られたギザギザの部分の事を “ねじ山” といいます。そのねじ山の形に合わせて彫りぬいた穴を “ねじ穴” といいます。雌ねじにあいてる穴もねじ穴です。
この、穴をねじの形に彫りぬく事を “タップ加工” といいます。

大きい雄ねじと小さい雄ねじ

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次に、雄ねじは大きいものと小さいもので呼び方が分かれます。
大きいか小さいかはネジの太さが8㎜より太いか細いかで分けられています。ただ例外も多く存在するので大体8㎜くらいが境目なのかなーとぼんやり認識しておいて下さい。

大きい雄ねじ

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大きい雄ネジは特殊なものでない限り “ボルト” と呼べばOKです。

小さい雄ねじ

小さい雄ねじには用途的に形状の違うものがいくつかあり、その分呼び方もそれぞれあります。これが今回このお話を書かせてもらおうと思ったきっかけです。なのでこの小さい雄ねじの種類を理解すれば、ネジの名前からどのシチュエーションで使うネジなのか等、察しがつく様になります。

小さい雄ねじ(ねじ穴が必要か否か)

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まずはねじ穴が必要か否かで大別されます。呼び方は “小ねじ” と “ビス” です。
ねじ穴を必要とし、そこにはめる為の小さい雄ねじの事を “小ねじ” と呼びます。

一方、ねじ穴が無くっても下穴があいていればグリグリねじこんでいける形状のものがあります。こちらを “ビス” と呼びます。ビスはねじ穴を自分で形成する事が出来るんですよ。
(下穴とはねじの太さよりちょっと細めにあけた穴の事です)

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木ねじとタッピング

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あとさらにビスは “木ねじ” と “タッピング” に分類出来ます。ビスなのでどちらもねじ穴を形成しながらグリグリねじこんでいける点では同じです。形状も良く似ています。
違いは強度の部分が一番大きく、木ねじは読んで字のごとく木部に、タッピングは金属や樹脂等、木部より硬いところに用います。タッピングは焼入れといって金属に熱処理をして硬く強くする加工をしているのに対し、木ねじは焼入れをしていないものが多いです。形状は木ねじの方がねじ山のピッチが若干荒めで先端の尖りが鋭いです。

タッピング

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タッピングの方にはいくつか種類があります。本当はもっと細かく分かれるのですが、今回の主旨にそって最低限のカテゴリ分けにしておきます。
上の図で "A" は一番メジャーな形で木ねじみたいに先が尖っています。尖ってる先っぽはグイっと喰いつきが良く、下穴の中心を決めるガイドにもなります。
"B" は先っぽは尖っていませんがすこしだけ絞られています。ねじ山のピッチがAより細かいです。家電の樹脂成型部分を留めたりするのに良く使われています。
"ドリル" はその言葉通り、先にドリルが付いています。ドリルが付いているので下穴が要りません。下穴をあけながらネジ穴を形成しながらねじ込んでいける!カッコイイやつです。

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以上がねじのカテゴリー毎の呼び方です。冒頭で出てきた“なべ小ねじ” や “皿ビス” や “タッピングねじトラス” もだいたいどの階層の事を言ってるのか解ってきたのではないでしょうか。
でも “なべ” “皿” “トラス” ってなんでしょう?
それはねじの頭の部分の形状をさす呼び方です。頭の部分の呼び方は大きさとかねじ穴の要か不要かにかかわらず同じです。詳しくは次章で見ていきましょう。

ねじ頭

名称

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これまで見てきたのは “ねじ部” についてでした。ややこしかったですが、今から見ていく “頭部” は単純なので安心して下さい。
こちらも全て挙げると多すぎるので、簡単DIYで出てきそうなものだけを抜粋して紹介します。

頭の種類

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こちらが有名どころ6種類です。また順を追って説明してまいります。

六角頭

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締め付ける時に力が伝わりやすい形状です。スパナ等の工具で回します。

なべ頭

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最もメジャーでいろんなところに使われている形です。
同じサイズの皿ねじに比べるとこんもりしている分ドライバーにしっかりかみあうのでその分強く締める事が出来ます。なべ頭という名前は鍋を逆さまにしたみたいな形からきています。

皿頭

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逆円錐台で頭頂部がペッタンコなので、ねじの頭が出っ張って欲しくないシーンなどで活躍します。

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締結する部材には皿グリという、使う皿頭と同じ角度で逆円錐台になった穴が必要です。

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丸皿頭

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窓枠等、締結した面に何を滑らせたいところでは、皿頭を使うとくぼみに引っかかってしまう時があります。そんな時は丸頭を使うと良いです。

トラス頭

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トラス頭は頭部の径が大きく、座面が広いのでその分締め付けた箇所に掛かる負担が少なくて済みます。例えば薄い板状の部材をしっかりと止めたい時等に、なべ頭だと陥没してしまうかも…という時に使うと便利です。

バインド頭

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バインド頭は頭部の径が、なべ頭より大きくトラスより小さいです。トラスではスペース的に多きすぎるけど、頭部の陥没は避けたい…という時に使うと便利です。

まだありますが

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ざっとこの6パターンを理解しておけば汎用的なのでだいたいOKだと思います。他にもいろんな形の頭がありますが、あとはその都度覚えていくって感じで大丈夫です。

その他

以上で見ていただいたとおり、ねじの名前って実はねじ部の働きや頭部の形状、それぞれの呼び名の組み合わせでした。
お洋服やさんで「ストレッチスキニーデニム」って言われても考える事無く凡そが理解出来るのと同じく、「タッピングねじトラス」って言われても、だいたいの形がイメージ出来るようになったのではないでしょうか。

