安さと洗浄力が洗濯機の決め手!主婦が認めるメリットは?【縦型編】
洗濯機を買い換える際、「縦型」にするか「ドラム式」にするかは悩みどころ。スマートなドラム式にも目が引かれますが、昔ながらの縦型は安くて壊れにくく、何よりも洗浄力に優れている点は見逃せない魅力です。主婦も認める縦型洗濯機の人気の理由について、本音のアンケート調査をしました。
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「縦型」か「ドラム式」か……? 洗濯機を買おうと思った人なら、誰しも一度は悩んだことのある問題ではないでしょうか。
家電量販店では、きらびやかにディスプレイされたドラム式洗濯機が目立ちますが、実際の販売台数は縦型が86%、ドラム式が10%、その他が4%となっており(*1)まだまだ縦型のほうが圧倒的な人気のようです。
今回、実施したアンケートでも、ドラム式に興味はあるものの、現状は約8割の方が縦型を使用しているという結果。ここでは、そんな縦型洗濯機の魅力について、主婦50人の“本音”とともに探っていきましょう。
*1)出典:「GfKジャパン」(2015年上半期 家電・IT市場動向)より
■目次
1.「洗う」以外に機能はいらない、という主婦たちの本音
2.縦型洗濯機のメリットとデメリット
3.水道代と電気代に関して
4.結局、縦型じゃなきゃいけない理由ってあるの?
1.「洗う」以外に機能はいらない、という主婦たちの本音
縦型洗濯機を使用している主婦たちに、「洗濯以外の機能は使いますか?使うとしたら、どの機能ですか?」と質問したところ、あまりにも本音の回答をいただきました。
■「乾燥など洗濯以外の機能はありますが、使ったことはありません」(30代・専業主婦)
■「今のところ洗濯以外の機能を使ったことはないし、その他の機能を知らない」(20代・専業主婦)
■「洗濯機では、洗濯以外の機能は気にしたことがありません」(20代・専業主婦)
■「洗濯機の洗濯以外の機能というのはなんですか?そういったものが今はついているんですか?」(30代・専業主婦)
■「洗濯以外の機能……乾燥だけ?とかでしょうか、まったく使いません。フィルター掃除が面倒なので」(40代・専業主婦)
「洗濯機に洗濯以外の機能がいるの?洗濯機は洗濯をするための家電でしょ?」と言わんばかりの痛快な回答の数々。確かにその通りなのですが、最近の縦型洗濯機はとても便利になっており、乾燥機能や洗濯槽を自動で洗浄してくれる機能までついています。
■「洗濯槽を洗う機能を使いました。水をためてかくはんして、つけて洗う。まあまあ便利でした」(40代・専業主婦)
■「衣類乾燥モードは時々、使っています。そうすることで洗濯槽のカビが生えにくくなるそうです」(40代・専業主婦)
■「乾燥機、洗濯槽の掃除。それぐらいです」(40代・専業主婦)
■「乾燥機機能がついているが、完全に乾くまでに時間が掛かるのでほとんど使用しない」(50代・専業主婦)
■「乾燥、脱水機能を単独で使います。手洗いしたものを脱水だけするとか、天気が悪い時は乾燥するとか」(40代・正社員)
便利に思える乾燥機能や洗濯槽洗浄機能ですが、「あったら便利だけど、別になくても構わない」というのが本音。しかしこれこそ、縦型洗濯機が相変わらず人気な理由でもあるのです。
2.縦型洗濯機のメリットとデメリット
■メリット
まず第一のメリットは「安さ」です。実際に「価格.com」で縦型とドラム型を比べてみると、圧倒的に縦型が安いことがわかります。(編集部調べ。2017年3月6日現。)
縦型洗濯機……平均74,776円
※7~9kg容量、全79商品の平均。
ドラム式洗濯機……平均195,680円
※7~9kg容量、全23商品の平均。
■「他にも買う家電があったので出来るだけ安い洗濯機を探していたからです」(専業主婦 世帯収入400~600万)
■「安いのは何より助かります。ドラム式は良いのかよくわからないうえに高いので、買う候補にならない」(40代・専業主婦 世帯収入800~1000万)
■「同じ大きさで価格を比較すると、かなり縦型のほうが安かったから」(50代・専業主婦 世帯収入1000万以上)
