そろそろ制震工法かなあ

震度7が2連続という驚天動地の熊本地震からもうすぐ1年になろうとしています。
ちゃんと構造計算された耐震等級2以上の建物は、大きな被害はなかったようですが、それでも不安は高まるし、建物は大丈夫でも室内がメチャクチャになることも心配です。
そこで、明月社の家でも制震工法をとりいれるため、様々な制震工法を比較検討しています。その途中経過を公開します。

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そもそも制震工法ってなに?

電車の中で立っていることを想像してみてください。

ガタンと揺れた時に、がしっと足を踏ん張ったり手すりを握りしめて倒れないようにするのが、「耐震」です。これが基本中の基本。どんな工法にするとしても 「耐震」抜きでは成り立ちません。

その上で、ガタンときた時に、膝や肘を少し曲げて衝撃を和らげてやるのが、「制震」です。
手足を硬直させているときよりも、体にかかる衝撃はずっと小さくなりますよね。

肘や膝を曲げる以外にも、靴底が柔らかいゴムだったり、足の裏や手のひらが少しだけ滑ってズレるようになっていたりしても、だいたい同じような効果があります。

これに対して、まるでスノーボードに乗っているように、揺れに対してユラユラとバランスをとってやるという方法もあります。かなりのスキルが必要ですが、これならば想定外の揺れがこない限り、ほとんど衝撃はありません。建物でこれをやるのが 「免震」です。

たしかに免震は効果が大きいのですが、家の場合もやはり高度なスキルが必要で、費用も高くなってしまいます。また、想定外の揺れが来ると、免震効果がなくなってしまうこともありえます。

そんなわけで、木造住宅に相性が良いのは、制震工法なのです。

どんな制震工法があるの?

大きく3種類の工法があり、その中でも、曲げたり滑らしたりする箇所がいろいろ違ったりします。

<オイルダンパー系>

車のトランクを思いだして下さい。最近の車は、ピストンのようなものがついていて、急にバタンと閉まらないようになっています。あのピストンのようなものが壁の中についていて、地震が来た時に少しだけグニュッと動くのです。

たぶん、一番たくさんの工法に採用されています。

効果は非常に大きいのですが、密閉されたピストンの中にオイルが入っている構造なので、数十年間も劣化しないかどうかが課題です。

<ゴム系>

グニュッとしているモノと言えば、やはりゴムです。
オイルダンパーではなくて、ゴムをグニュッと変形させて衝撃を吸収するのが、このタイプです。

課題は、ピストンよりも可動域が小さいことと、やはりゴムの劣化です。普通のゴムは長年使っていると可塑剤が蒸発してカチカチになっていきます。そうなったら制震効果はありません。
もちろん特殊なゴムを使っていますから、たぶん大丈夫なのですが、私的にはまだ確信を持てていません。

<金属系>

金属のバネや変形を使った方法です。
ただのバネだとかえって揺れを増幅させてしまうので、ジワッと動かすところがそれぞれの工法の工夫のしどころです。

ダンパーやゴムに比べるとグニュグニュ度は劣るので、衝撃吸収力は他の工法よりやや低めですが、ステンレスやアルミの場合、ほとんど劣化しないので、住宅用には安心感があります。

今のところ、この中から選択しようかな と考えています。
下の写真は その一例です (ブレースリー 理研軽金属)

調査が進展したら、また続きを書きたいと思います。

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国産の木の家に魅入られた建築家です。設計デザインだけでなく、構造計算から木の産地への案内まで、木の家に関することはオールインワンでやってます。

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