郡上式町家改修デザイン
郡上八幡の町家の改修である。
八幡は古い宿場町で街道沿いにぎっしりと町家が並ぶ観光地だが、今では町家の3割以上が空家となっている。
高齢となった持主が暮らすのに町家の環境が適していない、とはいえ先祖代々引き継いだ土地を簡単には売れない、徹夜踊りのときには帰ってきたいから手放せないといった事情で売買はなかなか進まない。
一方で町家の雰囲気に魅力を感じて「お店を始めたい」「住みたい」という若者もいる。それがうまく結びつかないのが「素性の分からない人には売れない、貸せない」という心情が働くためだ。
この改修では、中庭であったが後年に屋内化されたゾーンに水廻りを集約した。
真っ白な空間とステンレスのシャープな棚板を設け、町家らしいしつらえと対比させた。
一方で当初より町家の空間であった部分はできるだけ手を加えなかった。本計画地の近所で八幡産業公社が古い町家をチャレンジショップに改装している。
ここで一定期間お試しした商店主に玄関脇の一間を賃貸する計画である。
大建met