畳のカビ・ダニ対策を万全にする方法!手入れ・掃除・メンテナンスの仕方

日本の伝統的な床材である、イグサで作られた畳は、メリットも多いですが、カビやダニが発生しやすいという欠点で悩んでいる方も少なくないでしょう。しかし発生・繁殖する理由を知り、きちんと掃除や手入れを行うことで、カビやダニを防ぎ、快適な和室空間を保つことができます。カビ・ダニが畳に発生する原因や予防の仕方から、万一発生した場合の対策、そして畳を長持ちさせるためのメンテナンス方法や費用まで、まとめてご紹介します!

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畳のメリット・デメリットとは

畳は一般的に、イグサなどで作られた「畳表」を、芯となる「畳床」に縫い付けて作られており、また畳の側面は「畳縁」で補強されています。

日本では昔から、高温多湿な気候に向く代表的な床材として親しまれており、最近では琉球畳やカラー畳などデザイン性のある物も増えています。

畳には、そのクッション性や質感のおかげで、裸足で歩いてもカーペットなどに比べて格段に感触が良いという魅力があります。

また「畳表」の主な素材であるイグサには、ホルムアルデヒドなどの有害物質を吸着する空気清浄効果があります。
さらに自然素材の畳には、湿気が多い日には空気中の水分を吸収し、乾燥している時には水分を放出するという、調湿の役割を果たしてくれます。

その反面、イグサはデリケートで磨耗しやすく、湿気を大量に吸った畳の中では、カビやダニが発生しやすくなるというデメリットがあるのも事実です。

カビやダニの発生を防ぎ、畳を気持ち良く維持するためにも、日々のお手入れや掃除をきちんと行っていきましょう。

以下からは、カビやダニが畳に発生してしまう理由と、予防・退治の仕方について詳しく解説していきます。

畳にカビやダニが発生する原因

カビやダニが特に気になる時期は、6~9月です。
その原因は、以下のような環境条件において、カビ・ダニが繁殖しやすくなるためです。

ダニの種類によっては、カビをエサとするタイプもいます。
以上のことから、カビやエサの栄養源となってしまうゴミを毎日掃除し、室内の湿度が高くならないように管理することで、畳を衛生的に保てるということがわかります。

カビ・ダニ防止対策になる畳の掃除・お手入れ方法

カビやダニを発生・繁殖させないためには、毎日換気と掃除を怠らないことが一番です。

室内の風通しを良くし、除湿対策をしましょう。
雨天ではない日は窓や戸を開け、エアコンがある場合は除湿(ドライ)機能を活用します。
エアコンがなければ、除湿器を置くだけでも違います。

観葉植物など水分を含む物は、なるべく置かないようにしましょう。
カーペットや絨毯(じゅうたん)を敷いたり、和室で室内干しをしたりするのもNGです。

畳の掃除の基本は、履く/拭く、いずれの場合も畳の目に沿うことです。

最も畳を傷めずに済む方法は、ほうきでゴミを掃き取り、乾拭き、もしくは固く絞った雑巾で水拭きをすることです。
掃除機を使いたい場合は、やはり畳の目に沿って、ゆっくりと丁寧に行います。
「畳モード」が搭載されていれば、ぜひ活用しましょう。 なお、畳の縁の部分は擦り切れやすいので注意してくださいね。

水拭きしたい時には、必ず水が垂れないように雑巾を固く絞ってください。
水気が多いと、畳の表面が劣化しやすくなる上に、カビやダニを誘発してしまいます。

水拭きをした後は、なるべく乾拭きで仕上げると安心です。
そして最後に、風を当てて確実に乾燥させることも忘れずに。

また春~秋、半年~1年に一度を目安に、天日干し(畳干し)を行いましょう。
気温が高い晴れた日に、中央に敷かれた畳から順番に、マイナスドライバーなど先端の尖った物を差し込んで畳を持ち上げ、5時間以上は風を通します。

一戸建ててあれば、アスファルトやコンクリートの上に畳を置くのが理想的です。
コンクリートブロックを庭に並べても良いでしょう。

狭小地にある建物やマンションの場合は、ベランダやバルコニーに畳を立て掛けます。
「ベランダやバルコニーがない」という場合には、和室の床で畳を浮かせた状態で、ペットボトルや空き缶を挟んで固定し、風を通してあげるだけでもOKです。

畳を干す際には、直接表面に日が当たりすぎると、色あせ・変色してしまうため、裏面を太陽に向けることがポイントです。
もしくは黒い布で畳を覆っておくと、日焼けを防ぎつつも、熱をより吸収するので、ダニが潜んでいた場合に死滅させやすくなります。

せっかくの機会なので、畳を上げた際には、床に防虫シートや備長炭シート、乾燥シート(防湿シート)などを敷くと良いでしょう。
防虫シートを敷いた後には、ダニが畳の表面へのぼってくるので、毎日きちんと掃除をしましょう。

干した畳を取り込んだら、床へ敷き直す前にふとん叩きなどではたき、最後に掃除機をかけると、より効果が上がります。

なお、畳を外へ運んで干す場合には、敷き方を忘れないよう、あらかじめ写真を撮っておく/わかりやすい印をつけておく、といった方法で対応することをおすすめします。

畳にダニ・カビが発生した場合の対策と注意点

ダニを駆除・除去するには?

