オール電化にしたら電気料金はどれくらい?節約アイデアもご紹介!
オール電化にした場合、効率的に電気を使えば、年間の光熱費は30,000円程度節約できます。ガス併用の場合と比べ、夜間のエネルギーコストが低い点と、基本料金が1つ分で済む点がポイントです。エコキュートや蓄熱暖房機の設定を適宜調節したり、IHクッキングヒーターの使い方を工夫したりして、電気料金を上手に節約しましょう。
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■オール電化にした場合の光熱費を試算!
オール電化に対して、便利やお得といったイメージを持っている方は多く見られます。
では、実際にオール電化にした場合、光熱費はどのくらいかかるのでしょうか。
以下では導入費用とあわせてご紹介します。
【オール電化にした場合の光熱費の変化】
オール電化にした場合の光熱費は、ご家庭の電気使用量とガス使用量によって変化します。
たとえば東京の住宅で、電気料金が月平均12,000円、ガス料金が月平均8,000円の場合、オール電化導入後の光熱費は月17,350円程度になると試算されます。
年間で考えると、ガス併用の場合は240,000円、オール電化にした場合は208,280円ですから、約30,000円節約できる計算です。
【オール電化の導入費用試算】
オール電化を導入する際の費用について、製品ごとに試算してみましょう。
まずキッチンをIHクッキングヒーターにするには、以下の費用がかかります。なお、費用の数字は目安です。
■IHクッキングヒーター本体(3.0kW×2、ビルトイン型):130,000円~180,000円
■設置工事費、ガスレンジ撤去費:85,000円
合計:215,000円~265,000円
次に急騰を電気で行うエコキュートを導入した場合は、以下の費用がかかります。
■エコキュート本体(370Lタイプ):400,000円
■基礎工事費:50,000円
■エコキュート設置工事費:50,000円
■水道関連工事費:150,000円
■電気工事費:40,000円
■ガス給湯器撤去費:12,000円
■調整費、雑費:50,000円
合計:750,000円
さらに、蓄熱暖房機を導入した場合は以下の費用がかかります。
■蓄熱暖房機本体(リビング15畳の場合):300,000円~350,000円
■組立費:300,000円~350,000円
■電気工事費:50,000円~120,000円
■床、壁増強工事費:20,000円
合計:670,000円~840,000円
以上の3つを導入すると、合計で1,635,000円~1,855,000円程度かかる計算です。
■オール電化とガス併用の場合の違いは?
オール電化の場合とガス併用の場合では、光熱費はどのくらい差があるのでしょうか。
以下で試算してみましょう。
【エネルギーコストを比較】
ガスと電気のエネルギーコストを、単位を統一して比較してみましょう。
ガスで起こせる熱を電気で起こした場合にどのくらいの電力量が必要になるかを計算し、kWhに単位を統一して比べます。
たとえばLPガスの発熱量は1立方メートル当たり24,000kcalで、この熱を電気で起こそうとすると27.907kWの電力が必要です。
またLPガスの1立方メートルあたり価格は、2016年12月時点で543.52円(石油情報センター公表の一般小売価格「家庭用LPガス50立方メートル小売価格」全国平均額より算出)となっています。
したがってLPガスにおける1kWhあたりの費用は「543.52円÷27.907kW≒19.5円」です。
同様に都市ガスについても計算すると、都市ガス1kWhあたりのエネルギーコストは9.1円となります(都市ガスの価格は東京ガスにおける東京地区の一般契約料金(2017年3月検針分、月の使用量20立方メートルをこえ80立方メートルまでの料金単価)より算出。都市ガスの発熱量は1立方メートルあたり10,750kcalとして計算)。
一方オール電化の電気料金単価については、ある電気事業者のオール電化用プランでは以下のようになっています。
