【まついハウス】 色鮮やかな空間の饗宴が心を解き放つ

彩かな色合いが感覚に語りかけ、空へ、庭への広がりが心を解き放ちます
「平和と子どもたちの幸せ」を願い、人生を歩んできた家族の
これまでの歩みとこれからへの思いが込められた建築です

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【まついハウス】の建主は、壁画家とパントマイミストの姉妹です。
2人は、数学教育研究者である父と、絵本・紙芝居作家である母、そして戦争の暗黒の中を乗り越え100歳まで生きた祖母が、命ある日まで暮らした家を建て直して、家族の皆が願い続けてきた「平和と子どもたちの幸せ」への思いを建築にこめたいと考えました。
そうした思いから、パントマイミストの住まいとともに、文化的、創造的な場を建築に組み込みました。
パントマイムができる空間、マイム事務所、壁画家のデザインしたステンドグラス、絵本作家である母の絵本や紙芝居などの展示スペースなどです。
家としての安らぎが感じられるとともに、創造の場として心が呼び覚まされるような空間の実現が空間のテーマとなりました。このことを最も凝縮した空間が、パントマイムも演じられる大きな吹抜のリビングです。
この空間を中心に、ダイニング等の生活空間や、マイム事務所などの仕事の場を展開しました。吹抜空間は上部の2面にステンドグラスを組み込み、その鮮やかな光が空間全体を包みこみ、心が空へと広がっていくような空間にしました。
パントマイムの客席ともなる階段は、空へと思いが導かれるように、軽やかに吹抜を上昇する形にしました。リビングの南は全面に庭が広がり、自然の世界へと自ずと心が開かれるような構成にしました。
室内は、日本の伝統的な色合いであるベンガラ色を基調に、利休鼠や群青色を交え、心が励まされるような色で彩りました。外観は、逆に渋い銀鼠色で統一しました。
静けさの中、内側の世界へと期待が高まるようなたたずまいが、訪れる人を迎えます。
光、風、緑という自然の移ろいと、色彩、造形といった人間の創造的な営みとが織りなす空間の中で、新たな自分を発見する、そういう日々をすごせる建築であってほしいと願っています。

建築概要
所 在 地 :東京都三鷹市
規   模 :2階建
用   途 :専用住宅
敷 地 面 積 :156.03m2(47.2坪)
建 築 面 積 :62.05m2(18.77坪)
延 床 面 積 :103.45m2(31.29坪)
構   造 :木造
設 計 監 理 :プライム/西島正樹
施   工 :江中建設
掲載誌
「建築ジャーナル2020年5月号」
(建築ジャーナル 2020.5.1発売)

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東京の建築家です。「人間の内面と呼応する建築空間」をテーマに、設計活動を行っています。住宅においては、建主の夢や希望を出発点に、住み手の内面が豊かに育まれるよう…

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