雨かかり部分での木の使い方

外壁やウッドデッキなど、雨がかかる部分に無垢の木を使っても大丈夫?
何も考えずに使うとたしかに傷んでしまいます。
味のある使い方とは

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雨がかかる木は 塗装しない

昨日、5年半前に引き渡しをした建物を、久しぶりに見てきた。

篠山市の田んぼの中にぽつんと建っているフレンチレストラン「ボーシュマン」。
納屋のような味わいのある建物にしたい、というご要望から始まった計画。道路から目立つように、すこしばかり変形した屋根になったけれども、納屋のような物静かな空気は大事にした。

中でも、屋根の先端についている木の部分、破風については「良い味出してくれよ」と念じて世に送り出した。
というのは、建ててすぐには本来の色が出ないからだ。

使ったのはレッドシダー(米杉)という樹種。水がたまらない状態ならば、とても長持ちしてくれる。
ただし、色は年々歳々変化する。最初は若々しい薄茶色(下の写真)なのだが、数年で写真のようなグレーになる。
ここまで変色して始めて「完成」なのである。

逆に、竣工時の色を完成だと誤解してしまうと、「色が褪せた」とクレームにもなりかねない。
外部に使ったレッドシダーの色は、このようなグレーだと言うことを憶えていたいただきたい。

そして、この枯れ味こそが、外部に木を使う醍醐味。
ヘタにペンキなどを塗ると、まだらに剥げたりして後悔することになる。
思い切って無塗装で、渋いシルバーグレーを楽しんでもらいたい。

撮影:平野和司
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国産の木の家に魅入られた建築家です。設計デザインだけでなく、構造計算から木の産地への案内まで、木の家に関することはオールインワンでやってます。

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