
【防音対策】ところで防音って何? え? え?って、え?
最近、お家で過ごす時間が増えてきています。そんな中、密集する住宅郡で生活している私たちが、近隣の方々との関係性を良好に維持するためには防音という概念にも目を(耳を?)向けてみるのも良いかもしれません。
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そういえば平日のこんな時間に家に居るなんて事なかったなぁ
近頃は、外食を控えたり、ショッピングに出掛けても必要なものを買ったらすぐに帰宅したり、さらにはリモートワークやオンライン授業など、お家で過ごす時間が多くなっている方も結構いらっしゃる様です。
それによって住みなれた自宅であっても過ごし方や時間が変わっただけで、これまで特に気にも留めなかった "音" に対して敏感になるといったケースもある様です。マンションなど集合住宅にお住まいの場合、更にその傾向も強めの様です。
家の中って基本静か それ故に・・・
例えばどんな音があるでしょうか。別室で鳴るテレビや動画等の音声、階上を歩く人の足音など、勤務中のオフィスや授業中の学校には無かった、若しくは聞こえても気付かなかった類の音です。また長引くステイホームにより楽しむ人が増えたDIYに伴う音もその例外ではありません。
人って勝手なもので、自分に関係の無い音はうるさく感じるそうです。ましてや基本的に静かな住宅街で響く音となると・・・。
近隣の方々との関係性
隣の部屋の身内が動画の音声などを大きめに鳴らしていても、少しボリュームを落としてもらったりする事で問題は比較的スムーズに解決します。しかし、音の出所が別世帯の人などである場合、なかなか言い出し辛いですよね。相手も悪意があって出している音ではない場合が殆んどですし。
または、デスクワーク中に階上からの足音が気になってしまい、キーボードを思わず強くタイピング、階下に住む人が「最近なんかカタカタ音すんなぁ」などと思っていたりする連鎖反応的な例もあります。
やはり共通して言える事は、無意識に出されている音が多いという事です。
個々に音に気を付ける
生活している限り音は出ます。ただ、密集する住宅郡で暮らしているのであれば、近隣の方々との関係性は良好に維持したいですね。音で他人を不快にする事は極力避けたいところです。
とはいえ、テレビや動画は常にヘッドホンで視聴したり、毎日抜き足差し足で家の中を移動したり、鼻歌は本当に鼻だけで歌ったりするなど、"音を出さない" という方向にばかり目を向けてしまうと自身の生活が豊かではなくなります。
そこで考えるのが防音対策、音を出さないのではなく、出した音を小さくするんです。
防音
防音?
「防音っていう言葉の響きからイメージすると "音を防ぐ" 、 "音を漏らさない" 、こんなニュアンスが浮かぶけど、出た音を小さくするって・・・。耳を塞ぐ?」いやいやそれでは自分に小さく聞こえるだけです。
そういえば、そもそも音ってなんだろう。。。なんか○テレみたくなってきましたが、ザックリで良いので音の本質を理解する事で、防音という言葉を具体的に捉える手掛かりになります。
音
音は耳から聞こえます。中には鼓膜があってそれが振動する事で頭は感覚的に音として捉えます。鼓膜を振動させるのは空気の波動です。なので音の正体は空気の波動なんです。(波動とは空間のある点で生じた振動が次々に周囲に伝わっていく現象です)
物質同士がぶつかると振動が生まれます。それが音源です。音源が空気の波動を発生させ、毎秒340m(気温15度ぐらい)の速さで進みます。それが音速です。"マッハ" って言ったりもします。
その波動は空気がある限りずぅっと進む訳ではありません。音源から遠くに行くにつれて振動は薄く(小さく)なっていきます。じゃないと世の中うるさくてしかたないですよね。
液体・固体
実は、振動を伝えるのは空気だけではありません。液体も固体も伝えます。秒速約340mというのは空気中の話で、液体中、固体中ではもっと速くなります。例えば水中だと、秒速約1,500m、鉄だと秒速約6,000mといったところです。それには密度が関係しているのですが、ざっくり言うと硬いものほど音を伝える速度は速いという事です。さらに空気中よりも音は弱まり難く、遠くまで伝わります。
駅のホーム等で、電車がまだ見えないくらい遠くにいる段階で、線路からカタカタ音が聞こえてきたって経験はありませんか。それはまさに、振動の伝わり方の違いがもたらしている現象なのです。
やっほー
空気の波動が進む先に空気じゃない物があったら、ぶつかった時点で伝わり方は変化します。先に鉄は秒速約6,000mで音を伝えると書きましたが、もし空気中に伝搬された音が鉄の壁にぶつかったとしても、それがまるまる秒速約6,000mの速さに加速される訳ではありません。なぜならば、そのまま進み続ける為には、鉄自体を同じくらいの強さで振動させなければならないからです。残念ながら空気中を伝わる音にはそこまでのパワーはありません。ではどうなるかというと、はね返されます。それを "反射音" といいます。
