静岡県で建てた二世帯住宅です。
親世帯は夫婦2人、息子さん夫婦とお孫さん2人とワンちゃん1匹のご家族です。
左に子世帯、右に親世帯があり、2つをつなぐような横長の外壁壁が特徴で中央の黒い引き戸は両世帯共通の玄関ドアです。
シンプルなデザインの住宅ですが、外壁の上にちょっとだけ突き出た三角屋根の家型が「普通の家ではない」という主張をしています。
建物の中心には両世帯が向き合って接する中庭があります。
中庭には小さな「小屋」があり内部は予備室です。
両方の家から平等に使えるように、あえて庭の中に「はなれ」として建っています。
お子さん達の秘密基地になったり、御主人の昼寝の空間になったり、又は親類の宿泊する部屋になったり、と色々と使い方があります。
親世帯のリビングダイニングです。
お気に入りの食器を飾る出窓収納をキッチンの背面に作りました。
特に特徴的なのはキッチンで、シンクのある部分とコンロのある部分を分離して配置。シンクの両側からお孫さんが片付けの手伝いをする事もできます。
さて、窓の先は小屋のある中庭です。
適度な距離感から、2世帯のちょうど良い距離をつくだします。
こちらは子世帯のリビングダイニングです。
親世帯に面する中庭の他に、この写真の子世帯専用中庭が備わります。
こちらの中庭にはキッチンが面していて、お料理から中庭への物干し、とスムーズに家事をこなせます。
こちらは7人家族のための家で2.5世帯住宅です。
ご夫婦2人とお子さん3人と奥様のお母さまと妹さんのための家です。
さらに家族が多いだけではなく、妹さんは「布作家」をされていて、素敵なバッグの製作スペースとそれらを展示する場所も必要でした。
外観の大きな窓は作品を展示するために窓で、黒い外壁もリクエストを頂いて仕上げたデザインです。
玄関土間から大きな引き戸で仕切る布アトリエです。
土足で使える仕事部屋は「オープンアトリエ」などを行って作品展示会なども行います。
2.5世帯住宅ですが、キッチンやお風呂は1箇所で各個人の個室をしっかり作る、という方式の住宅です。
キッチンはアイランド式で、天井の高い大空間です。
家族が多いため冷蔵庫は背面に2台置けるようにしてあります。
お母様の部屋はバリアフリーにするため1階のリビングから入り、他の家族の部屋は2階の階段吹抜の廻りに作っています。
大家族のため、とにかく家事をスムーズにこなせるように設計しています。
階段を上ると中二階の天井高さの低い部分があり、子供達のおもちゃの倉庫として、また洞窟のような遊び場になっています。
黒の縦棒は「登り棒」で消防署のように子供達が下りてきます。
こちらは神奈川県の逗子市で完成した二世帯住宅です。
玄関だけが共通で、1階の親世帯、2階に子世帯が暮らす家です。
屋根には太陽光発電パネルを乗せ、中間階納戸を取り入れた大容量の納戸が特徴の家です。
共通で使う玄関ホールです。
曇りガラスの中は親世帯のLDKで、中の活動の様子を見守る事ができます。
階段を上がると子世帯のエリアで、玄関を共通にする事でスペース効率を上げ、靴の有無で外出の状況程度をお互い把握できるようになっています。
2階の子世帯リビングダイニングです。
ダイニングとリビングの間に1.5mほどの段差があり、間を巨大な収納庫としています。
趣味の道具や色々なものを収納していますが、法令上は2階建てにする事ができて、3階建てよりも工事費を大幅に圧縮できます。
こちらは1階の親世帯のダイニングキッチンです。
左の曇りガラスは玄関ホールで、人の出入りがうっすら分かる他、玄関からもダイニングの様子がなんとなく把握できます。
今回も個性あふれる3つの二世帯住宅を見て頂きました。
それぞれのご家族事の距離感をくみ取って個別設計した家でなければ他人同士が住む二世帯住宅では上手く生活できないものです。
建築家の注文住宅は二世帯住宅で特に力を発揮できます。
是非参考にしてください。