■「安く購入出来て、便利な機能は必要なかったので、縦型洗濯機しか考えてませんでした」(30代・専業主婦 世帯収入200~400万)
50人のアンケート結果では、50人中33人が「安いから」という理由で縦型洗濯機を選んでいます。世帯収入によらず、全体として「いろいろな機能はそれほど必要ない。長く使えて安いものを」というコストパフォーマンスを重要視した意見が多いのが特徴的です。
縦型を選ぶ他の理由は、「洗浄力」が高いという点。50人中13人が「洗浄力」をメリットとして挙げました。
■「日本の水の性質でドラム型の叩き洗いよりも、縦型のもみ洗いのほうが汚れが落ちるそうです」(40代・専業主婦)
■「店員が洗浄力は縦型が高いと言っていたから、作業服などを洗う時に便利かと思って縦型を選びました」(30代・専業主婦)
■「新婚生活を始めた当時、張り切って高いドラム式を買ったら大失敗でした。節水すぎてまったく洗濯物が洗えていない、振動が激しくて洗濯機の位置がずれている、置き場所をとるというデメリットばかり。おまけにすぐに壊れました。縦型は節水ではないですが、よく洗えて気持ちが良いです」(40代・専業主婦)
■「以前はドラム式を使っていたけれど、乾燥を使うと洗濯物がしわくちゃになるのが嫌だったのと、汚れ落ちがいまいちな気がしたので縦型にしました」(40代・専業主婦)
特に40代の女性に多い意見として、「前にドラム式を買ったが汚れが落ちなくて縦型に買い換えた」という意見がありました。
日本でドラム式洗濯機が最初に発売された頃は、洗浄力の低さが指摘されていました。しかし現在では各メーカーが工夫し、縦型とほとんど遜色ないレベルの洗浄力になってきていますが、主婦たちの間ではまだまだ縦型のほうが洗浄力は上だというイメージを覆すほどにはなっていないようです。
■デメリット
一方デメリットとしては、「衣類が絡み合あってなかな解けない」「洗濯物の取り出しが大変」「乾燥機能が弱い(もしくはない)」「水道代が高い」という4つの点を挙げている方が多くいました。
■「洗濯が終わった後に洗濯物を出そうとすると、洗濯物同士が絡まって取りずらいです」(20代・専業主婦)
■「覗き込まないと奥のほうが見ずらいし、取りずらいので少し腰が痛くなります」(30代・専業主婦)
■「水をたくさん使う。洗濯物を出す時に手を伸ばさないと取れない」(30代・正社員)
■「とにかく乾燥が弱い、乾燥がついてるとはいいにくいほど弱い、生乾きのような変なニオイになることがある」(30代・専業主婦)
■「水道代が高いところ。以前はドラム式を使っていましたが2倍近く違います」(30代・専業主婦)
■「使用水量が多いこと、乾燥機能をつけてもドラム式乾燥機よりは使い勝手がよろしくない」(50代・専業主婦)
確かに縦型の洗濯機は「乾燥機能がなく衣類が絡み合う」ために、脱水されたばかりの洗濯物を解くのに手間がかかります。また、洗濯槽に深さがあるため底のほうの洗濯物を取るには、身長によっては腰を丸めてしまう姿勢になります。お年寄りが洗濯をされる場合は大変という意見も見られました。
一方で「まったくデメリットを感じていない」という意見も少なからずありましたので、人によっては必ずしも「安さゆえにある程度のことは我慢しなければならない」というわけではないようです。
3.水道代と電気代に関して
そもそも日本は縦型洗濯機が多く、海外はドラム式洗濯機が多いのには、「水」の性質の違いがあります。
日本の水は「軟水」ですが、海外の水は「硬水」が一般的。硬水は泡立ちが悪く、衣類をたたきつけるようにして洗う「たたき洗い」が必要でした。そうすると衣類が痛みやすいため、乾燥機能はふっくら戻すことが必要になり、早くから洗濯機と乾燥機がセットになったドラム型が主流になったようです。
それに対して軟水は洗剤の泡立ちがよいので、日本ではたっぷりの水で衣類を擦り合わせて洗う「もみ洗い」が主流になりました。そこから衣類同士を擦り合わせて洗う、縦型の洗濯機が開発されたという背景があります。
