【命のてがみ #8】出産からひと月。あなたとの時間を大切に過ごしています

フォトグラファーのHAL KUZUYAさんが綴る、出産と育児についてのエッセイ「命のてがみ」の連載8回目です。何もかもが新しい体験である「子育て」。生まれて1ヶ月の娘さんを抱えて、新米ママのHALさんはどう感じたのでしょう? 一瞬一瞬があっという間で、とても大切な日々を振り返ります。

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写真提供:HAL KUZUYA

名前をつけるのは夫さん、そう決めていた

「最後はあなたが決めてね」

そういって送り出した提出期限ギリギリのある日
意気揚々と「決めたよ」って帰ってきた
誇らしそうに、嬉しそうに

里帰り出産をして1ヶ月会えなくて、3ヶ月目から育児が始まるのと
二人でゼロから頑張るのと、どちらがいいいですか?
夫が選んだ答えは
自分たちの場所でゼロから育てるということ

母になること、父になること、家族になること
一人の力では無理なこと、話し合って確かめ合って進んでいきたい

きっと女性は産んだその瞬間から母になるのだけど
男性は、もっとゆっくりな気がする
時にあちらに早足になってもらい、
時に、こちらがゆっくりと立ち止まり
意識して、歩みを合わせていったほうがいい

心配した実家の母が、結局1ヶ月手伝いに来てくれたので
三人プラス 小さな娘の4人の暮らし
25年も離れていた母との暮らし、複雑かなと思ったけれど
居ていただかないと成り立たないので、感謝、感謝の日々
これも娘のくれた大きなギフトかもしれない

「育児に正解はない」とはいうものの
それぞれの人が持っている、正論持論があり過ぎて、混乱すること
泣いてすぐに抱くと、抱き癖がつくという母
え、そうなの……でも泣いてるし……
どうしたものかと悩んで、夜な夜な携帯でネット検索
そんなの古いというインターネットのサイト
こんな些細なことでも、心を痛めて本気で悩んでしまう
産後の弱り切った頭

エベレストから急降下したらしいホルモンの影響を受けて、傷つきやすいガラスのハート
勝手に目からボロボロと涙が出てくる
もはや躁鬱なんじゃないかというくらいの、感情のジェットコースター

マイナートラブルがあれやこれやと、休む暇なくやってきて

それでも、愛おしい愛しい
小さい我が子

ああ、なんて儚かなくて、ふにゃふにゃで、柔らかくて、愛しい人
その小さな足が、力いっぱい空を蹴る

お腹の上に乗せてみて
「ここに、入ってたのかーー」
なんてことを何度もやって、ニヤニヤしてみる

葛藤もありながらも、穏やかで、貴重な時間
あっという間に過ぎていった

守られた部屋で
母と夫に支えられて
君と過ごせるこの時間に
心から感謝しないといけないね

新米お母さんは
右往左往しながらも
白昼夢のように幸せな あなたとの時間を大切に過ごしています
人生でこんなに幸福な時はない

そう心から思える
穏やかで幸せな時間

●文、写真 HAL KUZUYA
フォトグラファー。東京と京都に拠点を置き、主にファッション、広告の分野で活動中。

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