勤怠管理システムは自作できる?エクセルやプログラミングの作成手順や注意点
勤怠管理システムを自作すると、開発・保守管理コストを下げられる可能性があります。表計算ソフトのエクセルや、Python・javaなどのプログラミング言語を使った勤怠管理システムの作り方、自作する際の注意点などを解説します。
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勤怠管理システムを自作する方法は主に2つ
- エクセルのシートで作成
- Pythonやjavaなどで開発
クラウドの勤怠管理システムを自作する方法は「エクセル」と「プログラミング」の2つがあります。ここでは、それぞれの自作方法について簡単に紹介します。
エクセルのシートで作成
表計算ソフトでおなじみのエクセルを使った勤怠管理システムは、比較的簡単に自作することができます。
出勤・退勤時間や休憩時間の記入欄を設けて、勤務時間や残業時間などを自動計算するような仕組みを作るのが基本的な自作方法です。インターネット上には無料で利用できるテンプレートもあり、手軽に勤怠管理システムを自作したい事業者におすすめです。
ただし、エクセルを使った勤怠管理システムは改ざんや書き換えがしやすく、勤怠管理の正確な把握が困難になる恐れがあります。
Pythonやjavaなどで開発
Python、java、HTML、javascript、ruby、C#、PHPなどのプログラミング言語を使用して勤怠管理システムを自作する方法もあります。エクセルより高度なカスタマイズが可能になり、自社に最適な機能を実装することができます。
ただし、開発するためには時間と知識が求められるほか、メンテナンスを継続的に行う必要があります。
勤怠管理システムを自作する手順
- データベース(DB)設計を行う
- 勤怠管理のシステム構造を構築する
- 他のシステムとの連携を考える
- 勤務体系に合わせた打刻方法を考える
- 実際にシステムを設計・開発する
ここからは、勤怠管理システムを自作する方法について解説します。
実際の作業内容は異なりますが、考え方のベースはエクセル・プログラミング言語のどちらにも共通するため、参考にしてみてください。
データベース設計(DB設計)を行う
勤怠管理システムの自作は、データベース設計から始まります。勤怠管理システムで取り扱うデータには何があるのかを考えてみましょう。一般的な勤怠管理システムでは、従業員の氏名や所属部署、社員番号に加え、出退勤時刻などが挙げられます。
データベース設計をきちんと行わないと、集計作業などを行う際に必要なデータを個別に取得したり、必要な情報を検索しても出てこなかったりと手間がかかるため、最初の時点で徹底的に洗い出しましょう。
勤怠管理のシステム構造を検討する
次は、勤怠管理におけるシステムの構造を考えます。
特に勤務場所がオフィス・在宅・客先常駐と異なるケースや、外出・出張などイレギュラーな勤務体系が入るケースなど、すべてに対応した勤怠管理システムの自作が必要です。
他のシステムとの連携を考える
勤怠管理システムは、人事管理システムや給与管理システムなどのソフトウェアと連携して活用するケースがあります。システム間でデータを紐づけすると、人事労務担当者の業務を効率化することが可能です。また、自動でデータを集計・計算することにより、ヒューマンエラーを減らせます。
しかし、連携時にデータが重複してエラーが発生したり、不要なデータまで連携して動作に影響が出たりといったトラブルの可能性が考えられます。あらかじめどのようなシステムと連携するかを考えておきましょう。
勤務体系に合わせた打刻方法を考える
オフィス出社や在宅勤務などの多様な勤務体系を採用している場合、社内外で勤怠記録を残せる打刻方法を検討する必要があります。
勤怠データの管理や他のシステムとの統合を考えると打刻方法を1つに絞るのが理想です。しかし、オフィスでカードキーを用いた打刻方法のみ採用すると、在宅勤務している従業員は打刻ができなくなってしまいます。働き方の多様化にあわせて打刻方法も多様化できないか検討してみましょう。
また、不正打刻を防ぐための対策や、将来的なシステム変更に対応できる拡張性も視野に入れられると良いでしょう。
実際にシステムを設計・開発する
これまでのステップで検討してきた内容を基に、勤怠管理システムの設計と開発を行います。まずは勤怠管理システムの設計図を作成します。
設計図は勤怠管理システムの全体像を可視化するだけでなく、自作途中に担当者が退職などでいなくなった場合でも、開発の引き継ぎや保守管理をする手助けとなります。また、複数人が開発に携わる場合は、担当の振り分けにも役立ちます。
勤怠管理システムを自作する利点
- 自社に合わせたカスタマイズが可能
- 開発費・保守管理費を抑えられる
自社に合わせたカスタマイズが可能
勤怠管理システムを自作すると、自社の独自ルールにあわせてシステム内容をカスタマイズできます。特有の勤務体系や特別休暇(福利厚生)などがあると、市販の勤怠管理ソフトウェアでは対応していないケースもあります。
自作している勤怠管理システムであれば、一般的でない勤務体系や特別休暇に合わせた業務プロセスでフローを組めるため、効率的かつ柔軟なカスタマイズ性を求める場合は勤怠管理システムの自作がおすすめです。
開発費・保守管理費を抑えられる
市販のソフトウェアを使用する場合、導入のための初期費用に加えて、従業員数に応じた従量課金制、サポート費用など何かと物入り。しかし、自作であれば内製化できる分、費用を大きく抑えられる可能性があります。
