パッチワークの基礎「覚えておきたい基本技術」について

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揃えておきたい道具

*針

針は縫う目的に合わせていろいろな種類があります。ピーシング針はメリケン針の8~9番。キルティングには細くて短い針を。
アップリケには絹ぐけ針のような細くて長い針が向いています。しつけ掛けには太めで長い中ぐけ針を使います。

*糸

ピーシングには60番の糸が向いています。キルティングにはロウ引き加工された張りのある糸をおすすめしますが、柔らかく仕上げたい場合は、ピーシングと同じ糸を使ってもいいでしょう。
しつけ糸は糸巻きタイプのものと、かせになったものがあります。

*印付け用ペン

2Bの鉛筆が一般的です。濃い色の布には明るい色の手芸用鉛筆や色鉛筆で印を付けると印が見やすくなります。
自然に消えるタイプや水で消せるタイプのペンはキルティングラインの印付けに便利です。

*シンプル(指ぬき)

ぐし縫いとキルティングに欠かせないシンブル。使い方をマスターすれば、きれいな針目になります。
リングタイプは主にぐし縫い用、サックタイプの金属製と革製のものはキルティングするときに使います。

*フープ

刺しゅう枠を大きくしたような形。キルティングするときに枠に布を張って使います。直径30~40cmが使いやすいサイズです。

知っておきたい用語

*「パターン」

三角形や四角形を縫い合わせて幾何学デザインを表現したもの。パターンにはそれぞれ名前が付けられています。

*「ピース」

パターンを構成する三角形や四角形などの布のこと。ピースをぐし縫いで接ぐことをピーシングといいます。

*「ブロック」

ピースをいくつか縫い合わせたもの。出来上がったパターンを指すこともあります。

*「トップ」

キルティングする前の状態の表布。

*「キルト綿」

トップと裏打ち布の間にはさむ平らな綿。密度のしっかりした薄手の綿が適しています。

*「裏打ち布」

キルトの裏布。トップと裏打ち布でキルト綿をはさみます。織り目が詰まっていない針通りのよい布が適しています。
薄地は、キルティングの陰影がトップ側にきれいに出ないので不向きです。

*「アップリケ」

布をまつり付けること。主にたてまつりで縫い付けます。

*「 ボーダー」

パターンをいくつかつないだものの周囲に付ける縁布のこと。

*「キルティング」

トップとキルト布の裏打ち布を重ね、この3層をステッチで押さえること。

*「パイピング」

キルティングしたキルトの周囲やバッグの口の縫い代をバイヤステープでくるむこと。

*「キルティングライン」

キルティングをするための印のこと。

キルト作りの主な手順(タペストリーの場合)

ピースの型紙を作る

型紙で布に印付けをし、布をカットしてピースを用意する

ピーシングしてトップを作る

トップにキルティングラインを描く

トップ、キルト綿、裏打ち布を重ねてしつけを掛ける

キルティングする

周囲の縫い代をパイピングする

キルト作りの前に

*水通し

新しく買った布は、縫う前に水洗いをします。ピーシングする布を同じ素材に統一していても布によって縮み具合が異なるため、出来上がって洗ったときにシワが出ることがあるからです。
また、新しい布に付いている糊が取れて針通りがよくなり、色落ち防止にもなります。大きな布は洗濯機で洗いましょう。
洗ったあとは、生乾きのまま布目を正しながらアイロンを掛けます。

*布目について

実物大型紙にある矢印は布目(地の目)を表しています。布目とは布の縦と横の織り目のこと。布目が縦横正しく入っていれば、布が歪みません。
パッチワークの場合は洋裁と違ってピースが小さいので、横地か縦地のどちらかに布目を合わせればOKです。
バイヤス地とは斜めの布目のこと。縦地か横地に対して45度が正バイヤスです。

型紙を作る

製図した紙、または本からのコピーを糊で厚紙に貼ります。糊は紙が縮まないタイプ(ペーパーボンドなど)をおすすめします。
次に、はさみで線通りに切り、必要枚数、布目、必要に応じて合印を書きます。
※カーブのピースには合印を入れる

印付けをしてピースを裁つ

布の裏に型紙を置き、鉛筆で印を付けます。サンドペーパーを貼った裁ち台の上で印付けをすると布が動きにくくなります。
縫い代は0.7cm位が目安です。縫い代の印は付けずに目分量で測って裁ちます。

