地震保険は賃貸物件にも必要?加入するなら家財保険!その理由とは
進学や就職、転勤などで新しく賃貸マンションや賃貸アパートなどを借りる際、火災保険には必ず加入すると思います。ですが火災保険は、地震や噴火などの災害による火災は補償の対象外であることをご存知でしょうか?大地震などに遭った際に助けになるのは、地震保険です。賃貸物件に住む場合も地震保険は必要なのでしょうか?また家財保険というものもありますが、どういった保険なのでしょうか?賃貸物件に居住する際、地震保険に加入する方法やポイントについて解説していきます。
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■プロフィール
金指 歩
法学部政治学科出身・元信託銀行勤務のフリーライター・ブックライター。神奈川県出身。FP3級を大学在学時に取得。金融系全般、女性のライフスタイルをテーマとした記事を中心に執筆している。
地震保険と火災保険の特徴! 地震保険と賃貸
まず、地震保険と火災保険の特徴について簡単にご説明します。
地震保険
地震保険とは、新しい住宅を買ったり借りたりしたときに火災保険と一緒に加入できる、地震災害専用の保険のことです。生命保険や火災保険など他の保険商品と違って、「国」が主導で運営されているのが特徴です。
そのため、保険会社による補償の差や金額の違いは特になく、どの会社から加入しても同じ補償内容になっています。
また、地震保険料控除といって、地震保険料の加入期間の間に、所得税と住民税の負担を軽減できる制度も用意されています。所得税は最大50,000円、住民税は最大25,000円を自身の所得額から控除できます。
賃貸物件に住む際の地震保険への加入は、居住者が自由に決められます。建物部分はオーナーの所有ですので、居住者が地震保険をつけられるのは家財部分のみになります。
火災保険
火災保険とは、火災や落雷、盗難などのさまざまなトラブルによって、住宅や家財が被害を受けたときに補償を受けられる損害保険です。その補償内容は各保険商品によって異なります。
賃貸物件に住む際は、火災保険への加入が必須となっており、大家さんが指定する火災保険の保険料が初期費用の中に含まれていることも多いです。
地震保険と火災保険の違い! 賃貸にも必要なの?
地震保険には本当に加入した方がいいのでしょうか?火災保険と地震保険の違いについて見ていきましょう。
保険金が下りる条件
火災保険が下りるのは、火災・破裂や爆発・落雷・風災・ひょう災・雪災・水濡れ・物体飛来・騒じょう・盗難などです。商品やプランによって内容は異なります。
一方で地震保険は、地震・噴火・またそれによる津波が原因で起こる、火災・損壊・埋没・流失を補償します。
火災保険は火災すべてが対象と思われがちですが、地震による火災だけは対象外であることに注意が必要です。
補償される金額
火災保険によって補償される金額は、加入する保険によってまちまちですが、例えば建物部分に対して2,000万円、家財部分に対して200万円など、もう一度住宅や家財を購入できるくらいの金額を補償してくれます。
対して地震保険は、建物の損壊状況が全損・大半損・小半損・一部損のどれかに当てはまった場合に支払われますが、火災保険の30%〜50%程度の補償しか下りません。これは、地震保険は被災者に完璧な補償をするというよりも、「被災者の生活が少しでも安定するように」という目的で作られているからです。
平均的な保険料
火災保険の保険料は、加入する物件の条件や保険会社のプランによって、1年当たり8,000円〜20,000円程度と、かなり差があります。
地震保険も同様に、物件の条件によって差がありますが、1年当たり20,000円〜30,000円程度が目安です。耐震対策のある新築マンションなどは保険料割引の対象になっており、割安で地震保険に加入できる場合があります。
賃貸物件における地震保険の目的
賃貸物件に地震保険をつける場合はどうすればいいのでしょうか。
賃貸物件の場合、建物部分はオーナーさんの所有物です。そのためあなたが地震保険に加入する必要はありません。万が一地震に遭った場合でも、建物を住み替えればいいからです。
賃貸物件に住むときに地震保険に加入するなら、あなたの大事な所有物を守ることができる「家財保険」を検討しましょう。
家財保険とは
家財保険とは、家電や家具など、あなたが部屋の中に所有しているものが火災や盗難などのトラブルに遭った際に、損害を補償するための保険です。
家財保険の補償範囲は商品によって異なりますが、以下のような2種類があり。基本的にはこのどちらも自分の判断で加入することになります。
●火災・落雷・風災・盗難などの際に補償する、火災保険に準じた家財保険
●地震・噴火・それに伴う津波などの災害被害に対して補償する、地震保険に準じた家財保険
地震保険の家財保険に入れば、あなたの所有する家財一式は補償の対象となります。
しかし例外もあり、1個または1組の価額が30万円を超える貴金属や骨董品、株式、自動車などの高額なものは、補償の対象外となります。
家財保険に加入した方がいい人とは
家財保険について理解していただけたところで、次に家財保険に加入するかどうか迷うかもしれませんが、特に下記の2点に当てはまる方は加入をおすすめします。
1.大事な家財を所有している方
自分が所有している家財で、30万円には至らない高価なものや、価値が高い思い出の品などを持っている方は、いざ火災や地震などで家財が破損したときに経済的にも精神的にも大きなダメージを受けてしまう可能性があります。当てはまる人は家財保険に加入して、そのダメージを軽減できるように対策しておいた方がいいでしょう。
2.預貯金が少ない方
日頃から預貯金が少ない方は、万が一火災や地震などに遭った際、新しく家財を買い直すことが難しくなる可能性があります。そのため、家財保険に加入しておき、万が一のときに補償を受けられるようにしておいた方が安心です。
賃貸物件における家財保険への加入方法。地震保険と賃貸
では、地震の際にも補償される家財保険に入るにはどうしたらいいのでしょうか?
地震保険は、火災保険のオプションとして加入する形になっています。そのため、まず火災保険に準ずる一般的な家財保険に加入し、そのオプションで地震保険特約をつけてください。
最近は単独で加入できる地震保険も登場していますが、そういったものでは賃貸物件は対象外になっていますし、単独で入れる地震保険に準ずる家財保険というのは今のところ発売されていません。
ですから賃貸物件への入居時に、火災保険と一緒に家財保険と地震保険にも加入するかどうかを検討した方がいいでしょう。
賃貸物件でも地震保険を賢く利用しよう
賃貸物件に住んでいても、地震による被害で経済的・精神的に被害を受けることはもちろんあります。家財保険に加入しておくことで、万が一の際に補償を受けることができるので、被害を最小限に食い止ることができます。準備をしておいてはいかがでしょうか。
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