あざやかなコバルトブルーが美しい生活雑器「印判」のススメ

骨董店を覗くと、無造作に積まれた器のなかに青と白の絵皿をみつけることができます。1枚300~500円程度と安価で購入できるこの絵皿、明治から昭和にかけて大量生産された「印判」と呼ばれる器です。日々の食卓で使われ、型紙を使って絵付けされたために、大量生産されました。描かれるモチーフは草花や動物、風景などバラエティに富み、なかには時代背景を思い浮かべさせられるものもあります。そんなアンティークのなかでも手に入りやすい「印判」の魅力をご紹介しましょう。

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江戸時代に始まった印判の歴史

明治時代に普及した印判ですが、遡ると江戸時代の元禄年間に始まったと考えられています。当時はハンコを押印する要領で絵付けされたといわれ、現在残るものの多くが、1枚数万円、5枚セットであれば数十万円するほど高値で取引されています。明治時代に入ると海外の技術が伝わり、印判は銅板転写で絵付けが始まりました。そば猪口や酒器、茶碗など生活で使われる陶器類が、その技術で造られるようになったのです。

コレクターも多い、文化・生活・世相がわかる「図変わり印判」

左の印判は東都(現在の東京)の品川、隅田川、八幡山と当時の名所が描かれています。右は石灯籠と鹿が描かれていることから、奈良の春日大社か広島の宮島でしょうか。こうした風景画の印判は種類も豊富で、当時は観光案内のような側面もあったのかもしれません。

動物の図柄は印判のなかでもコレクターが多く、この昼寝をする猫の皿は数千円~数万円で取引されるアイテムです。龍や鯉などといった、陶器の図柄としては定番の動物も描かれますが、生活雑器らしく金魚やねずみ、蝶、雀といった身近な動物の図柄も多くあります。

今はもう姿を消してしまったタバコの図柄(左)など、印判は、当時の生活を偲ばせるアイテムでもあります。また、右の絵皿は戦時中に作られた富国強兵の世相を表す絵皿で、世相を色濃く反映しています。

安価なアンティークだからこそ、普段づかいに活躍

数万円から数十万円するようなアンティークは、なかなか手が出ない貴重なもの。買っても部屋の飾りとして置いたり、大事にしまってしまいがちです。でも印判は比較的安価で手に入るため、普段づかいしやすい器だといえます。食洗機に入れて洗っても大丈夫なので、日々の食卓でも活躍してくれます。

たとえばおもてなしに、かんたんなぬか漬けや、かぶら寿しといったお酒の肴をのせて出すだけでも、不思議とサマになるのも魅力。夏場はコバルトブルーが目にも涼しげです。

印判に合うのは和の食べ物だけではありません。ケーキやゼリー、アイスクリームなどの洋菓子をのせるのもおすすめです。

印判は食器としてだけでなく、小物入れや観葉植物の受け皿など、アイデア次第で活用できてインテリアの彩りにもぴったりです。印判は骨董店で手に入るほか、神社の境内や公園などで開かれる骨董市などでも豊富に並びます。気に入った図柄があれば、ぜひ手にとってみてください。

●ライター 大浦春堂
社寺ライター、編集者。日本の伝統工芸品や骨董品、和雑貨が好き。日本国内やアジアを旅しながら雑誌やWEBマガジンへ社寺参りに関する記事の寄稿を行う。著書に『御朱印と御朱印帳で旅する全国の神社とお寺』(マイナビ出版)のほか、『神様と暮らすお作法(協力:三峯神社)』(彩図社)、『神様が宿るお神酒』(神宮館)など。


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