
300年前の街道沿いの地割を現代の定食屋に活かすリノベーション
築45年の木造建築の定食屋へのリノベーションである。300年前にできた旧街道沿いの敷地周辺に残る建物とその背後に広がる農地の地割を現代の店舗に活かすことを試みた。従来の玄関を出口、入口を勝手口とし動線を逆方向かつ一筆書きに修正し、お客の動線が300年前の動線をなぞるようにした。また元農地の駐車場の奥の家の庭を街道から借景することで、通風を確保しながら従来あった地割の存在を可視化させた。
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◎300年前の街道沿いの地割を現代の飲食空間に転用する
敷地は旧甲州街道に面するが、17世紀にこの道ができてから短冊状に伸びた地割が残存する。当時は街道沿いに町家、裏に農地、通り土間で連結、という構成が一般的だった。敷地裏に過去の農地の名残で広がるだだっ広い駐車場を活かし内部の奥にガラスの扉を設けて通り土間のような空間とした。外からの光を反射、増幅するのは床に流し込まれたエポキシ樹脂であり、ここでも新旧を織り交ぜた。施主の要望である「30年後も残る店にしたい」という要望に対し、数百年継続した地割、空間を現代の飲食店に転用する操作によって回答したいと考えた。
◎かつての動線を逆方向に
お客の動線を勝手口から入り街道沿いの入口から出るようにし、以前の店舗の動線と逆方向、かつ一筆書きにした。それにより間口の狭さによるお客同士の動線交錯を防ぎながら300年前に行われていた街道から農地への人の往来を復元した。そのトンネル状の動線空間は視覚的には40M先の大家の庭まで拡張され、人の往来、通風を促す。お客は来店時、トイレ使用時、着席時、退店時にこの動線を経験する。座る、立つの頻度が多い飲食店で300年前の動線をなぞることが、この店が地割、そして地域に根付くきっかけになると考えた。
◎「昭和レトロ」感に頼らないための仕上げとディテールの納まり
既存建築にはいわゆる「昭和レトロ」な印象を容易に形づくれそうな要素が散見されるが、その要素を残しながらもそのスタイルを連想させない状態を作る事が流行の変動に揺らがない空間に繋がると考えた。「昭和レトロ」感を生みだしているのは、古めかしい素材や工法、納まり、パターン、色等のセットだろう。そこでそのセットのいずれかを取り出し目新しいものにすり変える、あるいは新たに挿入する要素内にコピーし既存の要素に隣接させる。それらの操作の反復によって要素による分節と新旧による分節が一致しない状態を作ることで、空間から「昭和レトロ」感を抜こうとした。
















・入口を勝手口から設けることで、お客の動線の交錯を防いだ。
・勝手口を待合として利用し、夏場は飲食できるようにした。
◎断面での操作
・扉の開口部の高さにより、お客のプライバシーを保ちながら街道から駐車場の先の大家の庭を借景できるようにした。
・勝手口の床を上げて、待合時に駐車場上部の開放的な空間を感じられるようにした。
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