またやり直し!確定申告で何度も失敗した女性の経験談
毎年、2月が近づくと自宅ポストに届く確定申告のお知らせ。確定申告の方法や概要は、世情に対応するように少しずつ変化し、下調べを入念に行わないとスムーズに...
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毎年、2月が近づくと自宅ポストに届く確定申告のお知らせ。確定申告の方法や概要は、世情に対応するように少しずつ変化し、下調べを入念に行わないとスムーズに申告できないことも多々あるようです。
今回は、夫婦ともに自営業であるAさんの確定申告失敗談をご紹介します。新たに確定申告を行う人、今年はミスなく確定申告を終えたい!と思っている人は参考にしてみてくださいね。
▼プロフィール
Aさん(32歳)
専門学校卒業後、事務員として就職。
会社の人間関係に悩み仕事を退職し、在宅で事務代行を行う。
現在は、自営業の男性と結婚して1児の母。
思ったよりも分かりづらい?確定申告とは
確定申告を初めて行う場合、多くの人が作業中に疑問点が見つかり、何度も中断してしまうとよく聞きます。まずは、会社を退職して個人事業主となったAさんの失敗談を参考にしながら、確定申告初心者がつまずきやすいポイントを見ていきましょう。
退職して初めての確定申告。書類の多さに愕然…
会社を退職して自宅で仕事をし始めたAさんは、個人事業主として収入を得ることとなります。自分の事務スキルをフル活用し、次々と仕事を獲得したAさん。一定の利益を上げたため、確定申告が必要となりました。
利益が出たとはいえ、個人事業主となって初めての1年であったため、確定申告もすぐに終わるだろうという甘い考えで、書類を手書きで作成することにしたのです。ところが、確定申告作業に取り組んだAさんを驚かせたのは、書類の多さ!所得税に関わる書類だけでもA様式とB様式がある上、B様式は複数の種類に分かれています。
ほかにも、収支内訳書やセルフメディケーションの明細書などがあり、資料を読み込むだけでも多くの時間を費やしてしまったAさん。手書きで確定申告書類をそろえることを後悔しはじめました。
苦戦しながらも何とか完成!ところが最後に…
Aさんは分からないながらも、確定申告の手順書を読みつつ提出書類の下書きを行います。時間をかけて下書きを終え、いざ本番!丁寧に提出用紙に書き写していきました。
確定申告に使えるのは黒のボールペン。間違えてしまうと、二重線で必要箇所を消し、空白に書き直さなければなりません。途中で失敗して書き直し…と何度も繰り返すうちに、書類は真っ黒!このまま提出するのは無理かもしれないと、初めからやり直すことになってしまうのです。
今度はミスをしないようにと気をつけていても、あまりの記載欄の多さについ間違えてしまうAさん。苦労して最終欄までミスなくたどり着いた矢先、気が抜けて間違えてしまいショックを受けます。最後は小さな欄の上部に訂正文字を入れ、なんとか確定申告書類を完成させました。こうして、Aさんの初めての確定申告は、つまずきを乗り越えながらなんとか終えられたのでした。
結婚して2人分の確定申告を行うことに
しばらくしてAさんは、個人事業主として稼業を営む男性とゴールイン。結婚後、事務代行を行いながら夫の仕事を手伝いたいと思うようになります。確定申告ならできるかもしれないと考えたAさんですが、自分とは違う内容に苦戦することになるのです。
今までとは違う確定申告に悪戦苦闘
毎日忙しそうに働いている夫をサポートしたいと感じていたAさん。専門的な仕事内容はわからないけれど、確定申告なら…と着手します。ところが、2人の確定申告は根本的な部分が異なっていたのです。
Aさんは、個人事業主となったときから白色申告を行っています。一方夫は、税制の優遇措置が多い青色申告。青色申告は複式簿記を作らなければいけない、などのルールがあり、白色申告よりも作業が難しいのです。
Aさんが夫の確定申告で引っかかったのは、経費の計上の部分。青色申告では、仕事を行う上で必要だと認められれば、すべての経費を家事按分にできます。(※家事按分:自宅で仕事を行う場合、合理的な基準によって家賃や光熱費を必要経費として分けること)Aさんはこれまで、生活にまつわる費用は経費としてこなかったため、慌てて経費と考えられる携帯電話やガソリン代などの請求書をまとめはじめました。
ところが、いくつかの明細書が見当たりません。夫に相談すると、途中からペーパーレス化したため、郵送で届かなくなったとのこと。早く言ってくれれば…と思いながらも、パソコンでひとつひとつ調べ、黙々とプリントアウトするという作業に明け暮れました。
クレジットカード明細書の日付がややこしくて戸惑う
必要経費として計上できる明細書を隈なくチェックするAさん。よく見てみると、クレジットカード決済をしている場合に、使用した月と請求月が異なっていることに気づきます。
水道光熱費や通信費など、すべての費用は1月1日から12月31日に使用した分を合計しなければならないのですが、これらがカード決済になっていることで、日付が分からくなってしまったのです。クレジットカード会社によって請求の締め日が違うことに惑わされたり、足りない明細書が見つかったり…そして、再度プリントアウト…経費の計算だけで丸1日を費やしたのでした。
