【古ぼけない店舗:大里屋さん】 (現在と15年前の写真を比較)
「四里餅」で有名な飯能市の大里屋さん本店です。建物が新しくなってから約15年が経過しました。青空の写真は先日、「四里餅」を買いに行ったときに撮影した最近の写真・・・。
建物全体が写っている曇りの写真は、竣工当時に撮影したモノなので、約15年前です。長い時間が経過していますが、2つの写真を見比べても、建物は新築当時と、あまり変わらずに古ぼけた印象もうけないように思います。
建物が古びて見える原因には、2つの大きな劣化が関係しているように思います。一つは、「建築材料や部材の物理的な劣化」、もう一つは、「デザインや設計計画の劣化」です。
大里屋さんが古く見えないのは、その2つの劣化が少ないからともいえます。
劣化を防いでいる具体的な要素としては・・・
①屋根の軒が深くて、外壁が汚れたり、濡れたりしにくい(物理的要因)
②耐久性のある日本瓦や外壁吹き付け材を選んでいる(物理的要因)
③店舗のフロントが北向きなので、日焼けや紫外線による建物のダメージが少ない(物理的要因)
④屋根、外壁、窓などすべてが現場製作(手作り)なので、いい意味で時代性がない。外壁サイディングや既製サッシ、照明器具は時代性が表れるので、建物の年代がすぐにわかってしまって、古く感じてしまうことがあるからです(デザイン・計画要因)
⑤オーソドックスな屋根形状、平面計画で、いい意味で時代性を感じない(デザイン・計画要因)
建物の計画は、いつも、建物が完成して長い時間が経過した後のことを想像しながら・・・ちょっとずつ進めています。
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