■昼間時間 1kWhあたり25.33円
■夜間時間 1kWhあたり17.46円
以上を見てみると、1kWhあたりのエネルギーコストだけ考えた場合は、都市ガスが効率的だとわかります。
ただし、電気とガスを併用した場合は、基本料金が電気とガスそれぞれにかかる点に注意が必要です。
これに対してオール電化の場合は基本料金が1つですむため、月々の電気料金で考えるとオール電化の方が安くつく場合があるといえるでしょう。
【基本料金を比較】
ガス併用の場合とオール電化の場合それぞれにかかる基本料金の合計を比較してみましょう。
都市ガスの基本料金は、あるガス会社で月32立方メートル(全国平均使用量)利用した場合、1,036円です(2017年3月時点)。
またLPガスの基本料金は平均で1,584円となっています(プロパンガス料金消費者協会「プロパンガス基本料金の平均と適正料金」2016年1月現在 関東エリア)。
電気についてはガスと併用の場合、ある電気事業者における契約種別「従量電灯」の30A契約(平均モデル)では月842.4円が基本料金です。
オール電化の場合、ある電気事業者によるオール電化向けプランによると、一般的な契約容量6kVAの場合の基本料金は1,800円となっています。
以上を踏まえると、ガス併用の場合とオール電化の場合の基本料金合計額は以下のとおりです。
■都市ガスと電気併用:1878.4円
■LPガスと電気併用:2426.4円
■オール電化:1,800円
これらの数字から、オール電化の基本料金がもっとも低く抑えられていることがわかります。
先述した1kWhあたりのエネルギーコストも考えると、使い方によってはオール電化がもっとも安く光熱費を抑えられるといえるでしょう。
■製品別!オール電化での節約アイディア!
オール電化で光熱費を抑えられるかどうかは、製品の使い方にかかっています。使い方が適切でないと、予想以上に光熱費がかかってしまうこともあるため注意が必要です。
以下では、エコキュート・IHクッキングヒーター・蓄熱暖房機の3つに分けて、オール電化の節約アイディアを製品別にご紹介しましょう。
【エコキュート】
エコキュートは、おもに設定を工夫することで電気代を節約できます。具体的にどのような工夫をするべきかについて、以下で詳しく見ていきましょう。
■季節によってモードを切り替える
季節によって設定を使い分けましょう。
たとえば「省エネモード」は電気をもっとも節約できる設定ですが、冬はそのままにしておくと日中お湯が足りなくなり、沸き増しが必要になって、逆に多くの電気を使うことになってしまうこともあります。
したがって、省エネモードだけでなく、季節ごとのお湯の使用量を適宜確認しながら、その都度モードを切り替えるようにしてください。
■日中は休止モードに設定する
日中お湯をあまり使わない日は「昼間休止モード」に設定しましょう。
エコキュートはタンクの湯量が減ってくると、日中であっても自動で沸き増しをする機能が備わっています。
「今日はこれ以上お湯を使わない」という日に沸き増ししてしまうのはもったいないですから、そうした場合は休止モードを活用してください。
■ピークカット設定を活用する
ピークカット設定とは、日中の電気料金単価が高い時間帯には、お湯の残りが少なくなっても沸き増しをせず、電気を節約できる機能です。
■追い炊きや自動保温を避ける
お風呂のお湯を温めるときは、追い炊きや自動保温ではなく、できるだけ「高温足し湯」をしましょう。
追い炊きや自動保温は、タンク内にあるお湯の熱を利用して、循環したお湯を温める方法です。適温で給湯されますが、熱量を利用した分、タンク内の熱が逃げてしまいます。
一方、高温たし湯は、タンク内にある熱いお湯をそのまま足すため、お湯の熱を無駄なく利用できる点がメリットです。
■不在中は休止モードに設定する
数日間不在にする場合は休止モードを利用しましょう。
指定した日数、沸き上げをしないように設定できます。
■沸き上げの時間帯を調整する
「夜間」の時間設定を確認しましょう。
使っている電気料金プランの「夜間」時間とエコキュートの「夜間」時間が異なると、電気料金単価の高い時間帯に沸き上げしてしまう可能性があります。
