手作りリースで「永遠の幸福」を願うクリスマスを♪プロが教える本格テクニック
もうすぐ迎えるクリスマス。この時期になると、ツリーに飾り付けをしたり、オーナメントをお部屋に散りばめたりして、クリスマスムードを盛り上げる人も多いと思います。最近では、クリスマスリースを玄関に飾るお家も増えていますよね。「クリスマスリースを作ってみたい!」と思っている人もいるのではないでしょうか? そこで今回、フワラーデザイナーさんにクリスマスリースの作り方を教えていただきました。
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まずはリースの材料の準備をしましょう
1級フラワーデザイナー、フラワーアレンジメントの講師資格を持つ草柳江美さんに、クリスマスリースの作り方を教えていただきました。「フレッシュリースを手作りすると、時間は少しかかると思います。でも慌ただしい年の瀬を前に、針葉樹の澄んだ香りに包まれて、ゆったり、じっくりと作業をしていると、自然と心も穏やかになっていくのではないでしょうか」と草柳さん。
今回作るリースは、直径約25cm、材料費はおおよそ3,000〜4,000円です(※花材の入手先・使用量などで上限します)。リースを彩るオーナメントは100均で入手できるアイテムでそろえました。
「オーナメントは、ご自身のお好みで、手芸屋さんや雑貨屋さんなどで探してみるのも楽しいと思います。落ちている木の枝などを使うのもおもしろいですよ」(草柳さん)
それでは、まず材料から見てみましょう。
●使用するもの(土台部分)
・リース台
・モミ1本、ヒムロスギ1本、クジャクヒバ2本
・リースワイヤー(太さは「#23」を使用 )
●道具
・剪定はさみ
・ニッパー(ワイヤーカット用)
・木工用ボンド
ワイヤー(写真・右)は、リース台にグリーンをつけていくのに使います。糸巻き状になっているものが作業しやすいのでオススメです。リース台(写真・左)は今回は100均で購入した直径25cmのものを使用します。他にもいろいろなサイズのものがありますが、初めてのリースづくりでは、グリーンを巻きつけて作業していく際に作業がしやすいので25cmがオススメです。
左からモミ、ヒムロスギ、クジャクヒバ。こちらはフラワーショップや花問屋などで購入することができます。ひと枝のボリュームによって本数は調整します。今回は、モミにプラスして3種類のグリーンで作ります。ヒムロスギは加工がしやすく、柑橘系ハーブのような芳香。クジャクヒバは、葉先が黄色く色づき、グラデーションの色合いを見せてくれるのが魅力です。
準備ができたら、ハサミで根元から枝を落として、バラしていきます。
バラしたクジャクヒバです。切ったらひとまとめにしておきます。
ヒムロスギもバラしていきます。こちらも同様に根元からバシバシと切っていきます。
モミも根元から切り、バラしていきます。モミは切り口からヤニが出てきて手がベタベタとします。気になる人は、薄手のゴム手袋をすると良いでしょう。洋服などにつくとなかなか落ちないので汚れてもよい服装あるいはエプロンなどをすることをオススメします。ヤニはサラダオイルやオリーブオイルで浮かせ、石鹸で洗えば落とせます。
次はリースの土台を作っていきます
葉をバラし終えたら、次はリース台に葉をつけ、土台をつくる作業へ進みます。リースの形には、始まりと終わりがないことから、終わりのないもの“永遠”を象徴するものと言われています。
また、リースの葉は、先端が時計回りなるように配されています。これは葉の先端が時を刻む方向に向くことで「永遠」を表します。とくにクリスマスリースは、キリストの「終わりのない永遠の命」を意味しているのだそうです。葉を並べるときは葉先が時を刻む方向=時計回りになるように意識して作るようにしましょう。
リース台にワイヤーを通し、はずれないように結びつけ、固定します。ココが、葉をつけていく上でのスタート地点になります。ワイヤーを1回巻きつけ、ワイヤーは切らず、そのまま垂らしておきます。
リース台を左手で持ち、左手の中に葉を入れていきます。葉の中心あたりを握るようにして、3種の葉をバランスよく重ねます。その際、必ず、葉の向きは同じ方向にします。方向を逆にしてしまうと、リースの表面に、枝から切り落とした時の切り目が出てしまいます。
また葉を並べる時、リース台の側面と内側にも葉が来るように、リース台が見えないよう180度をグリーンで覆うようにして重ねていきます。側面が薄くなりがちなので、リースの外側→真ん中→内側の順で葉をつけていくと、全体のボリュームが均一になりバランス良く並べることができます。
葉を並べたら、葉の1/4あたりのところに、ワイヤーを内側から外側へ1回巻きつけます。この時、ワイヤーを強く引っ張り、きつくしめます。
ワイヤーを1回巻きつけました。そうしたら左手を少し下へずらし、再び、ワイヤーを1回巻きつけ、先ほどと同様に手の中に葉を並べます。葉を並べたら、ワイヤーを1回巻きつけ、ギュっとしめます。
2回目の葉を置く位置は、1回目の葉の1/2くらいのところが良いです。葉と葉が半分くらい重なるようにすることで、リースを吊るした際に広がってしまったり、リース台が見えてしまったりすることがなくなります。
3回目も同じ手順で葉をリース台に巻きつけていきます。ワイヤーを1回巻きつけ、2回目の葉と3回目が半分くらい重なるところに葉を置き、ワイヤーを1回巻きつけます。
手の中に葉をバランスよく並べて
ワイヤーを強く引っ張り、巻き、しめる。
リース台にワイヤーを1回巻きつけ、葉をのせたまま1回巻きつける。この作業を繰り返し、リース台を1周したら完成です。
だんだんと終わりが見えてきました。
ときどきこうして持ち上げて、全体のバランスをチェックします。気になるところがあれば、ワイヤーをほどいて、気になるところまで戻り、葉のバランスを整えるなどして、やり直します。
あと2回ほどで終わりのところまで来ました。
最後までいったら、巻き始めの葉を少し持ち上げながら、下に隠し込むようにして葉を挿し込んでいき、リース台を完全に覆い隠します。そしてワイヤーで巻き始めの葉をつぶしてしまわないように間をぬってワイヤーを巻き、しめます。
土台ができあがりました。
ワイヤーが見えてしまっているところや、ボリュームが足りないところには、葉を挿し込み整えます。
最後はワイヤーを折り曲げて二重にし、1回巻いたところでねじり留めます。これで土台の完成です。
葉を巻きつけたリースの幅と真ん中の穴の太さが均等になるようにすると、リースが美しく見えるそうです。バランスを整えながら、作業をしていきましょう。
オーナメントはひと手間加えて!