大きい音だったら(振動が強かったら)ちょっとくらいは壁も振動します。その振動は壁の裏側にある空気も振動させます。それを "透過音" といいます。壁の向こう側からもれ聞こえる話し声とかは、この透過音なわけですね。
音速と反射音が解れば "山彦" の説明が出来ます。音は空気中を3秒で1kmくらい進みます。なので山で500m離れた別の山にヤッホーって叫んだらヤッホーは反射音となって帰ってくるまで3秒かかるので「ヤッホー・・・ヤッホー」ってなるわけです。
カポーン
さて、鉄の壁は音をはね返しましたが、音が当ってもはね返されずに吸収されるものもあります。多孔質材料という、小さな細孔が沢山空いた材料で(軽石とかウレタンフォームとかいろいろあります)音がそれに当ると振動は、材料の中に沢山ある空隙の中の空気も振動させる事になります。互いに近い空隙の空気同士が振動する事で摩擦が起き、なんと音のエネルギーは熱エネルギーに変換されてしまします。なので多孔質材料に当った音の幾らかは反射する事もなく透過する事もなく吸収されます。これを "吸音" といいます。
繊維も多孔質材料に似たような感じです。なので引越し前のカーテンがまだ付けられてないお部屋って話し声が響くでしょ。お風呂の中で桶を落としたらカポーンっていうのは壁や天井が硬いつるっとした板で囲まれてるからです。
防音対策
防音
壁ドン
いろいろ、おもしろ科学本みたいな話に付き合っていただいて、ありがとうございました。これで音の正体や大まかな性質についてなんとなく分かっていただけたのではないかなぁ~と祈りつつ本題へ・・・。
"出した音を小さくする" 話、防音対策のお話です。
まずは、お部屋の中の、空気を振るわせた音(声とかスマホの着信音とか)は、ほとんど壁や床に反射されます。音源がさほど大きくない限り、または壁がめちゃくちゃ薄かったりしなければ、外に透過音として出る分は、ほとんど聞こえない程の振動になっています。
次に、お部屋の中で "壁ドン" した音、これは壁自体が振動しているので、壁の向こう側の空気にもガッツリ振動を伝えています。向こう側のお部屋の中も「ドンッ」って鳴ってます。
あれ?なんか気付きましたか?そうです!お部屋の中で出す音は大まかに2種類に分かれるんです。直接空気を振動させている空中音と固体部分を伝わって伝達される固体音です。
どうも一筋縄ではいかないようですね
2つあるって事が分かったので、なんとなく一筋縄ではいかない感じは汲み取っていただけたのではないでしょうか。空気中を進む音が別の物質に当った時の様に、この2つの音同士も、反射したりやなんかで干渉します。なので防音対策には、遮音、吸音、防振・制振、これらを組合わせて行う事が必要になってきます。
またややこしそうな言葉が4つ程出て来ましたが、以下に1つづつ見ていきましょう。
遮音
まずは空中音の対処です。凄く古いアパートとかは、隣の話し声とかが略バッチリ聞こえたりするかもしれません。最近の建物であれば壁とか床も厚かったり、壁と壁、床から天井の間に空間があったりで普通の話し声とかは外に聞こえません。しかし、ピアノの音やいい感じのオーディオが出す音とかは、ちょっと透過音が出るかもしれません。そんな時は・・・
遮音します。そうです。音を良く反射する物質で囲えばいいんです。ホントは鉄板や鉛を壁に貼ったらいいんでしょうけど、そういう訳にもいきません。
"遮音シート" というものがいろいろ売られているので、それを買ってきて壁に貼る。というのが有効な手段です。
吸音
前述の方法では、透過音として外へ出る予定だった音も、殆んどが反射音になります。お部屋はいわゆるお風呂状態です。カポーンです。
ピアノやオーディオはいい音で楽しむものです。お部屋の中で反響させまくっては何にもなりません。だから・・・
吸音します。多孔質材料を使うって事になります。こちらも吸音シートってカタチでいろいろものが売られています。ただし、吸音シートだけでは透過音もまあまあ出てしまいます。なので、壁、遮音シート、吸音シート、って感じの重ね貼り的な使い方になります。
また、製品によっては "吸音シート" と銘打っていますが、ちゃんと遮音シートと貼り合わされて売られている物もあるので、その辺は購入前に良く調べてから買う様にしましょう。
防振
あとは固体音を小さくします。
壁ドンは・・・あれこれ言ってる間に死語になるでしょうし、もうしないようにしましょう。
あと固体音になるものといえば、冒頭で出てきたキーボードのカタカタ音とか、プリンター、洗濯機、椅子を動かしたりする音、電動ドライバーでの作業音、など。これらは大体が床を振動させていますね。空気の振動の様に遮音シートは使えません。床とくっついているから。
じゃあ浮かせておけばいいですが、ずっと手に持って使うわけにもいけません。
・・・ 手に持ってつかう?
