360度の大パノラマ!眺望を心ゆくまで楽しめる鎌倉の高台に建つ家
鎌倉の高台にある敷地に住まいを構えるD邸。自然に囲まれたエリアに調和しつつも、斜めに傾斜した1枚屋根の外観が特徴的だ。自然とともに生きるライフスタイルが信条だという、Dさんご夫妻の住まいを手掛けたのは、横山浩介建築設計事務所代表の横山浩介さん。施主であるDさんご夫妻の想いと、立地を活かした横山さんならではのプランニングが見事に結実した住まいをご紹介します。
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施主が潜在的に求めていた住まいは、古民家風ではなくシンプルモダンだった
ご主人であるDさんのご実家はオーストラリアにあるという。奥様とは、現地のワーキングホリデーを通じて知り合ったそうだ。自然とともに生きるというライフスタイルを模索しているときに、現在の住まいとなる鎌倉にある高台の土地、そして建築家である横山さんとの出会ったのだ。
Dさんご夫妻は、古民家風な住宅が自分たちの求める理想の住まいだと思っていたようだ。「私も、当初はDさんご夫妻のご要望にお応えする形で古民家風のプランをご提案していました。しかし、打ち合わせを重ねても、本当にそうなのか?と思う場面が何度かありました。そこで、Dさんご夫妻にとって本当に古民家風の住まいが理想的なのか?一度立ち止まって、改めて考えていただくことにしたのです」と横山さん。
いったん、すべてをリセットしたうえで、Dさんご夫妻にとってベストなプランを熟考した横山さん。まずは、これまでの打ち合わせで横山さん自身が感じていたことを振り返ってみることにした。その結果、導き出されたキーワードは、「古民家風の住まい」ではなく「シンプルモダンな住まい」ではないかという結論にたどりついた。そんな横山さんが新たにつくりあげたプランは、まさにDさんご夫妻が求めていた理想的な住まいだったようだ。「シンプルモダンをキーワードにしたプランをお見せしたところ、Dさんには"GREAT"そして"SEXY!"と喜んでいただきました。古民家風のプランに固執せず、施主であるDさんご夫妻が潜在的に求めていた理想の住まいを形にすることができて良かったです」と横山さんは語る。
現在の住まいである高台の土地との出会いがなければ、Dさんはご実家があるオーストラリアに移住することも考えていたようだ。さらに、横山さんが手間を惜しまずに、Dさんご夫妻が本来つくりあげたかった住まいのニーズを見事に引き出し、具現化できたからこそD邸が完成したといえるのだ。
高台という立地を最大限に活かした、360度の大パノラマを実現
鎌倉の高台にあるD邸は、東西の眺望が良く、南北は隣家に接しているという立地。普通の住宅は南側を庭に、北側に家屋を配置するのがセオリーだ。しかしD邸は、敢えて南北に長く建物を配置している。こうすることで、東西の景色を楽しめるだけでなく、明るく開放的な住まいを実現できるのだ。もちろん、隣家に配慮した設計であることはいうまでもない。
D邸の外観で特長として挙げるとしたら、何といっても2階部分のテラスだろう。このテラスを、眺望が良い東西だけでなく、南北にも設けた。その結果、360度という、あらゆる角度から景色を楽しむテラスが実現したのだ。また、テラスを回遊できることで、2人のお子さんにとっても楽しい空間になったようだ。
また、緩やかな傾斜がつけられた1枚屋根と玄関前にあるいちょうの木もD邸の特長のひとつといえるだろう。「D邸の周辺は8メートルの高さ制限があるんです。この条件をクリアしつつ、周囲の景観に馴染む外観をイメージしたとき、思いついたのがこのアイデアでした。」と横山さん。
D邸の室内の木材は色味が均一であり、仕上がりも落ち着いた雰囲気になるということで唐松に、壁は漆喰をチョイスしている。アイランドキッチンからは2階の室内と南方の海、東西の景色を見渡せる。浴室は、窓を開け放つことで昼間は山並みと青空が、夜は星空が広がる。まさに露天風呂の感覚だ。
自然とともに生きるライフスタイルが信条だというDさんご夫妻にとって、あらゆる家電やハイテクな装備が満載の住まいは望まない。むしろ、日当たりと風通しの良い住まいを重視したいという思いが強かった。そこで、冷暖房に頼らず、自然光や風を積極的に室内に取り入れる生活を実践することにしたのだ。
「D邸が完成するまで、何度も現場に足を運びました。建築家という視点だけでなく、現場監督の経験を活かした施工管理ができる点は私の強みかもしれません。それぞれの視点でチェックすることができますし、施主様にとっても安心感につながるはずです。じっくり、時間を掛けてD邸をつくりあげたことで、お引き渡しの際に涙を流していた奥様を見ていて、私も思わずもらい泣きしてしまいました。頑張った甲斐がありましたね」と横山さん。
予算ありきでプランを煮詰めていくのは、注文住宅であっても例外ではない。限られた予算、立地など、あらゆる条件の中で、施主が求めるベストなプランを導き出すのが、横山さんをはじめとする建築家の役割である。自分たちの住まいをつくる機会は、生涯においてそう何度もあるものではない。途中で諦めたり、妥協するのはたやすいことだが、オーダーメイドの住まいがつくれる喜びは何物にも代えがたい。
そして、施主と建築家が二人三脚にならなければ理想の住まいは実現できないことは確かだ。Dさんご夫妻と横山さんの間に揺るぎない信頼関係が構築できたからこそ、D邸という素晴らしい住まいが完成したことは間違いだろう。
横山 浩介
株式会社横山浩介建築設計事務所
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