プラスとかマイナスとか

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あとその他に、どの工具で締めるかも名前に付いてくる時があります。
頭の上のくぼんでいる部分、駆動部や工具穴と呼ばれるそうなのですが、ココの形状が名前に添えられている事もあるります。こちらも見てみましょう。

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こちらも有名どころ8種類をピックアップしてみました。ほぼ見た目イコール呼び名になっているのでざっと説明してまいります。
左上から、 "プラス" は先が十字型になったドライバーで、 "マイナス" は先が一文字型のドライバーで回します。ねじの名前には(プラス)とか(+)や(-)といった記号が付属で表示される事が多いです。そのとなりは "プラスマイナス" どちらのドライバーでも回せる形です。さらにそのとなりはドライバーのプラス、マイナス、おまけにスパナでも回せるというなんか嬉しくなりそうな形のものです。
先が四角のドライバーもあって、 "四角穴" はそれを使います。四角もプラスも両方のドライバーが使えるのが、そのとなりの "四角穴十字穴兼用" です。そのまんまの名前ですね。
"六角穴" は六角のドライバーや、六角レンチで回します。
最後の "トルクス" はアメリカ生まれのねじ頭の規格で、専用の六角星形のドライバーで回します。ドライバーとねじのかみ合わせが良く回す時の力の伝道率が良いのが特徴です。バイクや自動車、スマホにも良く使われています。トルクスという名称は登録商標で、一般的には "ヘックスローブ" と呼びます。

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木ねじの全ねじ半ねじ

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あと、ビスとか皿とかの様に品名にうたわれる事はあまり無いのですが、ねじには上図の様に全ねじと半ねじっていうものがあります。
ボルトや小ねじにも全ねじ半ねじはあります。こちらは機械類等に使ったり、普段あまりなじみが無いと思うので今はふれませんが、木ねじではどっちを使うか意味がわかっていないと作業が上手くいかなかったりする時があります。なのでここでちょっとふれておこうと思いす。

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木ねじは当然ですが木材と木材をくっつけるのに使います。

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ところで、ビスってどんどん材料の中に入り込んでいくイメージではないでしょうか。でも反対から見れば、ねじの頭の方向へ引きつけられているとも言えますよね。

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ねじ山は螺旋状になっているので、運動的には材料の組織が各々螺旋階段を登っていってる感じです。最前面がねじ頭につっかえたらもうねじを回せなくなるので、全員止まれという事になります。

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全員止まれになると困る時があります。それは板に板を打ち付けるような場合です。もし打ち付ける板と板の間に隙間があるまま締め付けていき、そのねじが全ねじだったとすると、手前の板が頭につっかえた時点でもうねじが回せなくなります。打ち付けられる方の板もねじが回せなければ動けません。隙間はいつまでたっても埋まりません。

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そこで半ねじを使います。まず手前の板はねじ山がなくなる地点まで来ると推力を失います。穴の中が空回りしている状態です。一方、打ち付けられる方の板は、ねじが効いているのでどんどん進みます。手前の板はねじの頭につっかえて止まるまで、打ち付けられる板に押されます。結果双方の板がぴったりくっつくという仕組みです。

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なので木ねじって小さいものでない限り、だいたい半ねじで売られている事が多いです。じゃあ、ちなみに全ねじはどんな時に使うとよいのでしょうか。よくあるのは、最初に半ねじで板を打ち付けて、補強で全ねじも打っておくっていう時です。何かの拍子でねじ頭が取れてしまった時に、半ねじだけで止められた板は抜けてしまいます。一方、全ねじはねじが効いているので板は固定されたままなんです。

これでほぼほぼいけるはず

さあこれで、大体いけるのではないでしょうか。冒頭で出てきたねじの名前でみていきましょう。

“なべ小ねじ”
小ねじってことは、ねじ穴やナットが要るタイプの小さい雄ねじだな。なべ頭がついてるタイプだな。

“皿ビス”
ねじ穴がなくても大丈夫なねじだな。頭の上がフラットになっているタイプだな。木材以外にも使えるか、皿グリと合うサイズか、もう少し仕様を見てみよう。

“タッピングねじトラス”
ねじ穴が要らない、金属にも使えるタイプだな。トラスって事は頭は大きめだな。このあいだ買った化粧板を止めるのに使おうかな。

てな感じで、どうでしょう、だいたいイメージ出来るようになっていませんか。ねじには他にも沢山種類がありますが、それらは自分の用途毎に都度認識していけばOKだと思います。ホームセンターに行ったりして店員さんに質問するといったシーンでも、例えば
私:「店員さん、このコースレッドってなんですか?」
店員さん:「はい、木ねじですね。ねじ山とねじ山の間隔が粗めで深いんで木材同士の接合力が強いんですよ。」
私:「そうんなんですね、ありがとうございます。」
といった様にスムーズなやりとりも出来るようになるハズです!

このブログを書いたのは

通販チームのweb掲載用グラフィック担当、映画と文鳥とカレーが好きな一児のおとうさん、ライターの “KURO” です。
パソコンが無いと赤子同然!DIYに携わる部署にいながら手先は不器用!それだけに、DIY初心者の方がどんな所でつまづき易いかが良く分かります。
そんな私が日々お送りするこの記事、初心者の方もそうでない方も、是非是非読んでやって下さいませ!

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