プラスチック素材にミルクペイント!?下地に◯◯を塗るだけ!ABS樹脂やポリカーボネートなど実際に検証してみた

DIY愛好家ご用達の「ミルクペイント」。実は、プラスチック全般には塗れない(割れが発生するおそれがある)ものなんです。でも、◯◯を使えば大丈夫! どんなプラスチックにどのような効果があるのか、実際に検証してみました。

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「ミルクペイントはプラスチックに塗れない」問題

愛用者が後を絶たない「ミルクペイント」ですが、塗れないものもあります。例えば、〔ターナー色彩〕(以下、ターナー)の《ミルクペイント》シリーズの場合、PP・PE等プラスチック全般、塩ビクロス等の柔らかい素材は塗れない(割れが発生するおそれのある)ものとされています。これらの素材は巷に溢れかえっていますよね……。でも、心配無用です! これらの素材のものにミルクペイントを塗るための、とっておきのアイテムがあるんです。

直接塗る前に下塗りすれば良い

「マルチプライマー」ってご存知でしょうか。その名の通り、万能な下塗り塗料です。これを先に塗ると、その上から塗るミルクペイントの密着を向上させてくれます。スプレータイプのものもありますが、今回は〔ターナー〕の《ミルクペイント マルチプライマー》の効力を検証していきたいと思います。

でも、すべてのプラスチックには塗れないらしい

この《マルチプライマー》は、金属・モルタル・ガラス・プラスチックに使用できます。ただし、HPで詳細を確認してみると、プラスチックの中でもポリオレフィン(PPやPE等)・ナイロン・軟質塩ビには使用できないようです。それでは、逆にどんなプラスチックであれば使用できるのか、〔ターナー〕の担当者に問い合わせたところ次の素材はOKとのことでした。

・ABS
・FRP
・ポリカーボネート
・アクリル

そこで、今回はABS・ポリカーボネート、そしてあえてPPの3つの素材にペイントした模様をお伝えしたいと思います。

ABSに塗ってみた!

最初に塗っていく、こちらの水色の長い靴べらは、ABS樹脂でつくられています。ABSは、耐衝撃性や高い剛性を持ち、加工が容易で、表面が光沢の美しい仕上がりも可能という特性のあるプラスチックです。

マルチプライマーをハケで全体にムラの無いように塗っていきます。液体の色は乳白色ですが、乾燥後は透明になります。手に付いてしまっても、石鹸水で洗い落とせるのでとても使いやすいです。

ポリカーボネートに塗ってみた!

次に塗っていくのは、ポリカーボネートでつくられた、こちらの橙色の短い靴べらです。ポリカーボネートは、群を抜いた耐衝撃性を持つと同時に、耐候性や耐熱性にも優れたプラスチックです。また、高い透明性も特徴です。

先程のABSの靴べらに塗ったときと、塗った感じは大差ありません。ハケ跡をできるだけ残さないように、水で希釈して使用するのもアリです。

PPにも塗ってみた!

最後に、こちらのPPでつくられているスポンジホルダーを塗っていきます。PPは、耐候性は良くありませんが、加工の手軽さは随一のプラスチックです。

こちらのPPのスポンジホルダーにも塗れることは塗れました。ミルクペイントを塗ったときにどうなるかは、まだわかりません。

2時間以上しっかり乾燥させます

2時間以上しっかり乾燥させます。匂いが全然しないので、安心して放置しておけるところがうれしいですね。

いよいよ上塗りしていきます!

上塗りしていくのは、同じく〔ターナー〕の《ミルクペイント》シリーズから、《ビンテージワイン》をチョイス。ここからは一気に3つとも塗った様子をお伝えします。

ABS、ポリカーボネートはもちろんのこと、PPも同じ勢いで塗れることは塗れました。どれもハケ跡が良い感じに残ってくれそうです。

ABSとPPが微妙……

ここから2時間以上しっかり乾燥するのを待ちます。それにしても、ABSの長い靴べらと、PPのスポンジホルダーに関しては、塗るのが下手だった可能性が出てきました。すなわち、ムラが発生してしまっているので、二度塗りしたいと思います。

そして、完成したのがこちらです

改めて、こちらがABSでつくられた靴べらです。二度塗りしたところ、ムラがなくなり、全く問題ない仕上がりとなりました。

続いて、ポリカーボネートでつくられた靴べらです。こちらは一発でキレイに塗り上げることができました。プラスチック製とは思えない、まるで木彫りのアイテムかという雰囲気を醸し出しています。

最後に、PPでつくられたスポンジホルダーです。ほかの2つに比べて明らかにムラが発生していますが、割れが発生するほどではありません。《マルチプライマー》、恐るべしです……。

優秀すぎるマルチプライマーに脱帽

今回の実験では、〔ターナー〕の《マルチプライマー》がいかに優秀であるかがお分かりいただけたと思います。「PPには使用できない」と言いながらも、かなりの効力を発揮していましたから……。また、プラスチックにもさまざまな種類があることが勉強になりました。みなさんもABSやポリカーボネートでつくられた製品に、マルチプライマーをひと塗りしてから、ミルクペイントで遊んでみてはいかがでしょうか。

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