また、自社内で勤怠管理システムの保守管理が行えるため、運用コストも削減できるのが魅力的なポイントです。
勤怠管理システムを自作する際の注意点
- システム管理が属人化する恐れがある
- 法改正には迅速な対応が求められる
- 改ざんや不正申告などの対策が必要になる
システム管理が属人化する恐れがある
勤怠管理システムの自作にはある程度の専門知識が必要なため、特定の個人または少数のチームにシステム管理業務が偏る「属人化」の恐れがあります。
業務が属人化すると、管理者が不在の間にシステム運用やトラブル対応ができなくなる可能性があります。勤怠管理システムの管理業務が属人化するのを防ぐには、システムの保守管理に関する知識をマニュアル化し、教育やトレーニングを実施することが大切です。
法改正には迅速な対応が求められる
労働関連の法律は改正が頻繁に行われます。法改正があった際は勤怠管理システムを見直し、法改正に適応したシステムに変えなければなりません。
勤怠管理システムを自作し、保守管理なども自社で担う場合は、労働に関する法律の変更があるかどうかを常にチェックしながら必要に応じてシステムのアップデートを行う体制を整えることが必要です。
改ざんや不正申告などの対策が必要になる
勤怠管理システムの自作、特にエクセルベースの場合は、勤務時間を過大・過少に記録する不正申告やデータの改ざんが容易に行われる可能性があります。
そのため、不正や改ざんをさせないための対策が必要です。入力したデータの検証や、従業員による自己申告など、客観的なデータ収集を行いながら、正確な勤怠管理ができるような体制を整えましょう。
勤怠管理システムの自作を成功させるためのポイント
勤怠管理システムの自作をするには、自社がなぜ勤怠管理システムを導入しようとしているのか、目的をはっきりさせて必要な機能を明確にすることが大切です。
目的がはっきりしていないと作業が複雑になってしまい、途中でリソースが足りなくなり開発が止まってしまう恐れがあります。必要最低限の機能だけ実装し、残りの機能は徐々にアップデートする形がおすすめです。
また、他社の成功事例を参考にする方法も良いでしょう。勤怠管理システムを導入した目的や解決した課題などを知ることで、自社のビジョンも見えてきます。
勤怠管理システムの自作が難しいと感じたら市販ソフトウェアの導入も視野に
- プログラミングなどの知識が不要
- 法改正にも自動対応で業務効率化
- 不正申告などの対策が行われている
自作に必要な知識や人材の不足といった理由から「勤怠管理システムを自作するのは難しい」と感じたら、市販のソフトウェアを使って勤怠管理システムを導入する方法がおすすめです。
ここからは、勤怠管理システムを自作ではなく市販のソフトウェアで置き換えるのがおすすめな理由について解説します。
プログラミングなどの知識が不要
勤怠管理システムを自作する場合、エクセルでの数式やマクロを用いた方法や、プログラミング言語を駆使してゼロからシステムを構築する方法があります。しかし、これらは特定の技術的知識が必要な上に、実装されるまでの時間もかかります。
一方、既存の勤怠管理システムを導入すると、プログラミング言語やエクセルの専門知識がなくても効率的に勤怠管理を行えます。
法改正にも自動対応で業務効率化
自作した勤怠管理システムでは、法律の改正ごとにシステムの更新が必要になります。特に労働時間の規制や残業の管理に関する法律が頻繁に変更されるため、システムの管理者にとって大きな負担です。
しかし、市販の勤怠管理システムでは、法改正に自動で対応するものがあり、法改正にあわせたアップデートの手間を省くことができます。
不正申告などの対策が行われている
自作システム、特にエクセルを使用した場合、不正申告やデータの改ざんが容易になるリスクがあります。
市販の勤怠管理システムでは、生体認証、GPSによる位置情報確認など、不正防止のための高度な機能を搭載しているものがあります。申請の修正フローや不正アラートなどの機能も豊富で、より正確で信頼性の高い勤怠管理を実現できるでしょう。
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勤怠管理システムの自作に関するQ&A
ここからは、勤怠管理システムの自作に関する疑問をQ&A形式で答えます。勤怠管理システムの自作について疑問があればチェックしてみてください。
Q1. 勤怠管理システムを自作する方法は?
A. エクセルやプログラミング言語を用いた自作方法があります
エクセルでは数式やマクロを使った勤怠管理システムを、プログラミング言語ではPythonやjavaなどを使った勤怠管理システムを自作できます。ただし、いずれも専門的な知識を必要とするため、スキルがないと開発・管理を続けていくのは難しいといえます。
Q2. 勤怠管理システムを自作するのが難しい場合は?
A. 市販のソフトウェアの導入がおすすめです
勤怠管理システムを自作できなくても、ソフトウェア開発などを行っている会社が提供している勤怠管理システムを使えば問題ありません。機能や料金がそれぞれ異なるため、自社に合った勤怠管理システムを探してみましょう。
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※記載している情報は、LIMIA編集部の調査結果(2024年1月)に基づいたものです。
※画像は全てイメージです。
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