ダニが発生してしまった際は、基本的に上述した掃除の仕方である程度はOKです。
安全な方法は、掃除機がけと、天日干しでしょう。
(※ただし、カビも発生している場合には、掃除機と水拭きは向かないのでご注意を。)

ダニは夜行性のため、掃除機をかける1~2時間ほど前に、電気を消してカーテンを閉め、部屋を暗くしておくと、おびき寄せやすいですよ。
ただし、一時的なダニの除去には向いている方法ですが、畳の中や下に潜んでいるダニを完全に駆除することはできません。

ダニを死滅させるためには、畳に黒い布をかけた状態で天日干しをする方法が、効果が高いとされています。
労力は必要ですが、「赤ちゃんがいるから、できれば殺虫剤(ダニ駆除剤)は使いたくない」という方にも最適です。

カビがある箇所の掃除の仕方は?

先述した通り、すでにカビが発生している場合については、掃除機と水拭きはNGです。
掃除機でカビを吸い取ってしまうと、掃除機の排気口からカビの胞子を含んだ空気が排出されてしまう危険性があります。
また水拭きをすると、畳に水分を与え、カビの原因である高湿の状態を作り出してしまいます。

なお、住宅内の掃除で万能なアイテムである「漂白剤」や「重曹」も、イグサの畳を退色あるいは変色させてしまう恐れがあるので使用しないほうが無難です。
黒カビが生えてしまっている箇所については、重曹をかけるのも有効ですが、カビがない箇所にまで付着しないよう注意しましょう。

畳のカビを取り除くためには、アルコール(エタノール)で消毒した後、換気する方法がおすすめです。
アルコールはすぐに蒸発するため、跡が残りにくく、畳を傷めずに対処できます。

作業時には、マスクや手袋を装着し、窓や戸を開けて風がよく通るようにします。
掃除に必要な道具は、アルコール除菌スプレー・雑巾・歯ブラシです。

まず雑巾に、たっぷりとアルコール除菌スプレーを含ませ、カビを吸着させるイメージで畳に押し当てます。 拭き取ったカビを広げてしまわないよう、雑巾の面はなるべく変え、アルコール液も新しく付け直すことが大切です。
雑巾で取り切れない細かい箇所は、歯ブラシを使ってかき出すと良いでしょう。

作業後は、空気中に残っているカビやアルコールをしっかり飛ばすために、充分に換気してくださいね。

和紙畳・健康畳・防カビ仕様の畳への交換も検討を

なお「畳の裏側までカビが回っている」「掃除をしても解決できない」「忙しくて毎日の手入れが大変」という場合には、新品の畳に交換することも検討してみましょう。

イグサを使った畳表にはダニ・カビが増殖しやすいため、「健康畳(和紙畳や化学畳)」や「防カビ仕様の畳」に変更するのもおすすめです。
和紙畳のほとんどは、大手建材メーカーであるダイケン社が製造しているため安心感があり、床暖房とも相性が良い傾向があります。

縁がない琉球畳タイプの製品もあるので、和モダン風のデザインにしたい方にも適しているでしょう。

ちなみに畳のリフォームでは、畳床(畳の芯の部分)を残して表面の畳表のみを新しくする「表替え」という工法もありますが、カビやダニは畳表だけではなく、ワラを使った畳床などで繁殖することもあります。
最近の製品は、カビ・ダニに強いポリスチレンフォームなどを畳床に使用している物が多いため、張替えではなく、畳全体を新調してしまうほうが確実です。

湿気やカビの原因は、畳だけとは限らない?

ところで、畳がある部屋に「そもそも窓がない」「窓や戸の位置が悪く、風通しが良くない」「湿気がこもりやすい」という場合には、家の構造や間取りが原因で、カビやダニが発生している可能性もあります。

「カビの発生の仕方が異常」「室内がいつもジメジメしている」と感じているようでしたら、畳のリフォームだけではなく、窓の増設工事や湿気対策・カビ対策のリフォームにも対応できる業者に現地調査をしてもらうと、より的確な解決法を提案してくれるでしょう。


畳を長持ちさせるためのメンテナンス方法と費用

お手入れや畳の交換などを行い、無事にカビやダニの対策ができたら、より畳を長持ちさせるための張替えのタイミングや料金の目安についても確認しておきましょう。

畳の表面が擦り切れてきた/色ムラが出てきた/凹凸ができてクッション性が落ちてきた、などの症状が現れたら、畳の張替えが必要です。

畳の張替え方法には、以下の3種類があります。

既存の「畳表」を裏返して再利用し、「畳縁」を新しくする【裏返し】
「畳表」と「畳縁」を新しくする【表替え】
「畳表」「畳縁」および中心部の「畳床」もすべて一新する【新調(交換)】
各張替えを行う時期や、1畳あたりにかかる費用の目安は、以下の表を参考にしてください。

丁寧に掃除・メンテナンスを繰り返すことで、畳は長く快適に維持し続けることができます。
素材や季節・天候なども考慮しながら、大切に使い続けたいですね。

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