入門用のセット竿で楽しむムラソイ狙いの穴釣り【魚別釣り方指南vol.4】

携行性に優れた竿と糸付きのリールがセットになり、主に釣り未経験者の入門用として販売されているコンパクトロッドセット。以前にその特徴やセッティング方法などを解説したが、今回は岩場に潜むムラソイを狙う釣り

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携行性に優れた竿と糸付きのリールがセットになり、主に釣り未経験者の入門用として販売されているコンパクトロッドセット。以前にその特徴やセッティング方法などを解説したが、今回は岩場に潜むムラソイを狙う釣り方を紹介する。堤防や漁港周りでももちろん釣れるが、浅い岩礁帯や大きな石がゴロゴロと転がる「ゴロタ場」と呼ばれる場所のほうが高確率。宝探しにも似た感覚で釣り歩くこの釣りは、大人もハマる不思議な魅力を秘めている。安全装備を万全にしてぜひチャレンジしてみよう。
https://no-vice.jp/article/111073/#i-4

釣りに行く前に覚えておきたいムラソイの基本情報

「ムラソイ」という魚名を知っていて、きちんと見分けられるのはほぼ釣り人。そう言ってもいいくらい、釣り人とそれ以外の人の間で知名度に差がある魚である。市場や漁業関係者の間でも認知度はあまり高くはなく、見た目がよく似ているカサゴやメバルと混同されているケースもしばしば。

生息域は北海道南部から九州までとかなり広域。しかし、岩礁帯や岩陰、浅場の障害物周りを好むため漁業対象になりにくく、ゆえに釣り人くらいしか狙う人がいないのが実情である。

小魚や甲殻類、イソメなどの環虫類を好んで食べる肉食魚で、エサを見つけると大きな口を広げて襲いかかる。大きいものは35cmほどまで育つものの成長自体は非常に遅く、常に竿が入っている場所は小型ばかりが釣れることが多い。食べておいしい魚ゆえ、釣れたぶんだけ持ち帰りたくなるのが釣り人の性だが、20cmに満たない個体は成長と繁殖を願って海に返したいところだ。

ムラソイを釣るならこんな場所!

岩礁帯や岩場、障害物周りを好む魚であることは先に述べたとおり。またムラソイの特徴として極めて浅い場所でも釣れることが挙げられ、水深が20cmほどの潮溜まりでも釣果が期待できる。

特に良いポイントなるのは、上から見て入り口が狭く、それでいて奥行きがありそうな場所。3〜4個の岩が支え合ってできた隙間や、堤防の基礎固めとして敷き詰められた石積み部分などを見つけたら、片っ端から仕掛けを入れてみよう。釣果が出たり、アタリが出たりした穴は時間をおいて探ると再び反応が得られることがある。手当たり次第に仕掛けを入れて、反応が出る穴の傾向を覚えていくと釣果が伸びる。

これを揃えればあとは釣るだけ!必要な道具や仕掛け・エサ

竿とリールはもちろん「コンパクトロッドセット」。この釣りは岩や構造物の隙間をピンポイントに探るので、竿はあまり長くないほうが釣りやすい。1.5〜1.8mが適当だ。道糸は購入時にリールに巻かれているもので十分。

仕掛けに必要なのは、オモリと糸付きバリ、道糸と糸付きバリとをつなぐサルカンの3アイテム。

オモリは中心に糸通し穴が空いている中通しオモリの1〜5号(4〜20g程度)や、鉛球に割れ目が入っている「ガン玉」の3B〜6Bから選ぶと良い。

中通しオモリを使う際は、オモリを道糸に通してからヨリモドシを結ぶ。このタイプの仕掛けはハリが引っ掛かってもヨリモドシの下で糸が切れるため、オモリの消費が抑えられる。

ガン玉を使う際はハリのすぐ上のハリスに固定。オモリの増減が自由自在で状況に応じた重さにセッティングできるのがメリットだが、オモリごと引っ掛かってしまうことも多い。

ハリは糸が結んである「糸付きバリ」が重宝する。形状によってさまざまな種類があるが、「丸せいご」「チヌ」「伊勢尼」などが一般的。ハリのサイズ表記は形状によって異なるが、結んである「ハリス」と呼ばれる糸が3〜5号のものを選べば間違いないだろう。

ヨリモドシは道糸とハリスを接続する金属製の仕掛けパーツ。「サルカン」と呼ばれることもある。こちらもサイズの表記がメーカなどによって異なるため、売り場に並ぶ商品から中くらいを選ぼう。

ヨリモドシを介して道糸とハリスの接続する場合も、以前に紹介した「チチワ結び」を利用して繋ぐのが簡単。先端にできる輪をくぐらせるようにして繋ぐだけなので、初心者でも簡単に仕掛けが作れる。

なお、前々回のアイナメ釣りで紹介した「ブラクリ」を使うのもよい。

小魚や甲殻類など動物性のエサはなんでも食いつく魚だが、オススメは「身エサ」と「オキアミ」。

身エサはサバやサンマの切り身の総称。釣具店だけでなくスーパーマーケットなどでも安価に入手でき、ムラソイの食いもよい。ただし、歯が鋭い危険魚のウツボも食ってくるので、掛かった際はハリスごと切ってリリースしよう。

海釣りの万能エサ「オキアミ」も穴釣りでよく使われる。釣具店ではS〜3Lまでサイズごとに売られているが、大きくて目立つほうがチャンスも高まるのでLサイズ以上を選ぶとよい。身が柔らかく、波や流れに揉まれてハリから外れることも多いので、やや多めに準備しよう。

釣り方の一連と覚えておきたいこの釣りの注意点

釣り方はめぼしい穴を見つけたら仕掛けを落とすだけ。ただし、リールから糸を出しすぎるとオモリが勢いよく隙間に挟まって、回収できなくなってしまう。いわゆる「根掛かり」という状態で、これが頻発するとオモリやハリがいくらあっても足りなくなる。少しずつ糸を送り、固い感触が伝わったらそっと竿先を上げるなどしてオモリを動かす。これが魚にエサをアピールすることにもなるので一石二鳥だ。

ムラソイが食いつくと「グングン!」という感触が伝わり、穴の奥へと引っ張られる。ここで躊躇すれば、魚が穴の奥に張り付いて取り込めなくなるので、強引に穴の外へと引っ張り出して取り込もう。

ポイントとなる磯場やゴロタ場は、ノリや海藻が着いていて非常に滑りやすい。また、水面が近いぶんだけ波の影響を受けやすいので、安全装備は万全にしたいところ。転倒時のクッション性と確実な浮力が期待できる固形浮力材タイプのライフジャケットと、スパイク付きブーツ(シューズでも可)は必ず身に付けよう。

天候や潮汐の確認も怠らないこと。安全を第一に考え、風や波が打ち寄せている場所は必ず避けるべし。また、満潮になると行き来ができなくなる場所も多いので、潮汐表やタイドグラフの確認も忘れずに。

https://no-vice.jp/article/111668/

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