
野菜をもっと好きになってQOLアップ!《キユーピー マヨテラス》でマヨネーズの秘密を探る
タルタルソースやオーロラソース、ポテトサラダにお好み焼き。マヨネーズはわたしたちの食卓に欠かせない調味料となっています。それもそのはず、国内にマヨネーズが登場してから90年以上が経過しているんです。マヨネーズの歴史、製造過程の工夫やおいしさの秘密、驚くような活用方法について、東京 調布市にある〔キユーピー〕の《マヨテラス》で聞いてきました。
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マヨテラスってどんな場所?
《キユーピー マヨテラス》があるのは、東京調布市にある京王線仙川駅のすぐ近く。甲州街道(国道20号)沿いの正門から駐車場に入れるので、車でのアクセスも容易です。
以前は〔キユーピー〕の工場があったそうですが、閉鎖して、その跡地がキユーピーグループオフィス兼研究所に。工場見学でも親しまれてきたというだけあって「寂しい」「見学できる施設があればいいのに」という地元の人たちの声も高く、「研究所もあることだから、〔キユーピー〕をもっと知ってもらえれば」と、《マヨテラス》をオープンしたそうです。
ちなみに、このネーミング、「マヨネーズで、みんなの食卓をテラスお手伝いをしたい」「お客様の笑顔が集まるテラスでありたい」との願いが込められているんだとか。
まずは、マヨネーズがどのように日本人の食卓を照らしてきたか、《キユーピー ギャラリー》でコミュニケーター(マヨテラスの案内係)から教えてもらいましょう。
マヨネーズの歴史なら《キユーピー ギャラリー》でまるわかり
入ってすぐ、左側に巨大なマヨネーズボトル、右にはギャラリー、正面には野菜を模した椅子が並んでいます。
このギャラリー、正式には《キユーピー ギャラリー》という名前がついており、マヨネーズの歴史やマヨネーズを使ったメニュー例、〔キユーピー〕が取り扱っているアイテムなどについて写真などの展示物を使って学べる場所となっています。
マヨネーズは、スペインのマオンが発祥の地。18世紀半ばに、フランスのリシュリュー公爵が訪れた際、肉料理に添えられていたのが、マオン独特のソース=マヨネーズというわけです。
リシュリュー公爵によってフランスに紹介されたマヨネーズは大好評。西洋諸国で愛されるソースに成長していきました。
その後、缶詰の研究のため米国に留学していた中島董一郎さんが、ポテトサラダやサーモンとオニオンのサラダに使われていたマヨネーズと出会い、「日本人の体格向上のために、栄養豊富なマヨネーズをぜひ広めたい!」と日本で製造販売したことがマヨネーズのはじまりであり、〔キユーピー マヨネーズ〕のはじまりでした。1925年のことでした。
社名〔キユーピー〕は、創業当時、国内で大流行していたセルロイド人形のキューピーちゃんにちなんだもの。「キユーピー人形のように、愛される存在でありたい」という願いが込められているそうですよ。
ちなみに、〔キユーピー〕が作る《キユーピー マヨネーズ》は、卵黄で作られたオリジナルレシピ。外国製は全卵で作られたものがほとんどです。これは、栄養価の高い卵黄で作ることで、マヨネーズを体格の向上に役立てたい、という中島さんの思いあってのことだそうです。そういうわけで、《キユーピー マヨネーズ》は他社製品に比べてコクがあるというわけです。
販売当初は、ほとんど広まらなかった《キユーピー マヨネーズ》。憧れの食卓に並んでいる様子を描いた広告を何度も出すことで、少しずつ認知が広がり、現在ではサラダだけでなく、お好み焼きやパン、おにぎりの具などにも使われるようになってきたんですね。
マヨネーズのおいしさの秘密や工夫は《マヨネーズドーム》と《ファクトリーウォーク》で
施設内で最も目立つのが、この《マヨネーズドーム》。木製のフレームで作られた、巨大なマヨネーズボトルは、実際の450gボトルのなんと50万倍もの大きさがあるんだそうです。
ここでは、マヨネーズの基本知識や、日本だけでなく、世界各地で販売されている《キユーピー マヨネーズ》たちや、ボトルに秘められた工夫について、前方の大スクリーンを使いながら教えてもらえます。
