親子のお弁当を簡単に作り分けるコツは!?料理のプロに教わる「5色弁当」のススメ

毎朝作るお弁当。子ども用は見た目をできるだけかわいくしてあげたいものです。ただ、親用も一緒に作るとなると、作り分けする手間が加わります。そこでプロの料理研究家に、親子のお弁当を作り分けるときのコツをうかがいました。

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毎日なんとなく入れていたあの一品に実は重要な役割が!

教えてくださるのは、料理研究家の小針衣里加さん。家庭のレシピから大手チェーン飲食店のメニュー開発などまで幅広く携わられている小針さんなので、「親と子どものお弁当を作り分けるときのコツ」というニッチな質問にもきっと答えてくれる、と勝手な期待を込めて尋ねてみました。

料理研究家の小針衣里加さん

まずは、親と子どものお弁当に共通して入れておきたい食材、レシピについて。

「栄養バランスの観点では、『たんぱく質が豊富な卵料理』はぜひ入れてほしいです。卵は、ビタミンCと食物繊維以外のほぼ全栄養素が含まれている、栄養価にすぐれた食材です」(小針さん)

卵料理は毎日入れますが、“なにかと便利” という観点で入れているだけで、家族の健康を支える栄養のほとんどすべてを含んでいることまで、きちんと考えていませんでした。

お弁当の彩りは、3色から5色の時代へ!?

お弁当によく入れる卵料理と言えば、玉子焼きは外せません。

「玉子焼きを作るときは、冷蔵庫に残っている野菜(パセリ、にんじん、大葉、トマト、ピーマン、パプリカなど)を刻み、卵に一緒に加えて焼けばさらに栄養価もアップし、彩りもよく、野菜の食感も楽しめます」(小針さん)

トマトも!? 卵とトマトを一緒に炒める料理は多々あるのに、玉子焼きに入れるという概念、恥ずかしながら私にはなかったです。さっそくやってみようと思います。

「また、ほうれん草やにんじん、かぼちゃなどの色が濃い緑黄色野菜は、茹でるよりも油やバターと一緒に加熱する調理の方が、よりビタミンAを吸収しやすくなると言われています。栄養の吸収面から考えると、油を使わない『ほうれん草のおひたし』よりも油を使った『ほうれん草のバター炒め』の方がおすすめです」(小針さん)

トマトの玉子焼きとほうれん草のバター炒めがあれば、これだけでお弁当に「赤・黄・緑」のマスト3色がそろって便利!

と思ったら、小針さんいわく、「赤・黄・緑」だけでなく、「黒・茶」を足した5色の食材を使うことで、彩りはもちろん栄養バランスもよりよくなり、「食べたい」という視覚からのアプローチで食欲増進にもつながるそう。これは海苔とお肉で対応できそうです。

お弁当の微妙な隙間はこうやって埋め尽くす!

栄養といろどりについて分かったところで、もうひとつ聞いておきたいことが。子ども用にかわいくお弁当を詰めると、微妙な隙間ができてしまいます。また、子どものお弁当の残りを親の弁当に詰めるときも、具材が足りなくて隙間ができることがあります。

お弁当の隙間を埋める方法も、教えていただきました。

●お弁当の隙間を埋めるためにおすすめの食材
・茹でたブロッコリー
・パセリ
・ミニトマト
・うずらの卵
・プロセスチーズ
・ソーセージ
・高野豆腐
・旬の果物 など

上記の食材は、わざわざ用意するというより余ったものを、という感覚で良さそう。ハムやベーコンで巻いたり、ちくわに詰めたりすれば、豪華に見えるメリットも生まれます。

小針さんの学生時代は、お母さまが作ったお弁当の片隅に、羊羹や白玉餅、野菜の蒸しケーキなどの「一口デザート」がよく入っていて、小針さんは、食後のデザートとしてとても楽しみだったそう。後からお母様に確認したところ、隙間を埋めるために試行錯誤した結果、デザートを一口だけ入れるようにしたとのこと。

確かに、お菓子やデザートは隙間を埋めるためにも、食べる人を楽しませるためにも便利な一品ですね。積極的に入れてみようかな。

イチゴやトマトのヘタがお弁当の傷みを加速させる

最後に小針さんから、食品が傷みやすくなるこれからの季節へ向けてのメッセージが。

「ミニトマトやイチゴなどに付いている『緑色のヘタ』は、入っているとおかずが傷みやすくなります。食中毒を防ぐためにも、ヘタは取り除きましょう。ほかに食中毒対策として、①酢や梅干など防腐効果のあるおかずや食材を入れる ②加工食品や練り製品は一度さっと湯通しなどして加熱をする ③おにぎりを握る際も素手ではなく、ラップを使って握る、などに気を配るといいですよ」

これでずいぶんと、親子のお弁当を作り分ける作業ストレスが減りそうです。

●取材協力:小針衣里加
株式会社ベジフルファイン 代表取締役/日本フードバランス協会 代表/バランス料理研究家/食の資格「フードバランスアドバイザー」講座講師。『無理せずやせ体質を手に入れるプロテイン+αダイエット』(スターティアラボ株式会社 ごきげんビジネス出版 著者:小針衣里加)2018年4月27日に電子書籍発売。

●ライター 力武亜矢

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