しかし水をたくさん使う「もみ洗い」を採用している縦型洗濯機は、水をそこまで必要としない「たたき洗い」を採用しているドラム式洗濯機よりも、水道代が高くつきます。
縦型の使用水量を100%とすると、ドラム式は68.5%(約327.6円安)、ドラム式で乾燥まで行うと49.2%(601.2円安)というほどの違いが出てきます(*2)。
また縦型とドラム式では、価格も圧倒的な差があります。その差は平均で120,904円(195,680円-74,776円)ほど。水道代で元を取るとなると、369カ月(約30年間)かかりますので、水道代の安さだけでドラム式の購入を判断するのは早計かもしれません。
しかし、ドラム式の特徴でもある「乾燥機能」も含めて電気代も加味すると、縦型が平均2563.2円/月、ドラム式が平均1096,6円/月になります。(*2サイトをもとに算出)
となるとランニングコスト全体では82カ月(約7年)で回収できる計算になります。洗濯機の買い替えの時期は一般的におよそ8~9年ぐらいなので、乾燥機能を毎日使う人にとっては、ドラム式のほうがコスト的に良い、という判断になりそうです。
*2)出典:「体験レポート.net」より
4.結局、縦型じゃなきゃいけない理由ってあるの?
ドラム式洗濯機の販売当初こそ、縦型洗濯機にしか出来ない「もみ洗い」による洗浄力の差はありましたが、今では「もみ洗い」が出来る機能がついたドラム式洗濯機も販売されています。となると「縦型にしか出来ない」機能はないといっても過言ではありません。
それでも縦型が人気である理由は、やはり「安さ」にあるといえるでしょう。現在、縦型を使用している方に「今後、縦型以外の洗濯機を購入する予定はありますか?」という質問をしたところ、半分以上の方が「ない」と回答。平均世帯収入が減り続け節約傾向にある今の日本では、コスパに優れる縦型の需要はますます増えそうです。
しかし、「乾燥機能」や「ランニングコスト」、「衣服の絡み合い」など縦型洗濯機の不便さも感じている主婦たちが多いのも事実。
■「もしドラム式が縦型と同じくらいの値段だったら購入するかもしれません」(40代・専業主婦)
■「次に洗濯機を買う時には、たくさんの量や、大きい洗濯物を洗えるドラム式を購入しようと考えています」(20代・専業主婦)
■「次に買う時はドラム式が欲しい。スタイリッシュだし部屋干しには乾燥機能が良さそうだから」(30代・専業主婦)
という意見もある通り、乾燥機能がしっかりしていてランニングコストも安く、本体価格も縦型とさほど変わらないドラム式洗濯機が主流になれば、買い換えることを考えている主婦が多いのです。それでも……
■「我が家は5人家族で人数が多いため、縦型じゃないと多くの洗濯物を一気に洗えないから縦型を使っています。とても便利だしたくさん洗えるので楽。なのでドラム式は購入をまったく考えていない」(30代・専業主婦)
■「身長が高いほうではありませんが、ドラム式だとかなりかがまないといけないので、毎日となると腰が……まだ、縦型のほうがかがまないので使いやすいです」(40代・正社員)
■「縦型はコンパクトで安くて十分です。いろいろな謳い文句のあるドラム式ですが、それほどのものを求めてはいません。普通に汚れが取れれば十分です」(40代・専業主婦)
と、「縦型絶対愛好派」は根強く、まだまだ縦型洗濯機の支持が厚い、というのが現状のようです。
まとめ
今回はドラム式洗濯機と比較しながら、縦型のメリット・デメリットを紹介。両方使った結果、安さと洗浄力を評価して縦型をチョイスするという主婦も実際にいることがわかりました。
最終的には、(1)乾燥機能を使いたいのかどうか、(2)毎日の洗濯のしやすさ、(3)コストパフォーマンスの3つの評価が大きな判断の基準となりますので、自分の家庭にはどちらが最適なのか、じっくりと検討してみてください。この記事があなたのお買い物の参考になれば幸いです。
アンケート期間:2017年2月15〜16日
対象:20代〜50代の専業主婦、正社員、派遣社員、公務員の方
アンケート総数:50
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