作り置きおかずも危ない!食中毒を防ぐためのお弁当の作り方、詰め方とは?
高温多湿になるこの時期は、お弁当の傷みや食中毒が気になります。そこで今回は、お弁当の傷みや食中毒から食材を守る方法を、専門家に教えていただきました。作り置きおかずにも使えるテクニックです。
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覚えておきたい食材を守る3大対策
教えてくださったのは、管理栄養士の小田真規子先生。先生によると、食材を傷みや食中毒から守るための対策は、購入した食品を冷蔵庫へしまうところから始まるそうです。
「食材を傷ませないためには、傷みや食中毒の原因菌を『つけない』『増やさない』『やっつける』、の3大対策が必要です。これらは食品を保存するときから始まります」(小田先生)
3大対策をおこなう方法
●保存方法
「3大対策には、食品を手早く冷蔵冷凍し、冷凍の場合は解凍の時間を短くすることがポイントになります。お肉は重ねず平らにして袋に入れましょう。 表面積が大きくなるので、冷凍・解凍を早く行うことができます。 作業するときは清潔な手で。食品用の手袋を利用しても良いです。 また、クッキングペーパーにお肉を包んでからジッパー付き保存バッグに入れるといった ひと手間を加えると、解凍と同時にドリップ(解凍時に食材から出る液体)取りも出来るのでオススメです」(小田先生)
保存バッグ内に無駄な空間があると空気中の菌が入りやすくなるので、バッグは食材に合ったサイズを使うこともポイントだそうです。
●解凍方法
「室温での自然解凍は細菌の増殖リスクが高まるため、電子レンジ解凍がおすすめです。電子レンジ解凍による解凍ムラやドリップの発生などを防ぐためには、高密閉の保存バッグを使って保存し、保存バックに入れたまま流水解凍するのも良いでしょう。ダブルジッパーになっているリードの《新鮮保存バッグ》などは、高密封に適しています。また、かたまり肉を電子レンジで解凍する場合は、クッキングペーパーに乗せて途中で上下返すと、解凍ムラを防ぐことができますよ」(小田先生)
お弁当づくりのコツ
「食中毒の原因菌から食材を守るお弁当づくりでとくに気をつけていただきたいのが、ご飯を詰める順番です。せっかく原因菌対策をしたおかずを詰めても、最後にあたたかいご飯を入れて蓋をしてしまったら、お弁当箱内が高温多湿になってしまい、元も子もありません。まずはご飯をお弁当に詰め、冷ましながら他のおかず作りに取り掛かりましょう。 ご飯の上に梅干しを刻んで散りばめたり、炊飯時に梅干を一粒入れて炊いたりするのも効果的です」(小田先生)
さらに、お酢:水=1:1の水溶液をクッキングペーパーに浸し、お弁当箱を拭いてから料理を詰めると、お酢の静菌作用で菌の増殖を抑える効果が期待できるそうです。また、おかずをぎっしり詰めると、菌が入る隙間をなくし、菌が動きにくくなるのだとか。お弁当箱のサイズ選びも重要になってきますね。
作り置きおかずはこうやって原因菌から守る!
「お弁当だけでなく、作り置きおかずにも原因菌対策は必要です」と小田先生。
「作り置きおかずは、アツアツのまま保存容器に入れてしまいがち。ですがこれはキケンです! 熱いまま入れると、保存容器内に水滴が発生し、菌を増殖させてしまいます。外気から守るために、ふんわりとラップをかけ、しっかりと冷ましてから密閉してください。また、容器内の空間を極力減らすため、中味をスカスカにさせない事も重要です。取り分ける際は端から。容器の中でかき混ぜないようにするのもポイントです」(小田先生)
再加熱する際は、100℃まで温度を上げることが大切だそう。表面がクツクツするだけでは 一部分の温度が高くなっているだけなので、かき混ぜて全体を煮立たせます。味が濃くなるのがイヤな場合は、静菌作用のあるお酢やお酒を入れて再沸騰させると良いとのことです。
調味料も上手に使えば食中毒対策に
最後に、高温多湿に負けない調理のコツを先生に教えていただきました。
「食中毒などの菌の多くは塩分や酸味を嫌うので、味を濃いめにしたり、酸味を活かしたりするといいですよ。 中濃ソースやケチャップにもお酢が入っているので、味付けに使うとバリエーションを持たせることができます」(小田先生)
また、以前リミアで紹介した《リード プチ圧力調理バッグ》も、食材と調味料をこのバッグに入れてそのまま冷蔵、冷凍保存が出来、調理は袋のまま電子レンジで加熱するだけなので、食中毒予防として役立ちそうです。
●ライター 力武亜矢
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