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季節に応じた自然でできる工夫

昔から自然と共に生きる事の得意な日本人は、住まいの近くに落葉樹を植えて、葉が茂る夏は日差しを遮り、落葉する冬は日差しを得る事をうまく利用していました。建物だけでは四季の変化に対処しきれないことを謙虚に受け入れて、どうしたら自然の力をうまく使って快適に暮らせるか、工夫を重ねてきたのです。

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昔から自然と共に生きる事の得意な日本人は、住まいの近くに落葉樹を植えて、葉が茂る夏は日差しを遮り、落葉する冬は日差しを得る事をうまく利用していました。建物だけでは四季の変化に対処しきれないことを謙虚に受け入れて、どうしたら自然の力をうまく使って快適に暮らせるか、工夫を重ねてきたのです。

ヨーロッパでは窓の少ない石造の家で厳しい冬を乗り越えます。夏は乾燥しているため、それでも過ごせるのです。一方で東南アジアでは夏の高温多湿をしのぐ為に柱に屋根を乗せただけの、壁の少ない風通しの良い家で過ごします。四季の気温差の大きい日本では、衣服のように、家を夏と冬で建替えることができません。両者の性質を併せ持つ家を造るために、いったいどうすることが一番なのでしょうか。

現在、日本では高気密高断熱の住宅が国から推奨されています。国土交通省が1999年に住宅の断熱や気密、冷暖房に関する次世代省エネルギー基準を定めました。家庭で消費されているエネルギーの63%が冷暖房と給湯といわれるため、住まいの断熱性能を上げて、これらのエネルギー消費を抑えようという狙いがあります。
高断熱高気密住宅のポイントは、熱と空気の出入りを「断熱・気密・換気」によってコントロールし、最小限のエネルギーで快適な温度を保つことにあります。床、壁、天井を断熱材ですっぽり覆い、気密の高い窓やドアを使って内部の熱(夏場は冷気)を逃がさないようにする事。そして換気扇などを使って汚れた空気を外気と交換するのです。
春や秋のように、季節の良い時期には光、風といった自然エネルギーをフルに利用し、それだけでは対応しきれない夏や冬はエアコンなどを使って、温度差を小さくして室内を快適に保つのです。コートの中に、冬にはほのかに暖かいカイロを、夏には保冷剤を忍ばせているイメージです。

しかしどんなに高気密高断熱をすすめても、実際のところ、特に夏場は窓からの換気、通風は欠かせません。家の南北に風の通り道ができるように間取りを考えることは重要です。また、温められた空気が上昇することを考慮して、南側と北側に互い違いの高さで窓を設けるなど、窓の開閉方式や位置にも十分気を配って計画したいものです。また、カーテンやブラインド、ルーバーなどでも日差しの入り方を調節できます。夏場の南窓面には、つる性の植物を育ててグリーンカーテンにするのも一案です。エアコンや換気扇に頼りすぎずに、自然の力をうまく活用する事で消費電力も節約できます。

日本の家には温帯湿潤気候に合わせて昔からさまざまな工夫があります。暑さ、寒さへの対策はもちろん、雨や湿気の多いアジア的な気候は雨仕舞という伝統もうみだしました。
その1つが軒(のき)です。よく屋根が外壁よりも約90cmほど飛び出すように造られているのを目にするはずです。伝統的な日本家屋には3尺(約90cm)の軒の出があるというのは日本の年間の太陽高度に驚くほど合った寸法で、夏の高い日差しが室内に入るのを防ぎ、冬の低い日差しを家の内部に取り込む事ができます。
また、軒は外壁に雨や雪がかかるのを防いでくれるため、永い目で見てメンテナンスの費用も抑えられます。
ちなみに、この「軒」、東京五輪のメインスタジアムのデザインコンセプトにもなっています。
新しい素材や断熱材、気密サッシ、空調設備が次々に開発される中で、法令や性能の基準も変化しています。その情報をつかんで理解することも必用ですが、何千年という間に日本に生まれた普遍的な四季への対処の仕方を知る事も、良い家造りのヒントになるかもしれません。

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建築家としてコミュニケーションプランを作図。りんごスタジオとしてワークショップを各所で開催。「COOL WOOD JAPAN 木材がつくる居心地の良い空間」掲載…

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