TVボード開発ストーリー:シンメトリーデザインにできない家
家を新築したお客様は
映画も好きで、音楽も好き、
そしてインテリアも好きという御夫婦で、
インテリアショップなどを探し回っていましたが、
家が完成する直前まで決めることができずにいて、
ついに既製品がダメなら作ってもらうしかないという結論に達したのが
私にご依頼が来ることになったきっかけでした。
それで
ハウスメーカーからの紹介という形で
御夫婦のお話を聞きに伺いました。
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複雑なご要望に戸惑う
オーダー家具に簡単なご依頼というものはありませんが、
その中でも特に、
周りとの調和を考え、さらに収納したい機器類を納めつつ、
シンプルで斬新なデザインとしなくてはいけないというご要望には
さすがに戸惑いを覚えたものです。
シンメトリーではいけない理由
TVボードはモニターが中心で
キャビネットはシンメトリーとなるのが最も多いわけですが、
このお宅ではそのシンメトリーデザインができない、
ふさわしくないという理由がはっきりとしていました。
それは
リビングとダイニングのほぼ中心に階段があり、
階段を通り抜けるための動線を塞がないという制約もあったからです。
リビングダイニング全体のイメージを考える
このTVボードの設計にあたり、
リビングからダイニングまでが見渡せ、
つまりキッチンまで見えることになりますので
テーブルやイスのデザインも考慮しなくてはなりませんでした。
ですが、
テーブルとイスは後で購入するということでしたので
先ずはTVボードのデザインに集中することができました。
床を広く見せる形にする
私の家具設計のコンセプトはシンプルモダンです。
そしてそれを実現するために開発したものがフロートスタイル(浮かせるスタイル)
です。
ですから
この収納するものが決まっているTVボードであっても、
極力無駄を省き、さらに少しでもリビングを広く見せるために床から一部浮かせようと設計しました。
TVボードの前に置くセンターテーブルも同時に依頼されました
TVボードのプランが出来上がり
仕上げ材料の選択に入った時に、
選んだ建材がとても個性的であったため、
「これに合うテーブルは探しても見つからないと思うので作ってもらえますか」
と新たにテーブルのご依頼もいただきました。
TVボードの取り付けの模様
では、
さっそくTVボードの取り付け模様を紹介します。
すでに完成した家での施工は難しいものでした。
搬入時の様子です。
すでに壁に付けられているTVを一度外して、
下に来るTVボードへの配線の準備を済ませます。
キャビネットの取り付け開始。
取り付け完了
TVボードに合わせたセンターテーブル
最後には8人がけのダイングテーブルのご依頼も受けました
TVボードとセンターテーブルが出来上がると、
もうひとつのご依頼がありました。
それは
家族だけではなく
来客があった時に使えるダイニングテーブルが欲しいというものでした。
インテリアショップにあるテーブルは最大でも2mくらいまでで、
6人がけが多かったためです。
ビックテーブルは強度が要
テーブルはただ大きな材料を使えば良いというものではありません。
ですから特殊な補強を施す必要があります。
ここでは
具体的には表しませんが、
やはり金物をテーブル内部に忍ばせることで強度を保ちました。
薄く見せることにこだわりました。
トータルデザイン
今回のように
TVボードだけではなく、テーブルまで作らせていただいたことで、
見渡せる空間につながり感が生まれました。
リビング側からの写真と
ダイニング側からの写真をあらためましてごらん下さい。
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