家の傾きはどうして起こるの?主な原因と傾きチェックの方法をご説明します

せっかく建てたマイホーム、気づいたら傾きが出てしまっていた!そんな事態になればがっかりするだけでなく、今後何十年と暮らすことを考えて不安でたまらなくなるでしょう。家の傾きの原因は住宅そのものの変形・歪み以外にもあるため、中古の住宅に限らず新築の家でも傾いてしまう可能性があります。住宅に傾きが出ると単に住みにくいだけでなく、平衡感覚の障害やめまい・吐き気などの体調不良を引き起こしかねません。今回は、家に傾きが発生する主な原因と、家の傾きをご自分でチェックできるポイントをご紹介していきます。

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住宅を支えている地盤が沈下すると、傾きが起こる

ここでは、家が傾きを起こす4つの原因についてご説明します。

【1.盛り土による地盤沈下】
盛り土とは、住宅を建てる際に地面を高くするため土を盛ることです。なお、盛り土を行って住宅を建築するケースが多いのは以下のような立地にある地盤となります。

・河川の川沿い
・山の手
・田畑、沼、畑、谷、海岸などを埋め立てているところ

このような場所では、できるだけ平坦な場所を選択した場合であっても若干の斜面が存在しがちです。そこを宅地に使うためには、盛り土をして極力平坦な状態になるように整地をしなければなりません。

しかし、盛り土をしている以上あくまで「土を盛っている」状態ですから、地盤の強度という意味合いで考えれば軟弱な状態になりがちです。そのため、盛り土をした地域はその上に家を建てても大丈夫なよう、かなりの年月をかけて地盤改良を行います。その間は、重機で何度も締め固めるなどの作業も必要となります。

たとえば、元々宅地ではなかった地域を一斉に開発した「新興住宅地」と呼ばれるような場所の土地は、盛り土によって平地にされているところがほとんどです。しかし、盛り土の工事が適切に行われていなかったり、締め固めを万全に行わなかったりすることによって、やがて地盤が沈下してしまうことがあります。

また、きちんと盛り土の作業が行われた場合であっても、経年で地盤が緩むことがあり得ます。そのような地域は、住宅地全体の家に何らかの傾きが発生している可能性もあるでしょう。特に盛り土をした土地の範囲が広い地域の場合、盛り土の中心部分にあたる場所一帯が陥没しやすくなることがあります。

【2.下水の汲み上げなどによる地盤沈下】
地面の下には地下水が通っている箇所が多くあります。地下水とは雨水や雪、河川の水などが地下に浸透し、そのままたくわえられた状態のものを指します。その状態が保たれたままであれば地盤への影響は少ないのですが、工場などが過剰に地下水の汲み上げを行うことなどで地下水位が低下すると、周囲の粘土層が収縮していきます。それが繰り返されると上方の地盤にも影響を与え、沈下が発生することがあります。

【3.擁壁(ようへき)の不具合による地盤沈下】
盛り土や切り土がくずれるのを防ぐために、地面に設置される壁状の構造物を「擁壁(ようへき)」と呼びます。擁壁がきちんと施工されていない場合に擁壁が土壌の横圧に負けてしまうことで、地盤の沈下を招くケースがあります。

【4.木による沈下】
庭や、家周辺にある木が根腐れを起こすと、周囲の地盤がずれてしまい沈下を引き起こすことがあります。

住宅の老朽化が原因となって起こる傾きもある

住宅に傾きがあるのに、地盤の沈下や変形が発生していない場合は、住宅そのものの問題で傾きが起こっていることも考えられます。住宅を建ててから長い年月が経てば、建物の部材などにも劣化が起こります。より具体的にご紹介すると、住宅の状態による傾きの原因には以下の3つが挙げられます。

1.構造材(木造住宅では柱・梁(はり)・土台・桁・筋かいなど)の結合しているボルトや金属が緩み、家の基礎自体が歪むことによる
2.湿気によって家の柱、土台、梁、床下が腐食する
3.虫害、特にシロアリの食害によって木材が腐朽してしまう

上記でご紹介した原因の中でも、2と3については特に水回りに起こるケースが少なくありません。水回りだけが著しく劣化してしまえば、その床下部分から傾いてしまう危険性が高くなるでしょう。

家の瑕疵で起こる傾きをご自分でチェックするポイント

住宅に瑕疵があることで起こる傾きの有無は、ご自分でも大まかにチェックすることができます。チェックする際のポイントは、まず以下の2項目から確かめることです。

1.家の壁に亀裂が入っていないか
2.基礎にひび割れが入っていないか

上記をチェックしたら、その次に以下の7点を確かめてみましょう。

1.家の外構を見て、コンクリート部分などにひび割れが入っていないか
2.雨水が雨樋以外のところから大量に落ちていないか
3.サイディング(外壁の素材)同士のすき間を埋める目地が以前より開いていないか
4.キッチン・浴室で、水の流れ方が不自然になっていないか
5.内装部分の壁紙がヨレていたり、ひび割れがあらわれたりしていないか
6.窓やドアの開閉はスムーズに行えるか
7.窓やドアを開けたまま放置したときに、戸や扉がひとりでに動いてしまわないか

家の内外どちらも確認し、異状がないか確かめましょう。普通に生活していて自覚できるほどの傾きが見られないにせよ、これらをチェックして当てはまるものがあれば1度プロに依頼して詳しく測定を受けてみると良いでしょう。単に気づいていないだけで、実は家に傾きが出てしまっているかもしれません。また、マイホームの購入を控えている方は土地を見に行く際の段階から、周辺の家の外観の状態をチェックしておくと良いでしょう。

家が傾いていることによって住みにくさや体調不良だけでなく、地震が発生した際に住宅に及ぶ被害も大きくなると言われています。どんなに耐震性の高い住宅を建てても、傾きがあれば意味をなさなくなる可能性もあるでしょう。そのため、新築からある程度年数が経った家は定期的に傾きがないか確認を行うようにしましょう。

テレビなどでよく見られる「ビー玉を床で転がしてみる方法」も良いのですが、勢いよくビー玉が転がらなくても実際には家が大きく傾いているケースもあるのです。現在では、スマートフォンで傾きを簡易的に計測できるアプリもありますので、使ってみるとさらに参考にできるかもしれません。

まとめ

家に傾きが見つかった場合、その程度が許容できるものかどうかは専門業者に地盤調査と建物調査を依頼して、数値から客観的に判断してもらう方法が最も妥当でしょう。早めに対処することができれば、かかる費用も比較的安く抑えられます。できるだけ定期的なメンテナンスを怠らず、ご自宅を安心して住み続けられる状態に保ってあげましょう。

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