医療保険を途中で解約するとどんなペナルティが課されるの?
医療保険に加入しているものの、新しく販売されている医療保険のほうが内容的にもよさそうだったり、保険料の負担が重かったり……。このような理由から、医療保険を解約したいと思っているものの「契約を途中で解約すると、違約金のようなペナルティがあるのでは?」と心配に思っている方が多いのではないでしょうか。そこで今回は医療保険を途中で解約した場合の「ペナルティ」について解説していきます。
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医療保険を解約しても基本的にペナルティはない
医療保険は、携帯電話などの契約と同じように期間を決めて行うもの。携帯電話であれば2年契約のものが多く、その期間中に解約するには1万円近いペナルティ(違約金)を支払うことになっているのが一般的です。
一方、医療保険では契約期間途中で解約したとしても、違約金のようなペナルティが発生することはありません。ただし、解約返戻金のある医療保険の場合、解約する時期によっては解約返戻金の額が少なくなったり、解約返戻金が受け取れなかったりということがあります。
また、健康状態によっては新しく医療保険に加入することができない場合もあり、契約者にとって、まったくペナルティがないというわけではありません。とはいえ、もう続けたくないと思いながら、保険料を払い続けるほうが、ずっと、もったいないことではないでしょうか。
ただし、一度解約してしまうと契約をもとに戻すことはできないため、解約はよく考えたうえで判断する必要があります。医療保険を乗り換える場合には、新しい医療保険に加入できることがわかったうえで元の保険を解約するようにして、保障が切れないようにしましょう。
●クーリング・オフ
医療保険の契約を申し込んだものの、やっぱりもう一度考え直したいという場合、申し込み日から8日(保険会社によって異なる)以内であれば、書面で契約を撤回することができます。
クーリング・オフを行えば、契約は最初からなかったことになり、すでに保険料を払い込んでいた場合でも全額返金されることとなります。
ただし、申し込みの際に医師の審査を受けたり、自分で保険会社に出向いて契約したりして、保険会社の定める期限内に書面を提出できなかった場合には、クーリング・オフは適用されず、通常の解約手続きを行うことになります。
この場合、すでに払った保険料は返金されません。もっとも、クーリング・オフをするようなことがないよう、よく考えてから契約することが大切です。
医療保険を解約した場合の解約返戻金
現在販売されている医療保険では、解約返戻金をなくす代わりに保険料を割安におさえた「無解約返戻金型」の医療保険が主流となっています。
しかし、以前は解約返戻金のあるタイプの医療保険が一般的だったため、いま加入している医療保険に、解約返戻金があるという方は多いといえるでしょう(※解約返戻金の有無は保険証券などで確認できます)。
医療保険を解約した場合、無解約返戻金型の医療保険では保障が終了するだけですが、解約返戻金のあるタイプの医療保険ではお金が戻ってきます。
新しい医療保険の保険料を見た際、いま加入している自分の医療保険の保険料が高いと感じるのは、解約返戻金があることが原因かもしれません。この場合、支払う保険料と解約返戻金の差額が実質的な保険料となるため、一概に保険料が割高とはいえません。
実質的な保険料(それまでに支払った保険料の合計と解約返戻金の差額)を、保障内容が同じで解約返戻金のあるタイプとないタイプの医療保険で比較した場合、契約後5年〜10年目以降に解約するのであれば、実質的な保険料は、解約返戻金のあるタイプの方が割安になることが多くなります。
逆に、それよりも短い期間での解約では、実質的な保険料でも解約返戻金のあるタイプの方が割高となるケースが多くなります。
ただし、解約返戻金はその名の通り、保険を解約した場合(もしくは死亡した場合)にしか受け取れず、保障を続けるのであれば、毎月支払う保険料自体は無解約返戻金型(掛捨型)の医療保険にくらべ割高なことには変わりません。
いまの保障内容に不満があったり、保険料の負担が重いと感じたりしているのであれば、一度見直しを行い、その際に受け取れる解約返戻金を新しい保険の保険料に充てるというのもひとつの方法といえるでしょう。
医療保険を解約して見直す際の注意点
医療保険はいつでも解約することができ、基本的にペナルティはありません。いま加入している医療保険が自分に合っていないと感じているのであれば、その保険を無理して続ける必要はないので、見直しを検討しましょう。
ただし、加入している医療保険を解約して見直す際には注意すべき点もあります。ここでまとめて確認しておきましょう。
●一度解約した契約はもとに戻せない
やっぱり元の医療保険がよかったと思っても、解約した契約はもとに戻すことはできません。そのため本当に解約してよいのかは、よく考えて決める必要があります。
また、新しい医療保険に加入するには、改めて健康状態の審査が必要となるため、加入できないことも。元々の保険契約を先に解約してしまうと、保障がなくなってしまいます。新しい保険に加入できることがわかるまでは、元の契約を解約しないようにしましょう。
●新しく加入する医療保険の保険料は、いまの年齢で計算される
基本的に保険料は、年齢が上がるほど高くなるため、若いころに加入した医療保険にくらべ保険料が上がるケースが多くなります。解約返戻金のある医療保険を、解約返戻金のない医療保険に見直す場合、表面的には保険料が下がっても、実質的な保険料は上がってしまうというケースもあるので注意が必要です。
保険料が下がるということだけをみて見直しをしてしまうと、意味のない見直しとなってしまう可能性が高いもの。保障内容や実質的な保険料などをもとに、見直すメリットがあるのかを総合的に判断するようにしましょう。
●給付金の請求漏れがないかを確認する
これは加入中にも言えることですが、医療保険の給付金は、保険会社に請求しなければ受け取れないため、請求漏れがよくみられます。新しい保険に加入する際に、過去の病歴について確認すると、請求漏れに気付かれるというケースも……。
解約前に給付要件に該当していれば解約後でも請求は可能ですが、契約自体がなくなってしまうと、そのままになってしまう可能性が高くなります。医療保険を解約する際には、請求漏れがないかも確認するようにしましょう。
医療保険はいつでも解約可能、ペナルティも特になし
医療保険はいつでも解約することができ、違約金などのペナルティを受けることもありません。ただし、一度解約してしまうと契約をもとに戻すことはできなくなってしまうため、見直しのメリットがあるのか、さまざまな側面から見て、総合的に判断することが大切です。
プロフィール
証券会社、生損保総合代理店での勤務を経てファイナンシャルプランナーとして独立。RAPPORT Consulting office 代表。より多くの方がお金について自ら考え行動できるよう、コンサルティング・執筆・講師など行っています。【保有資格】1級FP技能士・証券外務員一種/(試験合格)損保大学課程・宅建士・行政書士
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