樹群に溶け込むDWELL住宅
大きな樹群溢れるこの敷地は自然に水が湧き出る池に隣接し、魅力的な急勾配も兼ね揃えていた。そんな自然・建築条件から成り立つ環境と共に、施主と作り手が考える「Dwell=人生や暮らし、居住空間などを真剣に考えること」の精神によってデザインを開始した。長方形の箱を90度回転させて重ねることによってできた5メートルもの突き出し部は圧倒的なアイデンティティを生み出し、全体を色濃い赤茶の南米産木サイディングで覆うことによって、その樹群に溶け込む存在感を持ち合わせている。内部の床・壁・天井そして家具にも木・コンクリートなど自然素材を用い、大開口部から木漏れる光が、外部との関係性を失うことなく室内を演出している。幾度となく繰り返し行われた現場打合わせが、洗練されたディテールまでデザインすることを可能とし、Dwellの本質を生み出した作品となった。
studio LOOP