自分で角質を削るのは危険? 皮膚科の先生に聞いた、かかとのガサガサがよくなる「正しい」対処法

かかとのガサガサは厚くなった角質で、すぐに改善させるのは難しいものです。かゆみや痛みなど気になる症状がある場合は皮膚科やクリニックを受診しましょう。

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かかとで厚くなりやすい角質……皮膚を乾燥やダメージから守る役割

角質は皮膚の一番外側の層で、皮膚の細胞と、細胞の間にあるバリアの役割をするタンパク質や脂質から構成されています。細胞がレンガ、タンパク質や脂質がレンガをくっつけるモルタルだとイメージするとわかりやすいでしょう。角質は、皮膚を乾燥や外部からのダメージから守るバリアの役割をしています。

かかとのガサガサは刺激による「角質肥厚」……セルフケアか皮膚科に行くべきか

外からの刺激などに反応して、角質が分厚くなり、ガサガサした状態になることを「角質肥厚」といいます。肌にキズをつけない範囲で軽く軽石でこすったり、削ったりすることは問題ありません。ただし、削るだけではガサガサがつるつるの状態にはならないことが多いです。

市販のかかとのガサガサ用のクリームには、尿素などの角質を溶かす成分が入っていることが多いですので、保湿力の高い塗り薬をまめに塗って対応することも重要です。2~3日では改善しませんので、最低でも2週間は毎日塗りましょう。

乾燥によるガサガサであれば市販薬など自分で対処しても問題ありませんが、症状によっては皮膚科やクリニックでの治療やケアが必要なものもあります。

例えば、

・かゆくなり赤くなっている場合や亀裂ができていて痛いとき→ステロイドの塗り薬

・押すと痛い場合→削りの処置

・かかとの水虫の場合→顕微鏡で検査した上で水虫の塗り薬や飲み薬

などです。かかとのガサガサが治りにくい場合や、慢性化していたりかゆみなどの別の症状がある場合は、皮膚科を受診しましょう。

間違った角質ケアが原因のトラブル……タコ・ウオノメを削って、出血や痛みも

かかとのガサガサ部分にできることは稀ですが、角質肥厚が強く分厚くなると「タコ」になり、中心の角質肥厚が強くなり芯ができてしまうと「ウオノメ」になります。角質肥厚が強くなることで、当たると痛みが出るようになります。

これらもかかとのガサガサ同様、自宅で削って対処している方もいるようですが、無理に削るとキズになって出血することもあります。また、角質を溶かす作用のある市販薬で治療を試みる方も多いと思いますが、ふやけて皮膚が痛くなってしまい皮膚科を受診される患者さんもいらっしゃいます。

皮膚科のクリニックでは保険適応で「タコ」や「ウオノメ」を月2回まで削れます。費用の目安としては、3割負担で500円程度です。また、市販薬と同じように使用できるテープや角質のガサガサを取る塗り薬として、サリチル酸ワセリン軟膏や尿素クリームなども処方できます。

かかとのガサガサを始めとする角質肥厚が気になり、ケアの仕方がわからない場合やうまく改善しない場合は迷わず皮膚科専門医を受診しましょう。

角質ケアの適切な方法・頻度

自分でできるガサガサのケア方法として、まずはまめに保湿剤を塗ることが大事です。最低でも2週間、1日2~3回程度は欠かさず毎日塗りましょう。通常のガサガサであればかなりの改善がみられるはずです。

かかとのガサガサの場合は通常の体用のものよりも、かかとのガサガサにより特化した尿素やサリチル酸の入ったクリーム、軟膏がおすすめです。この2つの成分はいずれも角質を溶かして、スムースにする作用があります。

日本の市販品の場合、かかと用のものにはよく尿素が成分として含まれています。アメリカではサリチル酸の入った市販の保湿クリームがよく用いられていますが、日本の製品にはサリチル酸があまり使われていません。

皮膚科クリニックの処方薬としてサリチル酸ワセリンをよく出していますので、市販品でガサガサが改善しにくいときにはクリニックを受診しましょう。

タコやウオノメになっていて痛みが出ている場合や、赤くなっていたり、亀裂があってヒリヒリしたりする場合には、皮膚科の受診をおすすめします。

かかとのガサガサは「根気よく・こまめに」ケアを

足のガサガサはすぐには改善しませんので、毎日しっかり尿素入りのクリームなどで保湿することが大事です。放置すると悪化してしまうため、そうなる前に日々のケアを大切にしましょう。市販品で治らない場合や、痛みやキズがある場合は、水虫など他の病気が潜んでいることがありますので、皮膚科クリニックの受診をおすすめします。

野田 真史プロフィール

日米での経験豊富な皮膚科専門医。東京大学医学部を卒業後、皮膚科診療を行う。東京大学大学院医学系研究科卒業(医学博士)。ニューヨーク州医師免許を取得し、2014年からニューヨークのロックフェラー大学皮膚科で診療、研究。2016年東京大学医学部附属病院皮膚科助教。2018年7月1日、池袋駅前のだ皮膚科を開業。

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