■熱効率が高くなる環境を整える
熱効率が悪くならないよう、ヒートポンプの周りには物を置かないようにしましょう。
【IHクッキングヒーター】
IHクッキングヒーターの電気を節約する方法としては、以下のものが挙げられます。
■火力を上手に調節する
料理によって火力を調節しましょう。
たとえば煮物は低めの温度、炒め物は高めの温度といった具合に出力を調整すれば、料理がおいしく仕上がるだけでなく節電にもなります。
■お湯を多めに沸かす
お湯を沸かすときは多めの量をまとめて沸かしましょう。
沸かす水の量が2倍になっても、沸かす時間は2倍にはなりません。こまめに沸騰させるよりもまとめて沸騰させたほうが効率はよくなります。
■料金単価の安い時間帯に使用する
IHクッキングヒーターを使う時間帯を調整しましょう。
たとえば長時間熱する必要のある煮物などは、電気料金単価の安い夜間や早朝などに調理するのがおすすめです。
■鍋の水分をしっかりと取る
鍋の底の水分をしっかりと拭いてからIHクッキングヒーターにかけましょう。
鍋の底がぬれていると、その水分を蒸発させるために余分なエネルギーを使うことになってしまいます。
■熱効率の良い調理方法を心がける
調理方法を工夫しましょう。
たとえばフタや落し蓋を使って熱効率をよくしたり、余熱を利用して保温調理したり、圧力鍋や無水鍋を使ったりしてみてください。
これらの工夫をすることで、調理中の余分なエネルギーを節約できます。
【蓄熱暖房機】
蓄熱暖房機もエコキュート同様、設定を調節することで節電できます。
具体的な設定方法について、以下で詳しく見ていきましょう。
■蓄熱量を調整する
蓄熱量を季節ごとに調節しましょう。
寒い日に蓄熱量が足りなくなり、日中の電気料金単価が高い時間に追い焚きしてしまったり、逆に暖かい日に蓄熱しすぎて暑くなってしまったりすることのないようにします。
なおシーズンセンサーが備わっている蓄熱暖房機については、蓄熱量の下限値や最大蓄熱時の外気温度を微調整できます。
蓄熱開始時の外気温度も手動での調整が可能なので、積極的に活用してみましょう。
■料金単価が安い時間帯に合わせて蓄電をする
通電時間設定を確認しましょう。
エコキュートの場合と同じように、夜間の電気料金単価が安い時間帯にあわせて蓄電するよう、時間を適切に設定してください。
■必要がないときにファンを回さない
ファン付きタイプの蓄熱暖房機については、ファンは必要最低限だけ回すようにし、部屋が十分暖まっているときには切るようにしましょう。
ファンを回すとその分熱が逃げてしまうため効率がよくありません。
なかには、室温によってファンのオン/オフを自動で切り替えてくれたり、設定した時間帯だけファンを回すようにできたりするものもあります。また夜間に蓄熱する前には、ファンが止まっていることをしっかり確認しましょう。
ファンが回ったまま通電すると、放熱してしまい蓄熱量が足りなくなることがあります。
■不在中にファンをオフにする
数日間不在にする際はファンやファンタイマーをオフにしておきましょう。
無駄な放熱を防げます。ただし蓄熱暖房機そのものは停止させないよう注意してください。
蓄熱暖房機本体の電源を切ってしまうと0%から蓄熱が必要になるため、多くの電気を使うことになってしまいます。蓄熱量を下げるなどして対応しましょう。
■必要がない時期にはブレーカーごと落とす
暖房の季節が終わったら、蓄熱暖房機のコンセントとブレーカーをオフにしましょう。
ブレーカーが入ったままになっていると、気温の季節にも蓄熱されてしまうことがあります。
また蓄熱量も最小に設定しておくほうが安全です。
■まとめ
今回はオール電化にした場合にかかる電気料金を、ガス併用の場合と比較してご紹介しました。いかがでしたか?オール電化は使い方のコツをつかめば光熱費を節約できます。今回ご紹介した節約方法も参考に、オール電化で省エネ生活を送ってみてください。
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