対称形ではないピースは型紙を裏返して印付けをする。

ピーシング

ピーシングとは、布と布を縫いつなぐことをいいます。主にぐし縫い(並み縫いのもっと目を細かく縫う方法)でおこないます。

*手順

1.2枚のピースを中表に合わせて印をまち針で留め、角から少し手前(5mm位)に針を入れます。

2.始めはひと針返し縫いをしてぐし縫い。中指にはめた指ぬきで針の頭を押しながら縫います。

3.角の外側まで縫ったら、指で縫い目をならす糸こきを。縫いじわでピースが縮むのを防ぎます。

4.縫い終わりもひと針返し縫いをし、玉留めをして糸を切ります。縫い代を0.6cmほどに裁ち揃えて。

*玉結び

縫う前に作ります。手に持った針先に糸を2、3回巻き付け、親指で押さえながら針を上に抜きます。

*玉留め

縫い終わりの最後の糸が出ている場所に針を置き、糸を2、3回巻き付け、指で押さえながら針を抜きます。

*縫い切り

直線だけで布端まで縫い切るときは、帯同士になるように分割して接ぎます。

*はめ込み縫い

直線で縫い切りができない場合は、印で縫い止め、ピースをはめ込んで縫います。

*「ぐし縫い」のいろいろ

『布端から布端まで縫う』両端とも縫い切りをするときの縫い方。

『印から印まで縫う』両端ともはめ込み縫いをするときの縫い方。

『布端から印まで縫う』印まで縫う側がはめ込み縫いになる場合。

*縫い代の倒し方

縫い代は割らずに片倒しします。倒したい側に向けて縫い目より針1本分程度内側から縫い代を折り、指で押さえてきせをかけます。

縫い代は、強調したい側に倒し、カーブは自然に倒れる側に倒すのが基本です。
そのほかにも同じ方向に倒したり、外側に倒したりなど、パターンによってさまざま。
レモンスター(右)のようにピースが中心に集まる場合は、ひし形のピースを2枚ずつ縫って同じ方向に倒したブロックを作り、上下の帯にまとめて帯同士を接ぎます。

キルティングラインを引き、しつけを掛ける

トップにアイロンを掛けて縫い代を落ち着かせ、表にキルティングの印を付けます。鉛筆を使う場合は濃く描きすぎないように。格子やストライプの線を描くときは、平行線や方眼入りの定規を使うと便利。

トップよりも大きめに裁った裏打ち布とキルト綿を用意し、裏打ち布、キルト綿、トップの順に重ねて手でならします。
まち針で要所を留め、中心から外に向かってしつけを掛けます。上は放射状に掛けた例。

格子状に掛けた例。小物などに。

縫い終わりはひと針返し縫いをして玉留めを作らずに糸を切ります。

キルティング

中心から外に向かって3層を一緒にキルティングします。右手(利き手)にはめたシンブルで針の頭を押しながら縫い進め、左手(受け手)にはめたシンブルで下から針を受け止めます。
フープを使う場合は、縁布を周囲に接ぐと端まで刺せます。【やり方】
針を上から刺し入れ、受け手のシンブルで受けます。
→受け手のシンブルで布を上げて縁で山を作り、利き手のシンブルで針を押して山をすくいます。
→受け手のシンブルを左にずらし、次の山を作って同様に針ですくいます。

2、3針ずつすくい、シンブルで針を押して抜きます。

刺し始めは離れた場所から針を入れ、玉結びをキルト綿の中に引き込みます。
ひと針返し縫いをしてから刺し始め、縫い終わりもひと針返し縫いをして玉留めを引き込み、キルト綿の中に隠します。

パイピング

*額縁仕立て

★キルトの周囲をバイヤステープでくるむときに角を額縁状に仕上げることを額縁仕立てといいます。1.表に周囲の出来上がり線を引き、縫い線を付けたバイヤステープを中表に重ねて印をまち針で留め、角の印まで縫います。印でひと針返し縫いをします。

