庭木として楽しむハナミズキ。きれいな花を咲かせるための育て方

街路樹としてよく見かけるハナミズキ。庭木としても人気がある樹木です。家庭用として3m程度で管理できる手ごろな種類もあり、室内鑑賞用として鉢植えでの生育も可能です。四季折々の彩を楽しめるハナミズキの花をきれいに咲かせるためにも、覚えておきたい上手な育て方についてお伝えします。

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ハナミズキの由来

ハナミズキといえば、歌手である一青窈さんの歌のタイトルとしても良く知られていますよね。

この木は、もともと、アメリカからやってきたもの。明治末期、当時の東京市長がワシントンDCに住む親日家へ桜の苗木を贈ったところ、そのお返しとして贈られてきたのが「ハナミズキ」です。日本人が桜を好むように、ハナミズキはアメリカの人が好む花だと言われています。

和名で「花水木」と書かれるこの木は、日本にも自生するミズキ科の樹木の仲間でもあり、「美しい花を咲かせるミズキ」という意味を込めて名付けられたと言われています。また、別名を「アメリカヤマボウシ」、学名を「Cornus Florida(フロリダのミズキ)」とされているとおり、アメリカから渡ってきた品種であることがわかります。

ハナミズキの特徴

赤や白、ピンクといった美しい色が特徴的なハナミズキ。適応性があり、公害にも強いことから街路樹や公園の並木として利用されることが増えています。

春先に開花し、秋には落葉するハナミズキは、季節ごとの変化を楽しめる樹木でもあります。4月頃の開花時期には、大きな花を咲かせたように見えますが、花弁に見えるのは、実はつぼみを包む葉にあたり、実際の花はその奥にある小さなもの。

総苞(そうほう)とも呼ばれるもので、いわゆるガクの部分が大きく広がって花のような見た目を作っています。花もちは短いものの、樹木全体が色づくほど咲く花は見ごたえがあります。10月頃には赤い実がつくなど、四季折々の表情があるのも、ハナミズキの特徴といえます。

ハナミズキの育て方

ハナミズキは、とても丈夫で、よほど乾燥させなければ長く楽しめる観葉樹木です。
日当たりの良い場所を好み、寒さに強いため、庭木としても育てやすいもの。放っておくと、10mほどの木立となりますが、剪定しながら整えることで、室内での生育も可能です。

強すぎる直射日光を避け、明るい日なたで育てるのが理想的です。室内の暗い場所や軒下のような半日陰でも育ちますが、花つきはあまりよくないようです。比較的、乾燥にも強いタイプですが、強すぎる乾燥が続くと、弱ってしまいます。

水はけの良い場所に植え、定期的な水やりを行いましょう。夏場の生育期には、土の表面が乾いたらたっぷりの水を与え、冬場は控えます。風通しが良い場所が好ましいのですが、吹き抜けになりすぎるのもNGです。

特に蒸しやすい梅雨の季節には、風を通すこと。うどんこ病にかかりやすいため、長雨の前に消毒を行うといった害虫対策をするとよいでしょう。

ハナミズキの種類

ハナミズキは、その花や葉の色によって、さまざまな種類があります。ヤマボウシの交配種など、日本に自生する品種と掛け合わせた育てやすいものも増えています。

➢ チェロキー・チーフ
街路樹によく使われるチェロキー・チーフ。花付きがよく、古くから親しまれています。濃い赤色の花と、緑の葉とのコントラストが美しく、観賞用としてもおすすめ。ベニバナハナミズキの一種です。

➢ チェロキー・サンセット
チェロキー・チーフと同じく、ベニバナハナミズキの一種で、濃いピンクや赤色の花が咲く品種です。葉には黄色い斑が入るのが特徴的で、秋の紅葉も美しい色合いを保ちます。


➢ レッド・ジャイアント
濃い赤い花が特徴的なレッド・ジャイアント。日本生まれの品種で、国内での生育条件が合いやすく育てやすいタイプです。若木のうちから花がつきやすく花ツキも良いため、観賞用として人気です。

➢ クラウドナイン
大輪の白い花をつける代表的な品種です。花付きが良く、落葉も楽しめます。若木の頃は、見た目もスッキリとした円錐形に育ち、成長に伴って横に広がる性質があります。北海道のような寒冷地でも育つもので、日本全国での生育が可能です。


➢ レインボー
白色の花がつき、チェロキーサンセット同様に、葉には黄色の斑が入ります。成長は遅い傾向にありますが、花付きは良い方です。秋には緑色の葉が赤くなり、残った黄色い斑とのコントラストが美しく冴えます。高く育つため、庭植え用としておすすめです。

➢ ジュニアミス
花に見えるガク部分の中心が白く、外側が柔らかいピンクの色に変わる品種です。若木からでも花付きが良く、中型の鉢でも育てやすいのが特徴です。秋になっても、葉の紅葉しにくく、冬になっても落ちにくい傾向にあります。花を楽しむ品種といえるでしょう。

そのほか、枝が垂れ下がるペンジュラの変種や、日本在来種であるヤマボウシと交配したミスサトミなど、多くの種類があります。

ハナミズキは挿し木ができるの?

ハナミズキは、接ぎ木や挿し木、種まきによって増えていきます。剪定した枝を利用して挿し木にする方も多いかもしれません。

ハナミズキを挿し木で増やす場合、生育期となる6月~7月頃に、その年に出た新しい枝を切りとって使います。赤玉土などの水はけの良い土を選び、挿し木を行います。ただし、ハナミズキの場合は、挿し木による発根の可能性は低いとされており、成長も遅くなりがちのようです。

ハナミズキを増やすなら、種から苗を作るか、接ぎ木がおすすめです。秋につく赤い実が熟すまで待ち、中に入っている種から育てます。果肉部分をきれいに取り除いて使用しますが、種は乾燥してしまうと発芽しないため、すぐに植え込むか、肥料を入れた水につけて管理します。

種から育てる際には、花が咲くまでに5年以上かかるともいわれていますが、数十センチまで伸びたら、接ぎ木の台木として利用するとよいでしょう。

接ぎ木を行う場合には、3月頃が最適とされています。種から育てた台木を利用することで、オリジナルの品種として育ちます。しっかりと根付くまでは、乾燥しないように全体を土で覆い、小まめな水やりを行ってください。

ハナミズキの花言葉

ハナミズキの花言葉として、「華やかな恋」「私の思いを受けてください」といった意味があるようです。樹木全体に咲き誇る美しい花の姿は、女性的と言えるかもしれません。

一青窈さんの歌のなかにも、愛情を歌うような表現が多く出てきます。こうした花ことばの意味も含めて、作られたのかもしれませんね。

そのほか、ハナミズキが日本に来た由来を受けて「返礼」という意味もあるのだとか。大きく育つハナミズキはプレゼントとしては選びにくいものですが、自宅に植える時にはそんな思いを巡らせてみてはいかがでしょうか?

季節ごとの表情が変わるハナミズキ

春には花が咲き誇り、秋には赤い実をつけ、紅葉して落ちるハナミズキ。種類も豊富で、それぞれに色の違いや紅葉の差などがあります。

観葉樹木であり、手軽に増やせるものではありませんが、種や接ぎ木から時間をかけて成長させるのも楽しみの一つと言えるかもしれません。品種によっては鉢植えでの生育も可能ですが、一年を通して、さまざまな変化を楽しめるハナミズキだからこそ、自然な姿を楽しむ庭木として、広い場所で育ててあげたいですね。

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