House K 改築
既存の鉄筋コンクリート造2階建ての住宅を構造体のみ残し、鉄骨造で3階を増築しました。
奥さんが車椅子の生活をおくっているため、通院を容易にするようスロープを設置し、
室内用車椅子の乗り換え用玄関を設け、主な諸室(リビング、ダイニング、キッチン、WC、洗面脱衣室、浴室)は
1階に計画しました。
生活の中心が1階にあるにもかかわらず、道路側以外大きな開口がとれない状況でした。
そこで、1階から3階まで3層の吹き抜けを設け、1階まで光を導く様にしました。
2階にはピアノスペースを設け、ピアノの音色が吹抜けを通して各階に聞こえる様にしました。
この空間は「廊下」とも「部屋」とも違う「曖昧な空間」です。
この「曖昧な空間」は生活にゆったりとした雰囲気を与えます。
また敷地北側が緩やかな傾斜になっており見通しがよいので、3階にサンルームとテラスデッキを設けました。
上部に3層の吹抜けがあることから、リビングに床暖房を採用しました。
井戸健治 / 井戸健治建築研究所