確かに手に持ってキーボードを打ったら、階下の人にカタカタ音は行きません。そうです。身体がバネの様にカタカタという振動を吸収しているからですね。固体音を出す様なモノを床に置く時は、振動を吸収するバネの様なものを間に敷けばいいんです。世の中にはとってもいいものがあります。 "ゴム"
いわゆる防振マットなどです。すっごい伸びてもパッと元に戻るゴムの高弾性を利用して、機械とかが出した振動を床に伝わる前にボヨヨヨヨーンと小さくします。また逆に、床の振動から精密機器等を守る という使い方もできます。防振材はゴムだけではなく、フェルトやスポンジなど、他にもいろいろあります。それぞれは置く物の重さなどによって使い分けたりします。
制振
最後は制振です。似てるので解り難いのですが、制振とは機械等が出す振動そのものを小さくするという事を意味します。極端な表現をすると、防振は機械自体はブルブルしたまま、制振は機械自体をブルブルさせない、という感じです。
なぜ振動そのものが小さくなるのかというと、理屈は吸音材と良くにていて、振動エネルギーを熱に変換するからです。
一般に制振材として売られているものは、大体シート状になっていて、硬い物と柔らかい物の2層構造になっています。シップみたいな感じで振動体に貼り付ける様にして使います。
吸音材が多孔質材料の空気同士の摩擦を利用するのに対し、制振材は "振動体" と "拘束(硬い物)層" でサンドイッチされた "粘弾性(柔らかい物)の層" が変形を繰返す時の分子運動を利用します。
制振材は防振材とをセットで使う事が多いです。
対策
あなたは既に防音に詳しい人
長々と書きましたが、お付き合い頂いて本当に有難う御座います。ここまで読んでただいた貴方ならもう、防音対策とは何をすべき事なのか、頭の中は抽象的では無くなっていると思います。
例えば子供がピアノを始めるとしたら、
そうです。空気音と固体音両方の対策が必要です。アップライトのピアノだとすると空気の振動は背面側によく響くので、背面側の壁を重点的に、遮音材で透過音を抑制。そして吸音材で反射音を抑制。さらに固定音は防振材で振動を床に伝えない様にします。
例えばエアコンの室外機がくたびれてうるさくなって来たら、
そうです。階下への振動を抑制し、室外機本体の振動を抑えます。防振材はだいたいはじめから設置してあると思うのですが無ければ足して、本体に制振材を貼り付けます。
ほら、
なるほどそうだね!って感じでスッと入ってきたでしょ?
最後に
以上が家庭で出来る防音対策の予備知識です。いかがでしたでしょうか。今後なにかしら貴方が防音対策をしていく上でのヒントになれば嬉しいです。
但し、こちらで紹介した方法はあくまでも "簡易防音" というものになります。"音を一般的に人がうるさいと感じない程度の大きさに抑える" という対策です。音の聞こえ方には個人差があり、誰にも迷惑をかけずに大音量で音楽を楽しみたい、または、もっとハイレベルな防音が必要な場合、例えば、ピアノ教室を始めます とか ダンス教室を始めます とかであれば、本格的な防音工事が必要になってきますので、そういうのも踏まえて検討してみて下さいね。
このブログを書いたのは
通販チームのweb掲載用グラフィック担当、スキーと文鳥と温泉が好きな一児のおとうさん、ライターの “KURO” です。
パソコンが無いと赤子同然!DIYに携わる部署にいながら手先は不器用!それだけに、DIY初心者の方がどんな所でつまづき易いかが良く分かります。
そんな私が日々お送りするこの記事、初心者の方もそうでない方も、是非是非読んでやって下さいませ!
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