「オーナメントは、ご自身のお好みで、手芸屋さんや雑貨屋さんなどで探してみるのも楽しいと思います。落ちている木の枝などを使うのもおもしろいですよ。お子さんとワイワイしながらオーナメント付けを楽しむのもおもしろいと思います」と草柳さん。今回は、100均で手に入れることができるアイテムを使ってオーナメントも作ってみました。
使ったものはこちらです。松ぼっくりを3種類、ミラーボール(クリスマスツリー用の飾り)、工作用水性ペイント、ビーズ類、リボン、枝、オーナメントワイヤー。
「買ってきたものをそのまま使うより、ひと手間を加えてあげることで、よりいっそう楽しく、キラキラとしたゴージャス感を出すことができます」(草柳さん)
松ぼっくりには、水性ペイントで色付けし、インクが乾く前にビーズを散りばめました。ビーズのほかに、ネイル用のラメも使っています。ペイントはアイボリー、白、赤の3色を使用。白色を彩色した松ぼっくりはよく見かけますが、赤やアイボリーはめずらしいのではないでしょうか。赤はクリスマスカラーでもあり、グリーンのなかでとても映え、アクセントになります。
近所の公園で拾った枝。白で色付けしました。
リボンは、ゴールドと赤の2種類を使います。赤色のリボンの裏に両面テープを貼り、ゴールドのリボンと貼り合わせ、ツートンのリボンにします。
輪を作って重ね、ワイヤーでとめて整形。
松ぼっくりの鱗片のいちばん下の部分にワイヤーを巻きつけます。
長さはだいたいこのくらいでOK。これは土台に挿して固定するためにつけます。
オーナメントがそろったら、リースのてっぺん(吊るしフックをつける場所になります)を決め、オーナメントをどのように置くか考え、それぞれを置いていきます。
すべてのオーナメントの配置が決まったら、ワイヤーに木工用ボンドをつけてリースに挿します。
オーナメントはリースの上部だけでなく、側面にも挿すようにします。そうすることで、いろいろな角度から見て楽しめ、あらゆる角度から見ても美しい仕上がりになります。
ミラーボールを入れることで、松ぼっくりにつけたビーズやラメが光に反射し、キラキラと輝き、とてもキレイです。
側面にもバランスを見ながら挿していきます。
枝にも木工用ボンドをつけて、このように挿します。枝は、リースの丸みに沿わせすぎないように、端が少し外に飛び出すくらいの感じでつけると、枝のしなり加減がナチュラル感を演出します。
いろいろな角度から眺め、バランスを整えます。
完成しました。最後に、リースを引っ掛けるフックをつくります。
アルミ針金(今回、使ったのはブラウン、直径約2mm)の先端を丸めます。
これをリースのトップに挿し、ワイヤーが見えないように葉をかきわけ1周まわし固定します。これで完成です。
もし葉が余った時は、新聞紙を丸めてテープで留めてリース台をつくり、ミニリースを作ってみるのもオススメです。
小さいリースは、輪っかが小さいので少し手が動かしにくいかもしれませんが、要領は同じです。ぜひトライしてみてください。
キリスト教圏の国では、クリスマス前の4週間を「アドヴェント」とし、キリストの降誕を待ち望む期間とされます。この時期に、人々は、新年の幸福を願いながら、リースを家のドアに掛けたり、キャンドルと共にテーブルに置いたり、天井から水平に吊るしたりして飾るそうです。今年のクリスマスは、リースづくりも楽しんで特別なクリスマスを迎えてみてはいかがでしょう。
●取材協力:草柳江美
●花材協力:ふーあん
●写真・文/忍章子
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