質問のために申告会場へ向かうも…
経費などの計算をなんとか終えたAさんは、申告書を作成するうちにいくつかの疑問点にぶつかります。税務署のホームページを調べても疑問を解決できなかったため、直接問い合わせることにしました。
電話をかけるという方法も考えましたが、自分の解決したい疑問をうまく伝える自信がなかったため、確定申告会場へと足を運びます。そんなAさんが申告会場に到着して目の当たりにしたのは、長蛇の列!仕事の合間に抜けてきたAさんは、結局何時間も待つ羽目に…。安易に夫の確定申告を行おうとした自分が情けなく思えてきました。
次々と改定される確定申告…新しい制度に悩むAさん
新しい法律が制定されたり、制度が改正されたりすると、微妙にやり方が変わる確定申告。毎年のように変更点が出てくることもあります。個人事業主となって何回か確定申告を経験したAさんですが、何度かあった変更点で特に困ったのが、ふるさと納税とセルフメディケーションでした。
ふるさと納税に興味を示したAさん
Aさんは、テレビで話題となっていたふるさと納税に興味を持ちました。ふるさと納税とは、現在納税している自治体とは別の地方自治体に寄付という形で納税する制度。納税者が寄付金の使用方法を指定できることが特徴です。また、納税先の自治体によっては、特産品などがお礼として届くといったメリットがあります。
ふるさと納税には税制優遇があることもメリットのひとつ。所定の手続きを行うと、寄付額のうち2,000円を超す部分の所得税が還付され、住民税の控除も受けられるのです。
Aさんは、ふるさと納税に魅力を感じ、夫とともに複数の自治体へ寄付しました。数多くの特産品が届き、幸せな気分に浸るAさん。開封すると、お礼の品と手紙が入っていました。
大事な書類を捨ててしまい大失敗!
お礼の品にばかり目が向いていたAさんは、手紙をさらっと読んだだけであまり確認をせず捨ててしまいました。確定申告が近づき、ふるさと納税について調べ直し作業を進めていくと、なにやら書類が必要とのこと。しかし、もちろん手元には何も残っていません。そう、手紙の中には、確定申告に提示しなければならない寄付金受領証明書が入っていたようなのです。
仕事が忙しく、申告期限ギリギリで確定申告の作業を行っていたAさんは、急いで納税先の自治体へ問い合わせます。自治体からの返答は、再発行は可能だが郵送となる、期限に間に合うかどうかはわからない…とのこと。ふるさと納税の詳しい申告方法や、寄付金受領証明書が別便で届くことをしっかりと把握せず、はしゃいでいたことを反省したAさんなのでした。
セルフメディケーション税制を試みる
多くの失敗談を持つAさんが頭を抱えた新制度のひとつが、セルフメディケーション税制です。セルフメディケーションという制度は、医療以外における健康の保持や増進、疾病予防などに個人で取り組んだ場合に適用可能で、特定一般用医薬品などを個人で購入した費用の、12,000円を超える金額が控除対象となります。
確定申告にはほかにも、10万円あるいは総所得等の5%にあたる金額の医療費を支払った場合に控除を受けられる医療費控除という制度があります。セルフメディケーションと医療費控除は、どちらかひとつの制度しか利用できないことが特徴です。
セルフメディケーション税制の適用が開始された年、Aさんは子どもを出産しましたが、医療費合計は10万円を超えていなかったため、セルフメディケーションの申請を試みました。しかし、セルフメディケーションで控除を受けるには注意点があったのです。
予防接種は医療費orセルフメディケーション?
セルフメディケーションを申請するには、「健康保険組合や市区町村が実施する健康診断を受ける」「インフルエンザなどの予防接種を受ける」など、指定の健康に対する取り組みが必要。しかし、これらの取り組みを行う費用は控除対象になりません。
当初Aさんは、夫が予防接種を受けていたため、確定申告作業の途中でセルフメディケーションについて確認しておこうと、国税庁のホームページを検索。しかし、説明が理解不能…。申告会場に出向くのが難しかったAさんは、確定申告の相談窓口に電話してみました。
ところが、制度が開始されたばかりで相談窓口側もしっかりと認識していなかったようで、予防接種もセルフメディケーションの対象となるようだと、誤った知識を教えられたのです。Aさんは間違っているとも知らず、安心して申告するも書類は差し戻しとなり再提出。
税務署に文句をいっても仕方ない…とAさんは諦め、確定申告にはしっかりとしたリサーチが必要だと感じたのでした。
失敗を糧に確定申告をマスターしよう
確定申告作業は煩雑で、回数を重ねている人でも間違えることが多くあります。しっかりと調べ、分からないことがあれば早めに相談窓口などで尋ねるようにすると、大きなミスにならないでしょう。
また、確定申告には期限があります。期限が迫ってから確定申告作業を行うと、申告が間に合わないという事態にもなりかねません。Aさんの失敗談を参考に、日頃から確定申告に必要となりそうな書類を整理しておくなど、事前準備を怠らず時間に余裕をもって取り組んでくださいね。
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