夫婦サイズの家-夫婦の暮らしにぴったりの家-
子供も独立し、再び夫婦二人での生活になるということで、奥様の実家である45年前に建てられた団地を、夫婦2人で暮らすのにちょうどよい住宅となるようリノベーションした。
階高が低く天井の高さが取れない構造であることと、外部に気持ちの良い緑地スペースが広がっていることを活かして、高さ方向の開放感を追求するのではなく、水平方向の広がりによって「圧迫感」ではなく、「落ち着く」と感じられる空間を考えた。そこで、LDKの床と天井は同じ材料の板(タモ)を貼り、中桟や換気窓の付いていた古いサッシは新しく入れ替え、窓廻りに付属する空調の配管やカーテンレールもすっきりと納めることで、自然と外に視線が向かい開放感が感じられるよう演出した。
間取りは、大幅に変更せず壁や角のラインが揃うように細かく調整し、全体的にシンプルで使いやすい空間となるよう考えた。
廊下から直接見える状態となっていた脱衣場、洗面・洗濯スペース、風呂、トイレはひとつの空間にまとめて、それ以外の場所と明確に区分けした。サニタリースペースの通路側壁面には、洗濯機や生活雑貨、シューズBOX等の収納を新たに設けて、白く染色した木質のパネルで覆い、すっきりと見せつつアクセントウォールとして空間に温かみや柔らかさを演出している。
夫婦それぞれの個室は、部屋として完全に区切るのではなく躯体壁や造作の可動棚、引込める建具などで緩やかに仕切り、開放的でありながら、互いの距離をその時々で選択できるようになっている。天井が低いことで、窓の外の景色が見える開放感が強調され、それぞれの部屋を緩く繋げることで落ち着きと開放感を併せ持つ空間をつくることができた。
aidaho