チャイロスズメバチの特徴や珍しい特性を解説！絶滅危惧種の真相を解説

チャイロスズメバチの特徴

まずは、チャイロスズメバチの特徴について解説します。

体長（大きさ）は1.5～5cmで茶色

チャイロスズメバチの体長は働き蜂やオス蜂で約1.5〜2.5cm、女王蜂で3〜5cm程度です。

チャイロスメバチの特徴としてもっともわかりやすいのが身体の色。チョコレートのような茶色の見た目が特徴的です。

全身が茶色で腹部のみ黒色をした蜂を見かけたら、チャイロスズメバチの可能性が高いでしょう。

生息地は本州のほぼ全てに分布

チャイロスズメバチは、北海道と本州のほぼ全域が生息地です。

九州・沖縄エリアでは生息が確認されていませんが、日本の半分以上のエリアに分布していることになります。

また、チャイロスズメバチは一部の地域で絶滅危惧種に指定されています。しかし、あくまで一部地域かつ絶滅が危惧されているだけなので、生息が確認された分布エリアでは遭遇する可能性が十分にあるため要注意です。

※ 参考：群馬県レッドデータブック 2012 改訂版に掲載されたハチ類
※ 参考：日本のレッドデータ検索システム

集団で威嚇行動を行う

チャイロスズメバチは、フェロモンで敵と味方を判別します。

敵が近づいてくると大きなアゴで「カチカチ」と音を鳴らしながら警戒サインを鳴らします。集団で地面の近くを飛び回る威嚇方法が特徴的です。

チャイロスズメバチから見るとこれから集団で襲い掛かるための準備行動なので、カチカチと威嚇する音がしたらすぐにその場からゆっくりと離れましょう。

近づくだけで襲いかかる高い攻撃性

チャイロスズメバチは、オオスズメバチに次ぐ攻撃性を持っているといわれます。

威嚇行動で退かない相手には襲い掛かる狂暴な攻撃性を持っていて、人間に限らず他のスズメバチが攻撃対象になることも珍しくありません。

もし、チャイロスズメバチを見つけても、絶対に近づかないようにしましょう。

刺されると非常に危険な毒性

チャイロスズメバチは、非常に強い毒性を持っています。

毒による痛みは、「オオスズメバチを上回るほどの痛み」といわれています。さらに、厄介なのは、刺すだけでなく空中から毒液を噴射する攻撃スタイルです。

万が一、目に毒が入ると最悪の場合は失明する恐れもあります。

チャイロスズメバチは巣の乗っ取りを行う社会寄生蜂

チャイロスズメバチは、他の蜂の巣を乗っ取る社会寄生蜂という珍しい特性があります。

一般的にスズメバチ科の昆虫は女王バチが巣作りを行います。しかし、チャイロスズメバチの場合は、キイロスズメバチやモンスズメバチなどの巣を見つけては女王バチを駆逐し、働き蜂やオス蜂は労働力として巣を乗っ取ってしまうのです。

次第に女王蜂を失ったスズメバチがいなくなり、最終的にチャイロスズメバチの巣として完全な乗っ取りが行われます。

チャイロスズメバチの見分け方

見かけた蜂がチャイロスズメバチかどうかを見分けるポイントは、見た目と巣の乗っ取りを行う特性です。

チャイロスズメバチの頭と胴は茶色く、腹部は黒い特徴があります。また、他の蜂の巣を乗っ取る特性から、蜂の巣に2種類以上の蜂がいるとチャイロスズメバチの可能性が高いといえるでしょう。

スズメバチの種類については、以下の記事で解説しています。

チャイロスズメバチの被害に遭わないための対処法

天敵のクマと勘違いしやすい黒服は着ない

チャイロスズメバチの天敵はクマといわれています。

そのため、クマの色に近い黒い服装などをしていると、天敵のクマと勘違いされて襲われる可能性があるでしょう。そのため、外出時は黒い服を避けるなどの対処をしましょう。

香水や整髪料など匂いがあるものはつけない

チャイロスズメバチは甘い香りにつられてやってきます。

そのため、花のように甘い香りがする整髪料や香水には十分に注意しましょう。アルコールやジュースなどの香りにも誘われてくるため、匂いが強いものを身に着けたり持っていたりするときは気を付けてください。

