減築で住み継ぐためのリノベーション
歴史ある風合いがある街並みの鹿児島市名山町。
その場所で親が商店を営みつつ、ご家族が住まわれていた店舗併用住宅。
ご両親も亡くなり、商店を辞めた今もおひとりで住まわれていた。
鉄骨造3階建てであったが、1階と2階は周囲のビルに囲まれ真っ暗。
主に明るい3階を居住スペースとしつつ、狭く急な階段を昇り降りされていた。
とても居住性が良いとはいえない環境で、相談を受けた。
建て替えの営業を受けており、本当に建て替えるしかないのかという相談である。
私も大好きな名山町で新築という選択肢は出来るだけ避けたいと感じていたので
何とか、リノベーションで解決できないかを模索してみた。
思い出の詰まったこの場所とこの建築を住み継いでいくために。
3方がビルに囲まれ、唯一北面道路側が空いているという大変厳しい敷地環境。
また、調べると実は元々2階建ての建物であり、3階部分を増築していることが判明した。
新耐震基準前の建築であり、構造的にも不安定な状況をまず改善しなければならない。
そこで、3階部分を解体して減築することにより、構造耐力を向上させるとともに、
3階部分のペントハウスから階段を光庭として太陽を暗い1、2階に届けるプランを考えた。
1階の店舗部分は駐車場へと変え、奥に玄関、水廻り、ゲストルームを配置。
2階部分をメインの居住空間として、暮らしやすく広々とした明るい空間へ変貌させた。
北側に大きな開口部を設けることで、光と風を感じつつ、町とつながる。
また、耐震補強と断熱補強により、安全で快適な住宅を実現している。
名山町のこの住まいに住み続けるとはどういうことかを考え設計した住宅である。
プラスディー設計室 川畠 康文