自家製マヨネーズのレシピ!安全に作るためのpHコントロールや乳化のお話もご紹介。
自家製マヨネーズは簡単に作れて自分好みの味付けをしたり、酸味や油の種類を変えたりできて、市販のマヨネーズとは違った楽しみ方ができます。でも一番気を付けないといけないのが食中毒リスクです。今回は自家製マヨネーズの作り方と、自家製マヨネーズの食中毒リスクと回避の方法をご紹介します。ご家庭で手作りマヨネーズを作る時の参考にしてみてくださいね。
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自家製マヨネーズは、原則としてその日のうちに!
マヨネーズはpHが低く(酸度が高く)、卵による食中毒の主な原因となるサルモネラ菌やその他の食中毒菌が失活してしまうため、常温・長期保存が効く食材です。市販のマヨネーズも常温で販売されていますね。
自家製マヨネーズでも、きちんとしたpHコントロールと殺菌により安全なマヨネーズを作ることは可能ですが、やはり生卵を使ったものとなりますので食中毒リスクがないわけではありません。
自家製マヨネーズはその日に食べる分だけを作り、その日のうちに食べてしまうことを原則としましょう。
ハンドブレンダーがあれば少量でもとっても簡単に手早く作ることができますので、安全で美味しい自家製マヨネーズライフをお楽しみください。
マヨネーズに含まれる酢の分量はどのくらい必要?
サルモネラ菌による食中毒を防ぐためには、酢によってpH値を下げることが重要です。ですが、自家製マヨネーズのレシピを見ると酢の分量が十分でなく、サルモネラ菌を死活させられるだけの酸度に達していないことがあります。
一般的に市販されているマヨネーズの酢の割合は、マヨネーズの分量に対して8.7%~10.5%程度です。
今回ご紹介するレシピは、全卵(70g)、油(160g)、塩(5g)、酢(30g)であり、全重量は276g。そのうち酢の分量は30gですので30÷265=11.3%で市販のマヨネーズより高い酢の配合割合となります。
東京都福祉保健局のHPによると、食中毒を起こした飲食店で使用されていた自家製マヨネーズの酢の配合割合は、3.7%とかなり低い値であったという事例があります。
きちんとした分量で作られたマヨネーズは、酢の殺菌能力によってサルモネラ菌を死活させることができますが、酸度が低い場合は十分に死活することができません。
自家製マヨネーズを作る時には、全重量に対する酢の配合割合をチェックして、10%程度になるように調整して作るよう心がけてください。
自家製マヨネーズの材料
材料
生卵 … 1個(L玉)
塩 … 5g
米酢 … 30g
サラダ油 … 160g
粒マスタード … 小さじ1(お好みで)
自家製マヨネーズはおしゃれな瓶に保存しよう。
自家製マヨネーズは密閉できる瓶に保存しましょう♪
中身が見える透明なものがおすすめです。
食中毒を防ぐ!まずは瓶の熱湯消毒から!
瓶は水を入れたお鍋に保存容器を入れ、沸騰させて熱湯消毒をしましょう。
卵を湯煎します。
食品安全委員会の調査では、サルモネラ菌に汚染されている卵は、10万個のうち3個というデータがあり、パーセンテージに直すと0.003%となります。非常に低い確率ではありますが、0ではないということで念には念を入れて、60度のお湯で5分間卵を湯煎します。
サラダ油以外の材料をハンドミキサーで撹拌します。
ここではまだサラダ油は入れません。
まずは油以外の水分を混ぜ合わせてそこに油を入れていくことで、市販のマヨネーズのようなプリンとした?食感のマヨネーズになります。
なぜ油を後から入れるのか?
卵黄のような乳化剤となるものを用いて、水と油を撹拌して混ぜ合わせることを乳化と言います。
乳化にはW/O型の乳化とO/W型の乳化の二種類があり、水の中に油が混じる乳化をW/O乳化、油の中に水が混ざる乳化をO/W乳化と言います。
マヨネーズを作る際、油を入れるタイミングが先であれ後であれ、材料は同じですので乳化することはしますが、O/W乳化では油っぽくべたべたした食感になってしまい一般的なマヨネーズとは程遠いものができてしまいます。
マヨネーズを作る時は水(Water)が先で油(Oil)を後から入れるW/O乳化にすることが重要ですので順番を間違えないようにしましょう。
油を少しずつ入れながら撹拌します。
いっきに油を入れると綺麗に乳化しませんので、少し入れてはハンドブレンダーで撹拌して…を繰り返していきましょう。
このように角が立ってプルンとした感じになったら乳化成功です。
保存容器に入れ替えて出来上がり!
フレッシュな自家製マヨネーズの出来上がりです。
そのまま野菜に付けて食べても良いですし、ポテトサラダにしても良いですね。
ディルなどのハーブと混ぜてディルマヨネーズにしても良いですし、基本的なマヨネーズが上手に作れるようになったらアレンジ自家製マヨネーズもぜひお試しください。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
自家製マヨネーズを美味しく作るためには乳化がポイントです。材料を混ぜる順番だけで乳化の種類が変わり、食感や味も変わるなんて驚きですね。自家製マヨネーズ作りで失敗する一番多いのがこの乳化にあるようです。また、食材の温度が低いと乳化が上手にできないということもありますので、卵は冷蔵庫から取り出したばかりのものは使わないようにしましょう。
マヨネーズは殺菌力の高い食品で、仮にサルモネラ菌がマヨネーズ内に存在していたとしても死活化させるほどの殺菌力を持っています。自家製マヨネーズによる食中毒の多くは、酸度が十分でない、分離してしまって酢の殺菌効果が十分に発揮されていないなどが考えられます。
きちんとした分量と作り方をすればほぼ安全な食品ではありますが、原則として作ったその日のうちに食べきるようにしましょう。
制作協力:オムライス&ダイニングバーkurumari
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