パン教室のできるキッチン!難しい土地で実現した妻子の大満足!
施主であるSさんが家を建てることになったのは、隣家が採光を阻む北側斜面の土地。悪条件を乗り越えて陽光が降り注ぐ住まいを実現し、みごと「住まいの環境デザイン・アワード」を受賞した建築家の技に迫る。
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約9mの吹き抜けで採光確保、家族が集う明るいリビングに
施主であるSさんと建築家である白砂さんは、大学時代の友人という間柄。Sさんは「子どものために快適な住まいをつくりたい」ということで、旧知の仲である白砂さんに家の設計を依頼することにしたという。Sさんが購入していた敷地は、我孫子駅から徒歩圏内の北側斜面地。通勤・通学には便利だが、南側、東側には耐震性が確認できない3m以上の擁壁が。また、北側には一段擁壁で下がった場所に隣家があるという、採光の確保が難しい土地だった。
白砂さんがまず悩んだのは、崖条例に沿って建築計画を立てると、南側に6mほどの空き地を作る必要があるということ。この場合は空地を庭として利用することになるが、それでは日が差さない暗い庭になってしまう…。この問題を解決すべく白砂さんが思いついたのは、RC造の擁壁(待受擁壁)をL字型に配置することで建物を南側に寄せることを可能にし、北側に明るいテラスを造り出すという、実に斬新なアイディアだった。
加えて白砂さんは、1階のリビングの天井を9mの吹き抜けにすることを提案。これにより、S邸のリビングは、ロフトの窓とテラスから入る光に満ちた、明るい空間となった。大きな吹き抜けはエネルギー効率が落ちるという欠点もあるが、白砂さんはこの対策として、天井と壁面に新聞紙を再利用した高性能の断熱材を使用。1階に置いた温水式の床暖房の熱を天井のサーキュレーターで循環させることに。これで真冬でも温かく過ごせる、家族に快適な居場所が出来上がった。
パン教室を開けるキッチン、子どもが遊ぶロフト…
S邸の1階には、このリビングのほか、主寝室、水回り、キッチンが設けられている。ちなみにこのキッチンは、パン教室を開きたいという奥様がもっともこだわった部分。オールステンレスの特注品で、1.5m×90㎝の広々とした作業台付きだ。
2階に上がると、そこにあるのは2つの子ども室と書斎。もともと「家族が集まる場所を通って子どもが自室に行けるようにしたい」というSさんの希望どおり、家族が集まるリビングを抜けて子ども部屋に行くよう動線が考えられているそう。また、ロフトも子どもの遊び場となっており、1階のリビングから遊ぶ子どもの姿を見守ることもできる。
家を建てる当初は、大きな日陰ができる土地にマイナスイメージを持っていたというSさんだが、我孫子の家での暮らしをスタートした今は、プライベートな明るい中庭と、外のように光が降り注ぐ明るい室内にとても満足しているとのこと。テラスでは子どもが元気に遊び、キッチンで奥様がパン教室を開く…。家づくりを始める前に夢みていた見た理想の暮らしが、今まさに現実となっているようだ。
白砂 孝洋
白砂孝洋建築設計事務所
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