自然の中にある、おおらかな平屋の二世帯住宅
美しい自然に囲まれた、平屋の二世帯住宅です。
昭和16年以降、各世代により無秩序に増築され続けた住宅の建替計画です。敷地は自然豊かな緑に覆われた、南北に伸びる広い三角型。既存住宅内部は、敷地の広さも手伝って、無秩序さが肩の力の抜けたおおらかな空間を造り出していました。
主な要望は「二世帯住宅」「敷地中央にある蔵の残置」「両世帯が利用出来る広い客間」です。設計にあたり特に重要と考えたのは、「おおらかさの継承」「周辺環境との呼応」「二世帯の繋がり方」でした。
ここでは、既存樹木の配置に基づいた「周辺環境との呼応」と中庭を挟んだ「二世帯の繋がり方」に起因する2つのルールにより生まれる空間を、重なり合わせ、化合させることで、単元的なルールに属さない「おおらかな空間」を生み出しています。
対自然と対人間という2つの普遍的なアプローチから素直に生まれたこの建築は、単純な造られ方ですが、単純さがもたらす空間が重なり合うことで、何とも言いがたい人間味のある空間となっています。
清正崇建築設計スタジオ