火災保険の基礎知識 知っておきたいポイント(その1)
多くの方は、住宅購入時に火災保険の契約をしています。しかし、住宅購入が進んでいきますと、様々な手続きに追われます。そのため、数多の手続きの一つとして、勧められるまま、あわてて契約に至るケースも少なくないようです。何もない時に基礎知識として知っておいていただければと思います。
しかし、火災保険はただ入りさえすればよいというものではありませんし、どの商品も同じというわけでもありません。わが家のリスク状況に合った、適切な火災保険を選ぶことが、本当の安心につながります。
ココでは、マイホームが各種火災による被害を受けたとき、わが家はどのような状況に置かれるのか、そしてそれに備えるための火災保管はどのように選べばよいのかを確認していきます。住宅購入時の諸手続きに先立って余裕をもって検討しておけば、わが家にフィットしたリーズナブルな火災保険を選ぶゆとりも生まれます。
隣家の失火による延焼被害でも賠償請求はできない
火災保険の内容を検討する前に、まず知っておいて欲しいことがあります。それは、各種災害で住宅や財産に損害を受けた場合、国や自治体からの被災時の支援は限定的で、自力再建が原則であるということです。
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まずは火災ですが、あなたが火災を発生させなかったとしても、隣家の火災でマイホームに損害を受ける可能性があります。しかも、隣家がうっかり発生させた火災させた火災で損害を被っても、火元の隣家に賠償請求出来ないのをご存知でしょうか。
これは、民法の特別法である通称「失火責任法」で、火元が故意または重大な過失で発生させた火災でない限り、延焼先に対する賠償責任は負わなくてよい、と定められているためです。
延焼に至らずとも被害を受けることはあります。近隣住宅の火災を食い止める消火活動のためにマイホームが破壊されたり、近隣住宅の消火活動によりマイホームに深刻な水濡れ被害が生じるなどです。しかし自分に全く落ち度がないこうした被害でも、誰からもカバーは受けられません。こうした被害への準備をなんもしていなければ、マイホーム、そして家計は、将来にわたり非常に大きなダメージを被ることになるかもしれません。
自然災害で被災しても公的支援は限定的
また、自然災害の場合も同様です。近年では、東日本大震災はいうまでもなく、それ以外の風水害や竜巻などの自然災害が各地でたびたび発生しています。しかし、こうした自然災害で住まいを失っても、国や自治体からの支援は限定的なものにとどまるのです。
一定規模の被害をもたらした被害については、「被災者生活再建支援法」が市区町村単位で適用されます。この法律が適用された自治体の一定の被災者は、被災者生活再建支援制度による支援金が給付されます。
支援金の給付の仕組みは2段階で、住宅の被害程度に応じて全壊100万円、大規模半壊50万円の基礎支援金、そして住宅の再建方法に応じて50万~200万円の「加算支援金」が持ち家・賃貸問わず給付されます。(単身世帯の支援金の額は4分の3)
つまり、住宅が全壊等した申告な被災世帯には支援金が給付されるとはいえ、その額は最大でも3000万円にとどまるのです。
「自力再建」が原則だからこそ、火災保険・地震保険で備えを
被災時の支援がこのように限定的なのは、マイホームや家財は私有財産であり、個人の資産形成を税金により補填しないという政府の考えに基づいています。ですから火災にせよ自然災害にせよ、自分に落ち度のない災害で被害を被っても、暮らしは自力再建が基本。
これが私たちを取り巻く現実であることを、まずは認識する事が大切です。
こうした理由から、種々の災害への曽根として、火災保険(あるいは共済)は誰もが必要とする優先度の高い保険と言えるでしょう。
ですから、火災保険を検討する際は、この「自力再建」大前提を知ったうえ、検討していただければと思います。
次回、より詳しい内容をまたお伝えしていきます。
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