2.糸を付けたまま針を休め、テープを45度(キルトの角が直角の場合)に折ります。印のきわできっちりと折り、次の辺と平行にするのがポイント。

3.テープを次の辺に沿って折り、印をまち針で留めます。角ではこのようにタックができています。印の上に針を出し、再び角の印から縫います。

4.テープの縫い始めは1cmほど折っておきます。周囲をぐるりと縫い、終わりは折ったところにテープを1cmほど重ねてカットします。

5.縫い代をパイピング幅に裁ち揃え、テープを折り返し裏打ち布にたてまつりで付けます。テープの縫い目を目安にするとパイピングの幅が揃います。

6.角はテープを折り込んで45度に重なるように整えます。重ねたところをひと針まつっておくと安定します。きれいな角に仕上がりました。

*バイヤステープの作り方

【少量のとき】布を45度に折って目安にし、必要幅を印付けします。1cm幅のパイピングなら4cm、0.8cm幅なら3.5cm、0.7cm幅なら3cm必要。パイピング幅が細いほど、布の厚み分を入れて少し多めにします。

テープを縫いつなぐときは、中表に合わせて細かくぐし縫いします。縫い代を割り、はみ出た部分はカットします。

【多量のとき】布を正方形に裁ち、対角線を引いて裁ちます。裁った布を中表に重ねてミシンで縫います。
縫い代を割り、布端に沿って必要幅を印付けします。もう一方の端は印を1段分ずらして中表に重ねて縫います。印をカットすると長いテープができます。

バッグなどの縫い代の始末の仕方

*A 裏打ち布でくるむ

側面を中表に縫い、一方の裏打ち布だけを多めに残して縫い代を裁ち揃えます。次に、残した裏打ち布で縫い代をくるんでたてまつりをします。

*B パイピングで始末する(外パイピングも同様)

カーブの始末に向く方法。2枚を中表に合わせて(外パイピングの場合は外表に)しつけで仮留めし、バイヤステープを中表に合わせて本縫いします。

縫い代を裁ち揃え、テープでくるんでたてまつりします。厚い縫い代もすっきり始末できます。テープは裏打ち布と共布を使うと目立ちません。

*C 突き合わせて始末する

縫い代の厚みが出ないので、平らに仕上げたい場合に向いています。側面を脇で接ぐ場合、 脇から2、3cm分のキルティングを残しておき、トップのみを中表に縫って縫い代を片倒しします。キルト綿を突き合わせて粗くかがり、裏打ち布をまつります。
最後に残りのキルティングを。

アップリケの仕方

*方法A(縫い代を折りながらまつる)

布の表に印を付け、 縫い代を0.3~0.5cm付けて裁ちます。へこみとカーブ部分の縫い代には切り込みを入れます。切りすぎるとほつれるので、印の1mm外側まで。
次に台布にのせ、印に沿って縫い代を針先で折り込みながら、たてまつりをします。

*方法B(形作ってからまつる)

布の裏に印を付けてAと同様に裁ち、カーブ部分の縫い代をぐし縫いします。玉結びは抜けないように大きめに。
次に型紙を裏に当てて糸を引き絞り、アイロンで整え、直線部分の縫い代も折ります。糸を付けたまま型紙を外し、台布にまつります。

基本の縫い方

*ぐし縫い

*返し縫い

*たてまつり

*星止め

*巻きがかり

*はしごまつり

※両端の布を交互に、布端に対して並行にすくう。

ファスナーの付け方

*裏から付ける

パイピングの端とファスナーの歯を合わせ、表に縫い目が響かないように星止めで縫います。
ファスナーの織り目を目安にすると、まっすぐに縫えます。
※脇を縫ってからファスナーを付ける場合は、止まり部分を脇から1cmほど内側にするとすっきり仕上がります。

*表から付ける

上と同様にファスナーを当て、表側からパイピングのきわを星止めします。
糸はトップと同色なら目立ちません。裏まで通して縫うので、より丈夫に付けられます。裏の縫い目は中袋で隠すといいですね。
ファスナー端は千鳥がけで始末します。たてまつりでもいいでしょう。

パイピングコードの作り方

バイヤステープで芯をくるんで作ります。ふっくらさせたいときは毛糸を、しっかりさせたいときは綿ロープやコードを芯にします。
綿ロープとコードはテープではさみながら縫います。毛糸はテープを折って必要幅に縫ってから、通します。側面や底を縫い合わせるときに片側に仮留めしてはさみ付けます。
付け始めと終わりは、なだらかになるように重ねて自然に外に逃がします。

【綿ロープ・コード】

【毛糸】

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