【28年前の建物ですが、なにか・・・?(建物の時代性について)】
最近は仕事の合間に、昔の建物のポジフィルムを、ちょっとづつデジタル化しています。日立市の鹿島灘に向かって建っているこの別荘、実は28年前に竣工した建物です。
約30年の長いスパンで改めて見てみると、「家づくり」の時代を超える大事な要素がわかってくるような気がします。
建物の外壁によく使われるサイディングや建具などの既製品、建築の新素材やデザイン、新しい工法など・・・、建築の定番や常識などが時代によって変わっていきます。
音楽やファッションと同様に、その時代の雰囲気や流行というものもあり、すぐに作った時代がわかってしまう場合があります。時代を感じるということは、イコール古く感じてしまうことでもあります。
そのときどきに消費されてしまう流行のようなものでなく、本質的なモノなのか・・・。長く住み続けるスパンの長い家は、そういうスタンスで考える必要があると思います。
その正解が何なのか・・・?考え出すと、とても難しい問題ですが、次のことは言えるかもしれません。
① 昔から現在まで、残っている歴史に証明された材料や方法を用いること・・・。
② 作り手の工夫や手間を使った、ハンドメイドで作ったもの。
③ FAKEな材料は、なるべく目立たないように使い、経年変化がたのしめる本物の素材の材料を使う。
④ 劣化、汚れなど、耐久性を考慮にいれて、材料やカタチを選択する。
⑤ 意味のないデザインをしない。(他の人に、なぜそうしたのか、説明できないことはしない。)
今、作っている建物がこれから30年後どうなっているか・・・、ちょっと楽しみになってきました・・・。
(株)独楽蔵 KOMAGURA