マヨネーズの基本的な原料は、卵黄、酢、植物油とシンプル。卵黄は乳化を、酢と塩は保存性を実現しています。
西洋から入ってきたマヨネーですが、《キユーピー マヨネーズ》は、卵黄をふんだんに使い、コクの深い味わいが特徴。それを各国に合わせてアレンジして作っているため、人気なんだそうです。例えば、中国で人気の甘いマヨネーズ。フルーツサラダに使われています。
カロリーやコレステロールを気にする人でも、マヨネーズを楽しめるよう、《キユーピーハーフ》や《キユーピーゼロ ノンコレステロール》などが研究開発されたのだそうです。
また、あのおなじみのボトルにも実は秘密や工夫があるんです。
《キユーピー マヨネーズ》のボトルは、薄くて柔軟性の高い素材ですよね。子どもの頃、工作で使い終わったボトルを使ったこともあるかもしれません。
カットしても、一枚の厚みのあるフィルムにしか見えませんが、実は、ポリエチレン層の間に酸素を通しにくいプラスチック層を挟み込んだ多層構造。マヨネーズの天敵である酸素から守る工夫がされているんです。
だから、開封前のマヨネーズは、長期間おいしさを保つことができるんですね。
《ファクトリーウォーク》では、マヨネーズ製造工場での過程を体験することができますよ。部屋に入るには、コミュニケーターのパスが必要。これは、本物の工場でも高いセキュリティ保っている、ということを知ってもらいたいからなんだとか。
続けて、エアシャワーも体験。工場がどれだけクリーンに保たれているかを身をもって実感できますよ。
《卵トンネル》を通って到着した部屋には、またしても巨大モニターが。ここで、最初の工程、“割卵”の様子を見学します。《キユーピー マヨネーズ》に使っているのは卵の卵黄部分のみ。そのため、卵を割ると同時に、卵白と卵黄に分ける必要があります。とはいえ、ここは工場ですから、のんびりしていられません。なんと、ひとつのマシーンで1分間に600個の卵を割って、卵黄だけをより分けているのです。
割卵機のスピーディーで迫力ある動きは、ぜひ〔マヨテラス〕で確認していただきたいと思います。
より分けられた卵黄は、お酢と植物油を合わせてマヨネーズに変化します。そもそも、お酢(水分)と植物油(油分)は混ざり合わない性質を持っていますが、卵黄の持つレシチンの働きで乳化。あのクリーミーさは、このような仕組みで生まれるんですね。
そして、その様子を示しているのが、こちらの床面のイラスト。大きかったそれぞれの粒が、乳化の工程を経て、小さく、そしてなめらかになっていくのがよくわかります。
できあがったマヨネーズは、酸素を通しにくいオリジナルボトルに詰められていきますよ。このボトル、実は最初から口が空けられているわけではありません。内側が外気で汚染されないよう、密封状態で製造され、マヨネーズを詰める直前に、口の部分をカットしているんです。
しかも、カットするときには上下を逆さまにして、切り屑が入らないようにするという徹底ぶり。おいしいだけでなく、高い品質を保っていられるのも、こういう工夫あってこそなんですね。
ここまでで、マヨネーズのおいしさの秘密や、〔キユーピー〕の工夫などについて知ることができました。
でも、話を聞いたり、映像を見たりするだけではちょっと飽きてきませんか? そこで、ぜひチャレンジしていただきたいのが、キユーピー探しと、ミニゲームです。
実は、《ファクトリーウォーク》のあちこちに、キユーピーちゃんが隠れているんです。大きかったり小さかったり。人形だったりイラストだったり。ぜひとも、全部見つけてほしいですね。
品質管理の仕組みを学べるミニゲームは、2組で対戦。プレイヤーそれぞれに割り当てられたモニターに表示された素材をどちらが早く集められるかを競います。人間の目と、機械の目、ダブルチェックで《キユーピー マヨネーズ》の品質が保たれているんだ、というのを体験できる貴重な機会です。
