下北沢の集合住宅
敷地は下北沢の商店街に隣接した住宅地で、前面道路となる私道には戸建て住宅と集合住宅が建ち並ぶ。正方形に近い土地は西側で接道し、当初は2軒の木造戸建て住宅が敷地の北側に建ち、南側には樹木が生い茂った庭が広がっていた。
この2軒の住宅を解体し、建主が住まう100平米程の住戸と50平米程の6~7戸の賃貸住戸からなる集合住宅に建て替える計画だ。
既存より狭くなっても南側に庭を作ること、建主住戸の部屋数、出窓を設けることと仕上げに関するいくつかの事項が最初の条件とされた。
前面道路向かいの住宅は低層で庭も魅力的であるが、三方囲まれた隣地をみると建物間の隙間は幅も奥行きも明るさも様々で手放しで住戸と関係させる程恵まれてはいない。様々にプランを検討する過程で、隣地建物の隙間と庭を組み合わせ、全ての居室が良好な状態で関係するに足るスペースを作り、それらと様々に関係し合う住戸群を目指す方針とした。
敷地の南側と北東側の2つの小さな庭と道路側のオープンスペース、共用部をひとつながりのスペースとして外部と連続させ、各住戸は出窓も含めた開口部を介してそれらと関係し合いながら周辺に視線が抜けて意識が広がるような住環境を目指した。互いの住戸は近い距離ながらも植栽や出窓の角度で視線をコントロールしながら庭を共有している。
添田建築アトリエ