
生命保険で滞納してしまった!解約になってしまう?対応策はある?
生命保険の保障を受けるためには、加入契約を結ぶだけではなく、毎月の保険料を支払い続けることが必要です。では、生命保険の滞納をするつもりがなくても、保険料の支払い日に銀行口座に資金を補充し忘れために保険料の引き落としができなかったら、すぐに解約されてしまうのでしょうか?
実は、保険料の支払いを一度忘れただけで、すぐに解約となってしまうわけではありません。もちろん、忘れずに保険料を納めるに越したことはないのですが、生命保険の滞納をしてしまった場合に何が起こるのか知っておけばより安心できるでしょう。
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保険料を滞納してしまうと、どんな事態になるか
生命保険の保険料を一度滞納しただけで、すぐに保険そのものの効力がなくなるわけではありません。
保険会社ごとに「払込猶予期間」が設けられていて、その期間内に支払いを行なえば、保険契約が失効することは防げるのです。
払込猶予期間は、保険会社によって、あるいは月払いか、半年払い・年払いかによっても違いますので、保険証券や約款などを確認しておきましょう。
保険料の支払い方も様々で、保険会社の指定口座に振込む方法、口座振替、保険会社の店頭窓口で支払う方法、生命保険会社から送付される振込用紙・払込用紙を使ってコンビニ・金融機関等で支払うなどの方法があります。滞納してしまったと気づいたら、担当者やコールセンターに問い合わせて、保険料を支払う方法を確かめましょう。
●滞納中に万が一の事態があったら?
保険料を滞納していても、保険契約そのものが有効な期間中に契約している人が亡くなるなどの事態が起こってしまったときは、保険金を受け取ることはできます。ただし、本来給付される保険金の金額から、滞納していた分の保険料や自動振替貸付の返済金額などが差し引かれることになります。
●生命保険が失効する前に気づくチャンスはある?
生命保険の保険料を銀行口座から自動引き落としで支払っている場合、そもそも「残高不足になっていた」ということに気づかず、保険料を滞納してしまうかもしれません。
そのような場合は、保険会社からハガキなどで連絡がありますので、事後になりますが気づくチャンスはあります。
また、保険料を支払わないまま時間が経ち、払込猶予期間を過ぎそうになった場合、保険会社や担当者から事前にハガキや電話などで連絡がありますので、払込猶予期間内に保険料を支払いましょう。
ただし、引っ越しなどで契約者の住所、電話番号が変わっている場合は要注意です。連絡に時間がかかったり、そもそも連絡が届かないという事態も考えられるからです。
自動振替貸付について知ろう
自動振替貸付は、解約返戻金があるタイプの保険に加入している場合に、解約返戻金の範囲内で保険会社が保険料の支払いを建て替えてくれる制度です。すべての保険で利用できるのではなく、次のような条件がそろっている場合に利用できます。
・保険会社が自動振替貸付制度を設けている
・その時点で解約返戻金が必要十分な額だけある
自動振替貸付は有利子での貸付なので、返済するときには利息もつけて返済することになります。
返済方法は保険会社によって様々で、保険会社指定の口座に振込みをしなければならない場合や、口座振替で返済する場合、保険会社の店頭窓口で支払う方法、保険会社から送付される振込用紙・払込用紙を使ってコンビニや金融機関で支払いをする方法などがあります。
滞納を防ぐためにはどうすればいい?
クレジットカードでの生命保険料の支払いに対応している会社もあります。クレジットカード払いを利用すれば、保険会社に対しての滞納は起こりにくいです。しかし、クレジットカード会社に対して、カード利用料金を滞納し続けないよう注意しなければなりません。
滞納が「つい、うっかり」の一時的なものであったり、ごく一時的に資金繰りが悪化しての滞納ならば、その後に注意を払えば防ぐこともできます。
しかし、家計の収支状況がひっ迫していて保険料を支払う余裕がないという状態になっているのなら、保険契約そのものを見直し家計全体の資金繰りを改善させることも必要です。
払済保険に変更して、それ以降の保険料負担をなくす方法がまず考えられます。
また、毎月の保険料を抑えるために、不要な特約について、できるだけ解約する方法が考えられます。
保障が受けられる範囲や金額が狭くなったとしても、基本的な保障は確保できるよう、専門家に相談しながら契約内容を見直すと良いでしょう。
●掛け捨てタイプの保険は特に滞納に注意を
掛け捨てタイプの保険は、解約返戻金や満期保険金を受け取ることができませんが、貯蓄性のあるタイプの保険に比べて保険料が安く設定されています。とはいえ、肝心の保障を受けられなければ、意味がありません。
掛け捨てタイプの保険は、保険料の支払いが滞っても、自動振替貸付を受けることができません。特に、長期出張や入院などで保険会社からの郵便物や電話などに気づきにくい状態になっている間に、保険料を滞納したために契約そのものが失効してしまっている、という可能性にも注意が必要です。
●失効後に復活できる方法もある
保険契約が失効してしまった場合も、契約を復活させる方法はあります。
契約を復活させるためには、これまでに滞納している保険料や自動振替貸付で生じた利息を一括して支払うことが必要です。健康状態についての告知や診査も改めて必要となります。
契約を復活させることができる期間は有限で、保険会社ごとに1~3年の期間が定められています(なかには復活できない商品もあります)。
契約を復活させる方法があることは、安心材料ではあります。しかし、契約が失効している間は万が一のことが起こっても保障が受けられない期間が生じます。できる限り契約の失効は避けるようにしましょう。
生命保険の保険料を滞納した場合は無理のない資金計画を
生命保険契約は、一度の滞納で失効してしまうことはありませんから、滞納してしまっても絶望することはありません。しかし、なぜ滞納してしまったのか、保険料の支払いを継続できるのか、ということも含めて保険契約全体を見直し、無理のない資金計画を考えていくことも大切でしょう。
プロフィール
河野陽炎
3級FP技能士資格を持つライター、コラムニストとして、生命保険や医療保険、金融、経済などの執筆実績が多い。次々と発売される商品や、改正の相次ぐ税制、法律が1人の生活者にどう影響を与えるかの視点を大切にする。
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