《ファクトリーウォーク》最後の部屋は、《キユーピー マヨネーズ》に関するトリビアのエリア。若田光一宇宙飛行士によって、宇宙にはじめて《キユーピー マヨネーズ》が持ち出された、という話や、毎日工場で製造される《キユーピー マヨネーズ》は、450gボトル換算で積み上げると、富士山56座ぶんの高さであることなど、驚きの知識を得られますよ♪
「マヨネーズのことを知って、野菜のことも好きになってほしい」
最後は《キユーピー キッチン》で、マヨネーズの試食タイムです。ここでは、〔キユーピー〕のグループ会社〔サラダクラブ〕のサラダパック《Select SALAD レタスやパプリカ》に、思い思いに作ったマヨネーズソースをかけていただくことができます。
テーブルの上に用意されているのは、おなじみ〔キユーピー〕の各種ドレッシングのほか、クラッシュピーナッツや赤紫蘇調味料、唐辛子やブラックペッパーなどさまざま。調味料は、季節によって変えているそうです。
今回、《マヨテラス》を案内してくれたコミュニケーターの遠藤倫子さんから「ぜひ試してほしいのが、“マヨママソース”です!」と言われて、試さないわけにはいきません。
でも、マヨママソースとは? と思っていると、「マヨネーズとマーマレードを1:2の割合で混ぜたソースなんです」とのこと。ちょっと味の想像がつきません。
さっそく作ってみます。
どちらも黄色系なので、見た目の違和感はありません。
完成したマヨママソースを、そのままなめてみたところ、マヨネーズのコクとマーマレードのほろ苦い甘さがマッチして、美味。
用意していただいた《Select SALAD レタスやパプリカ》にちょっとだけトッピングして食べてみました。
結果、こんなに生野菜にマッチするとは! と驚きです。夏みかんやグレープフルーツ入りの生野菜サラダを食べたような、そんな感覚に襲われました。
「加熱したさつまいもにトッピングしていただいても、合いますよ」と遠藤さん。たしかにこれは合いそう。
そのほかのレシピは自分で考えてみてほしい、とのことで、マヨネーズにクラッシュピーナッツと赤紫蘇調味料を2:1:1の割合で混ぜてみたところ、これも美味。《キユーピー イタリアンテ バジルソース》を混ぜたものは、極上のモッツァレラを使ったサラダを食べているような気分になれました。
「お気に入りのレシピができたら、こちらに記入して持ち帰っていただくこともできます」と、はがきサイズのカードをいただきました。
ちなみに、近所のスーパーに、今回のオリジナルソースのレシピに使ったドレッシングがないかもしれない、と不安に感じるのであれば、《マヨテラス》と同じ敷地内にある《キユーピー ショップ》に行ってみましょう。
ここでは、ありとあらゆる〔キユーピー〕の商品が見つかりますよ♪ ここでしか買えないグッズがあったり、歴代のCMに使われたキユーピー人形が展示されたりしていて、ここだけでも見る価値アリです。予約不要で入店できるので、近くに来たついでに立ち寄る、ということもできそうですね。
マヨネーズのすべてを知ることのできる《マヨテラス》。今までもわりと“マヨラー”で通っていましたが、ますますマヨネーズのことが好きになりそうです。
遠藤さんに伝えると、「マヨネーズを通して、野菜をもっと好きになってもらえるようにしたい、というのが究極のミッションですね」とにっこり。「マヨネーズについて知ったあと、《キユーピーキッチン》でオリジナルソースづくりをしたお子さんが、それまで野菜嫌いで食べられなかったのに、おいしそうに食べた、ということをお母さんたちが話してくださると、『この仕事をしていて本当に良かったなぁ』と思います」とのこと。
「もっともっと多くの人に、沢山の野菜を食べてもらいたいですね。〔キユーピー〕が、皆様のクオリティ・オブ・ライフを上げるお手伝いをできれば、こんなに嬉しいことはありません」(遠藤さん)
お土産付きの〔マヨテラス〕見学は予約制。Webからは前日まで、電話では当日も受け付けていますよ。
ご自分のため、ご家族のため、普段の食事を見直すきっかけにもなる《マヨテラス》。一度、足を運んでみてはいかがでしょうか。
●写真・文 渡辺まりか
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