アウトドアシーズンは特に気を付ける

チャイロスズメバチは5〜10月の時期に活発になります。特に秋口は涼しくなってくるアウトドアシーズンで、活発的なチャイロスズメバチと遭遇する恐れがあります。

ハイキングやピクニックを楽しむ際は、黒い服を着ない、匂いが強い整髪料や香水をつけないなどの対策をして気を付けながら楽しみましょう。

低い姿勢をとって静かにゆっくりと離れる

もし、チャイロスズメバチと遭遇した場合は、その場を離れてください。

離れる際はチャイロスズメバチを刺激しないよう、ゆっくりと離れます。大きな声や足音を立てると、音に反応して襲い掛かってくる可能性があります。

チャイロスズメバチに刺されたときの対処法

チャイロスズメバチの生息地は広く分布しているため、いつどこで刺されるかわかりません。

ここからはチャイロスズメバチに刺されたときの対処法を解説します。

応急対応

チャイロスズメバチは何度も刺してくるため、まずはその場から離れましょう。

毒針が残っている場合は指でゆっくりと抜いて、刺傷部から絞るように毒を抜き出します。この際に口で毒を吸い出すのは絶対にやめてください。

激しい痛みが続く場合は、保冷剤で患部を冷やすと痛みが和らぎます。

病院を受診

応急対応が終わって落ち着いたら、病院を受診しましょう。

腫れや痛みがある場合は皮膚科へ、アレルギー症状が出ている場合はアレルギー内科が望ましいです。

刺された直後に息苦しさや意識の混濁を感じた場合はアナフィラキシーショックの可能性があるため、すぐに救急車を呼びましょう。特に過去に蜂に刺された経験がある場合や、一度に何度も攻撃されてしまった場合は重篤な症状が出やすいため注意が必要です。

※参考：川崎市：ハチに刺されてしまったら

チャイロスズメバチの駆除方法

ここからは、自宅の庭やベランダでチャイロスズメバチを見つけた場合の駆除方法を紹介します。

役所に相談する

蜂の巣については、住んでいる地域の役所に相談すると駆除につながる場合があります。

特にチャイロスズメバチを含むスズメバチは危険性が高いため、補助金が出たり、無料で駆除してくれたりするケースも。例として、さいたま市や世田谷区などでは無料でスズメバチの巣の駆除を、新宿区ではスズメバチ以外の蜂も業者委託で駆除してくれます。

蜂の巣の補助金については、以下の記事で詳しく解説しています。

駆除業者へ依頼する

自分で駆除するのが難しい場合や、役所へ相談しても対応してもらえない場合は、駆除業者へ依頼しましょう。

「ハチ110番」なら、チャイロスズメバチを含むスズメバチの駆除が11,000円（税込）から依頼できます。電話相談は24時間365日受付中のため、チャイロスズメバチの駆除に困ったら見積もり依頼をしましょう。

※ 対応エリア・加盟店により記載の価格で対応できない場合があります
※ 巣の場所がわからない取り出せない・高所などの特別な場合別途料金がかかる場合があります

自分で駆除するのは危険

チャイロスズメバチを含むスズメバチ全般は、毒性や攻撃性が強くとても危険なため、自分で駆除する方法はおすすめしません。

チャイロスズメバチに関するよくあるQ&A

ここからは、チャイロスズメバチに関する疑問をQ&A形式で答えます。

Q. チャイロスズメバチの特徴は？

A. 頭と胴が茶色、腹部が黒色をしています

スズメバチに次ぐ高い攻撃性と強い毒性を持っているため、見かけても絶対に近づかないようにしましょう。

Q. チャイロスズメバチは絶滅危惧種？

A. 一部の地域では絶滅危惧種に指定されました

あくまで絶滅危惧種なだけで、当該地域でも絶滅したわけではありません。生息が確認されたエリアはチャイロスズメバチと遭遇する可能性があるため、十分に注意しましょう。

Q. チャイロスズメバチの巣は自分で駆除できる？

A. 自分で駆除するのは危険なため駆除業者へ依頼してください

攻撃性が高いスズメバチは、近づくだけで刺される恐れがあります。無理に駆除しようとせず、駆除業者へ相談してください。

※記載している情報は、LIMIA編集部の調査結果（2023年8月）に基づいたものです。
※画像は全てイメージです。