横浜で完成した猫と住む二世帯住宅です。
ご家族の構成は、ご夫婦とお子さん1人と御主人のお母さま。
一人暮らしが気楽で良い、とのお母さまのご希望を取り入れ、内部は完全分離型としています。
玄関は母住戸が正面右の大きな開口のところで、庭いじりが好きな事から、大きな開口を通して庭の植栽がよく見えるようにしました。
子世帯の玄関は駐車場の左側の階段から上がって切妻型のファサード左側面から入る位置にあります。
シンプルでミニマルな外観デザインをご希望されていた事から、スッキリした三角屋根をテーマに設計しました。
子世帯のリビングは2階にあります。
三角屋根の形を取り入れたリビングは天井が高く、外観の窓の少なさからは想像もできない明るさです。
道路側に窓を設けないことでプライバシーが守られて、カーテンやブラインドのいらない生活ができます。
キッチンはオーダーキッチンでミニマルデザインに仕上げ、背面パントリーは冷蔵庫ごと引き戸で隠せるようになっています。
リビングの壁には愛猫のためのキャットウークを作り、飾り棚兼猫のための道になっています。
天井からは天窓の光を取り入れて、雨天の時でも照明を灯さずにすごせるくらいの明るいリビングを作りました。
こちらは1階の母世帯の居間です。
外観にあった大きな正方形の開口に面していて、雨のかからないポーチは窓を開け放して庭を見渡す事ができます。
縁側的な空間でもありますが、将来もし、足腰が弱っても、ポーチから直に居間に入れるバリアフリーの思想で作りました。
居間の奧には引き戸で仕切れる寝室があり、開け放てばワンルーム的な大きな部屋となります。
こちらは群馬県に完成した母屋リノベーション+増築により2世帯住宅を作った例です。
174坪の大きな敷地に建てられた母屋をスケルトンに解体して構造補強を行い、リノベーションした上、敷地内に長男夫婦のための新築棟を増築して渡り廊下でつないでいます。
内部は完全分離型で、玄関は別々の位置にあります。
左側の新築棟に子世帯のための玄関・パーキング・リビング・子供室があり、右のリノベーションした母屋に渡り廊下でつながります。
渡り廊下の先には子世帯のサニタリーと主寝室があり、母屋の一部に食い込んでいますが、親世帯の住戸の中にはつながりません。
母屋の面積は親世帯の夫婦2人には広すぎるため、一部を子世帯の占有面積に割り当てる、というレイアウトを取り入れました。
庭に対して両住戸のリビングが面するようになっていて、ここをお孫さんが行き来するような配置となっています。
子世帯のリビングです。
こちらは3階建ての2階にあり、吹抜を介して3階の子供室が見上げられます。
親世帯は「リフォームして暮らしたい」子世帯は「新築に住みたい」という個々の要望があった場合にも対応出来る方法です。
こちらは親世帯のリノベーションしたリビングです。
改装前の壁の位置に柱が立っていますが、空間上のアクセントになり、実用上は問題ありません。
また、暗かった改装前のダイニングを明るくするため、一部2階の床を取り去り吹抜として、2階窓の採光を取り入れ、対面キッチンに作り替えました。
こちらは東京の中野で完成した二世帯住宅です。
広い屋上バルコニーを希望されて設計ご依頼を頂いた家で、ご夫婦2人と奥様のお母さまとの3人家族です。
玄関はそれぞれにあり、1階をお母さまが利用し、2階3階をご夫婦2人が利用します。
大きな正方形の窓は道路対面にある隣地の桜を見られるように開いた窓で、1階と3階のそれぞれの世帯に付けました。
3階の子世帯リビングからつながる屋上バルコニーです。
桜の木々を見渡せる広々したデッキの上で食事を楽しむ事もできます。
3階の子世帯リビングです。
右の大きな窓が外観にあった窓で桜を借景。
左の壁には午前の光を捕まえるために東向きの高窓を設置しています。
キッチンは分離式のアイランド形式で、シンクとダイニングテーブルを一体にしてアイランド配置し、背面壁側をコンロとしました。
1階のお母さまの住戸です。
大きな窓は隣地の桜を借景でき、さらに窓の位置を高めに設定する事で、外の道路の通行人からは内部が見えないように設計しています。
居間はフローリング仕上げで、写真右手の開口内にキッチンがあり、そこを抜けると畳の寝室やサニタリーがあります。
さて、今回も3つの二世帯住宅をご紹介しました。
リノベーションや新築など工事方式も色々選べ、さらにそれぞれの家族の希望を取り入れた二世帯住宅は設計力のある建築家の最も得意とするところです。
是非参考にしてみてください。